医療事務の仕事内容は施設によって違う！基本と違いを知ろう
医療事務の仕事、と聞くと、病院の受付をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし医療事務は、受付業務のほか、診療の補助、医療費の算定などさまざまな仕事をしているのです。
医療事務として働きたいなら、仕事内容もしっかり押さえておきたいところ。
この記事では、医療事務に共通する主な仕事内容と、医療施設の規模や種類によって異なる仕事内容についてまとめました。
取るべき資格選びや職場選びにも役立つ内容ですので、ぜひ読んでみてください。
医療事務の主な仕事は3つ｜共通する基本業務を覚えよう
医療事務の仕事は、施設の規模や種類によって微妙な違いがあります。
しかし、どこでも行う基本的な作業も。
それぞれの作業について解説していきます。まずは基本となる作業について見ていきましょう。
医療事務の基本業務その1：受付・会計
医療事務の主な仕事の1つが、患者さんの受付をし、医療費の支払いを受ける窓口業務。
患者さんが病院に来たとき、最初と最後に対応をするのが医療事務なのです。
「受付・会計」とだけ聞くと単純な業務に思えるかもしれませんが、実際にはさまざまなことを行っています。
- 患者さん・訪問者の受付
- 診察券や保険証の受付
- 電話の応対
- 患者さんのカルテ作成
- 初診の患者さんの問診票や診察券等の作成
- 会計で使うレジの操作や準備作業
- 医療費の会計
- 明細書や処方箋のお渡し
この他、待合室でのトラブル対応や、容態が急変した患者さんの対応など、イレギュラーな業務をこなす場合もあります。
病院の規模や種類によって、仕事内容にも細かな違いがあります。
医療事務の基本業務その2：クラーク業務
次に紹介するのが、クラーク業務です。
クラーク業務とは、患者さんと医師や看護師、技師などをつなぐ役割をすること。
病院によっては、診療の補助をする場合もあります。
クラークに業務には2種類あります。1つは「外来クラーク」、つまり診察のみの患者さん対応。もう1つは、入院病棟で仕事をする「病棟クラーク」です。
病院の規模によっては、両方ある場合と、片方のみある場合があります。
クラークの主な業務は、次の3つ。
このほかに、外来と病棟それぞれで異なる仕事もあります。
外来クラークの場合、診察室で待機している医師や看護師の補助が主な仕事です。
外来クラークの仕事内容は、次のようなことです。
- 診察室や検査室への案内
- 検査やレントゲン等に必要な書類の準備・記入
- 医師や看護師資格がなくてもできる補助作業（診察補助）
- カルテや検査結果等の資料まとめ・整理
- 転院や入院、急な検査などについての案内
病院の求人によっては、こうした外来クラークとしての作業を「診療補助」と表記している場合もあります。
次に、病棟クラークの仕事内容について見ていきましょう。
病棟クラークは、入院病棟での事務作業や手続きを行う業務です。
ナースステーションや、病院の入院受付で仕事をすることが多くなります。
- 入院や退院必要な書類の用意や手続き
- 入院時に必要な物の準備や、ルールの説明
- 入院する人の病室やベッドの手配
- カルテや食事を用意するための伝票の準備
- 手術や入退院のスケジュール管理
- 見舞いに来る人への対応
病棟クラークの場合、治療現場に関わるのではなく、事務的な作業や手続きの面で医師や看護師、患者さんを支えています。
病院に関わる仕事をしていないとなじみのない「クラーク業務」ですが、病院と患者さんを結び付ける重要な仕事です。
「クラーク業務」だけでの求人もあるので、医療事務の求人を探す際は、クラークの求人にも目を向けてみてください。
医療事務の基本業務その2：レセプト作成
医療事務の資格問題にも必ず出るレセプト（診療報酬明細書）作成業務は、医療事務の仕事においてとても重要です。専門性の高い業務でもあります。
病院では、健康保険証を提出して治療を受けることがほとんどですよね。
保険証を使い、医療保険によって治療を受けることを「保険診療」と言います。
保険診療にかかる医療費を求めるのが、レセプト作成業務です。
保険診療は治療で行われた行為や、使われた薬などを点数によって表しています。これを診療報酬点数と言います。
診療報酬点数は「1点＝10円」のルールで金額が決められています。医療事務はこの点数を計算し、保険割合にもとづいた治療費を導き出すのです。
レセプトに関する業務は、実際に業務をしている人でないとわかりにくいですね。
そこで、患者さんが治療を受けてから支払いをするまでに医療事務が行うレセプト業務を、簡単にまとめました。
- 医師が記入・入力したカルテから、レセプト作成に必要な情報を引き出し、レセプト作成ソフトに入力していく
- カルテの内容をレセプトに入力し終わったら、保険診療の場合は保険者に請求する分の医療費と、患者が自己負担する分の医療費をそれぞれ算出する
- 患者が自己負担する分の医療費を算出したら、明細書を印刷し、会計に回す
診察時間中は常にこの作業を行います。毎日この流れで処理をしていくのです。
また、患者さんへの対応のほか、保険者への請求処理もあります。
保険者へは、毎月10日にレセプトの内容をまとめて請求します。この請求作業も、レセプト業務の重要な仕事です。
保険診療の場合、患者さんは自己負担分の金額のみを支払います。残りの金額は保険者へ請求するのです。
この時、レセプトに不審な点や入力ミスがあると、保険者からレセプトを返されてしまいます。
不備があればその分処理に時間がかかり、請求金額の支払いにも時間がかかってしまうのです。これを避けるための確認作業も、請求に合わせて行う必要があります。
これに加えて、開院や閉院の作業、院内の掃除といった雑事をする場合もあります。
医療事務の仕事内容は多岐にわたっていて、病院によって業務内容は細かい違いがあるのです。
医療事務だからこそ得られるやりがい・メリットとは
多くの仕事を要求される医療事務ですが、だからこそ得られるやりがいやメリットがあります。
医療事務だからこそ得られる良い点も知っておきましょう。
医療事務だからこそ得られるやりがい
医療事務が