トラック運転手の仕事内容とは?向き・不向きや問題点についても解説
人間関係に悩んで転職を考える人が多い中、「一匹狼」的イメージのあるトラック運転手に興味を持つ人もいるのではないでしょうか。
トラック運転手の仕事は、トラックの大きさや運ぶものなどによって実にさまざまです。
しかしその違いが何なのか、そもそも自分はトラック運転手に向いているのか。経験がないとよくわからないですよね。
この記事では、まずトラック運転手に向いている人の特徴について解説。トラックの種類による仕事の違いや労働環境の実態なども紹介します。
求人を探す前にぜひ目を通してみてください。
トラック運転手の仕事の向き・不向きとは?その理由も解説
まずは、トラック運転手に向いている人はどんな人か、その特徴と理由を説明します。
- 時間やルールを守れる
- 責任感が強い
- 体調管理・自己管理ができる
- 体力があり、キビキビと働ける人
- 辛抱強く、ストレスに強い人
- ハキハキと挨拶、話ができる人
- 運転センスのある人
トラックの運転手は単に荷物を運ぶのではなく、決められた時刻に確実に、安全に荷物を運ぶことが大切。
それには、決められた時間やルールを守る意識の高さと、責任感の強さが必要です。
また、長距離の場合などは特に、休息や睡眠の時間が思うように取れないことも。
睡眠不足は事故のもとです。食事や睡眠などの自己管理・体調の管理も重要になってきます。
トラック運転手の仕事で大変なことについては、「トラック運転手の仕事内容で運転以外に大変なこと3つを紹介」の章で詳しく紹介しています。
トラック運転手は、運送会社の顔とも言える存在。そのため、社会人としてのマナーも重要です。
荷物の発注元や届出先で元気に会話ができないと、印象が悪くなるだけでなく、その後の仕事量に影響が出ることもあります。
信頼関係を築ければ、仕事が楽しくなる可能性がぐんとアップしますね。
運転センスも、大型トラックやタンクローリなど特殊なトラックの運転には必要です。
運転席や荷台の高さ、死角の多さなど、普通車とはさまざまな違いがあります。
積荷に損害を与えないよう、荷物の重さや種類による速度・遠心力などの感覚の違い、ブレーキの効き具合などにも敏感に適応しなくてはなりません。
トラック運転手の仕事には距離別などさまざまな種類が存在
トラック運転手の仕事は、車両の大きさや走行距離などによってさまざまな違いがあります。
転職するなら、自分に合った働き方を探しましょう。次の3つに分けて説明していきます。
配送に使うトラックの大きさの違い
トラックで配送する距離の違い
トラックでの配送方法の違い
まずはトラックの大きさから。
トラック運転手の仕事は、配送に使うトラックの大きさによって異なる
トラックの大きさは、次の3つに分類されるのが一般的です。それによる使い分けもされています。
大きさ | 特徴・用途など |
---|---|
小型トラック (2トントラック) |
・コンビニや宅配便など近距離向け ・細い道などで活躍 |
中型トラック (4トントラック) |
・中・近距離で幅広く利用 |
大型トラック (10トントラック) |
・都市間など長距離での大量輸送向け ・給料が小・中型より高め |
ほかにも、石油を運ぶタンクローリー、コンテナなどをけん引するトレーラーなどがあります。
未経験でトラック運転手となる場合、はじめは小型や中型で慣らし、その後大型トラックの運転を任されるのが一般的です。
「大型の方が運転しやすい」という人もいますが、事故を起こした場合のリスクは普通車よりも大きいもの。死亡事故となる可能性も高く、運転には神経を使う必要があります。
「トラックの免許の種類をわかりやすく紹介!仕事の幅が広がる資格も」の記事を読んでみてください。
次に、荷物を運ぶ距離について見ていきましょう。
トラック運転手の仕事は配送距離でどう違う?メリット・デメリットは人による
距離の明確な定義はありませんが、一般的には「長距離」と「中距離」、「近距離(地場)」とに分かれています。
トラック運転手の仕事も、距離によって次のように異なるのです。
距離 | 主な特徴 |
---|---|
近距離(地場) | ・片道200km~300km程度 ・2つの県をまたぐ程度の距離 ・毎日帰宅できる ・複数の届け先に配送する ・積み降ろしの作業が多い |
中距離 | ・片道500kmくらいまでが一般的 ・積み込み・納品先によっては泊まりになることも ・長距離も任される会社が多い |
長距離 | ・片道500kmを超える距離 ・幹線道路を走ることが多い ・運転時間・拘束時間が長い ・パーキングエリアなどで車中泊することがある ・睡眠時間が十分に取れない ・積み降ろしの回数は少ない |
時間や体力、配送件数など、何を大変だと思うかは人によって異なります。
一概にどっちがいいとは言えません。
たとえば近距離だと毎日家には帰れますが、積み降ろしの作業が多いと腰などに負担もかかる、といったデメリットも。
「家にはたまに帰るくらいでいい。長距離で知らない土地に行くのが楽しい」「積み降ろしの回数が少ない長距離の方がラク」という人もいるのです。
トラックには輸送の仕方によっても違ってくる!4つの主な配送種類を紹介
さらに荷物の輸送・配送方法も、契約する企業や配送先などによって次のような種類があります。
配送の種類 | 特徴 |
---|---|
定期便 | ・配達先やコースが決まっている ・全国の営業所やトラックターミナルへの便など ・曜日や時間が決まっていることも 例:製品工場から倉庫への輸送 |
ルート配送 | ・決まったルートを回って配送する 例:コンビニエンスストア各店舗への配達 |
専属便 | ・1件の荷主の専属となって配送 ・配達先はその都度異なる 例:宅配便のドライバー |
チャーター便 | 他の荷主の荷物と混載せず、納品先まで直行する |
フリー便・スポット輸送 | ・繁忙期などに臨時で行う ・荷主から指定された場所に運ぶ ・配達先や積荷、時間はさまざま |
定期便は配達先や時間などが決まっており、慣れるほど仕事が楽に感じられる可能性が高いです。
しかし、同じルートでは単調でつまらない、と感じる人も。
トラック運転手は拘束時間が長く、労災件数も他業種より多い
ここからは、労働時間や残業など、トラック運転手の実態を見ていきましょう。
トラック運転手の拘束時間は平均「12時間26分」で、より長いのは大型・長距離トラック。
車種別でみると、普通・中型トラックより大型トラックが2時間ほど長く、距離別では短・中距離よりも長距離の方が4時間ほど長いという結果です。
しかし大型トラック運転手の約20%が、休息期間を「8時間未満」と回答しました。
残業時間は、運輸業・郵便業の平均で「23.9時間」です。
調査した全産業の平均は11.4時間で、倍以上の残業時間となっています。
運輸労連(トラック運転手主体の労働組合)が2018年5月に行った調査では、29.8%の人が残業時間を「20~60時間」と回答。
「20時間まで」と答えた人も全体の21.7%いました。しかし「100時間まで」という回答も23%あったのです。
さらに、脳・心臓疾患による労災の請求・支給決定件数はトラック運転手が最も多い、という事実も。
それによると、運輸交通業の83.7%の会社が、違法な残業や残業代不払いなど、労働法に違反していることが判明。
今後も是正に向けた取り組みを積極的に行うとしています。
トラック運転手の仕事内容で運転以外に大変なこと3つを紹介
トラックの運転手には、車の運転以外にも大変なことがあるのです。
その内容は主に次の3つ。
それぞれ具体的に、政府や業界の取り組みも交えて紹介します。
トラック運転手に責任が問われる荷物の破損~ダンボールについたキズも?
トラック運転手が配送中に荷物を壊した場合は、納品先に受け取ってもらえないのも仕方がないと理解できますよね。
しかし商品自体に損傷はなく、梱包に傷が付いたり箱の角が凹んだりしただけでも、受け取りを拒否されることがあるのです。
家電などの場合、ダンボールのまま顧客に届けたり、箱ごと店頭に陳列したりするため、箱もキレイな状態であることが求められます。
食品などの場合は、ダンボールに傷があることで、商品への異物混入の疑いを持たれてしまうのです。
これはトラック運送について定めた「標準貨物自動車運送約款」に明記されています。
それでも梱包部分の損傷が理由で受け取りを拒否されるケースは多く、運送会社が買い取ることがほとんど。
トラック運転手にその買い取り分を負担させる会社も多いのです。
とは言え、トラック運転手にすべての責任を押し付けるのはどうかと思いますね。
これについてはトラック業界も問題視。
平成26年に全日本トラック協会が調査したところ、受け取り拒否された配達物の約3割が、梱包部分のみの異常だったと判明しました。
そのため全日本トラック協会では、貨物事故防止のチラシを作成し、送り主側の企業に次のことを呼びかけています。
- 外装(商品を守る梱包部分)のささいな汚れ、シワなどでは損害賠償に応じられない
- 外装の汚れや凹みなどを損害賠償の対象とする場合は、外装も商品として荷造りする必要がある
具体的な例として、インク移りによる汚れや結束バンドの締付け不良、梱包材のスレによる剥離、ビニールの破れ、角のつぶれ・凹みなどが挙げられています。
トラック業界だけでなく、製造から小売まで物流に関する業界全体が改善に向けて取り組んでほしいですね。
これもトラック運転手の仕事?検品やラベル貼りなどの付随作業を行うことも
トラックの運転手には、納品先などで作業を頼まれることもあります。
たとえば、運んだ先の企業の倉庫内で、棚に品物を入れる、運送後の荷物を仕分ける、値札などのラベルを貼る、など。運賃には含まれない作業です。
これらの作業を、運賃としての料金のみでトラック運転手にさせる納品先が多数あることが問題となりました。
そこで平成29年11月に標準貨物自動車運送約款が改正。検品や仕分けなどの作業は運賃に含まれず、依頼するなら別途料金を支払う、という決まりになりました。
しかし慣例が横行する業界もあり、別料金だと断りきれずにそのまま行っているトラック運転手も多数いると想像されます。
また、運賃とは別に作業料金を受け取ったからと言って、それが運転手の給料に反映されるとは限りません。
「こんなのは自分の仕事じゃない」「時間がかかる」とストレスに感じるトラック運転手も多いのです。
トラック運転手は、荷主や納品先の都合による待ち時間が長いことも悩みの種
トラック運転手の業務には、出荷時・納品時それぞれに待ち時間が発生することがあります。
厚生労働省による「トラック輸送状況の実態調査結果(平成27年実施)」によると、相手側の都合による待ち時間の平均は1時間10分ほど。
最大では13時間ほどの待ち時間が発生していることもわかりました。
納品先では、他社の納品と重なりすぐに倉庫に入れず、荷降ろしの順番待ちとなることが多いのです。
しかしこの「荷待ち」についても、実態を把握して改善につなげようという政府の取り組みはすでに始まっているのです。
平成29年7月より「荷主の都合による30分以上の待ち時間」があった際、時間等を乗務記録に残すことが義務付けられました。
荷主への勧告など、改正への今後の具体的な動きが期待されます。
トラック運転手への転職を考えているなら、「トラック運転手になる!必要な資質や労働環境、収入や免許まで解説」の記事も読んでみてください。
ドライバー向けの求人サイトを「トラックの転職におすすめの求人サイト特集!それぞれの特徴を紹介」の記事で紹介しています。
トラック運転手の仕事内容や大変なことを踏まえ、自分に合った転職を
「大型トラックで長距離を走ってバリバリ稼ぎたい」「小型トラックで近場をルート配送、夜の睡眠時間は確保したい」など、自分のニーズに合った働き方を探しましょう。
トラック運転手の仕事には、運転以外の作業に手間を取られたり無駄な待ち時間があったりなど、運転とは違う部分で大変なこともあります。
しかしトラック運転手は、日本全国の物流を担い、全産業を支える重要な仕事。
やりがいを見いだせる働き方は何かを考えた上で、転職先を探しましょう。
待遇などは会社によって大きく異なるので、たくさんの求人を見て吟味してください。
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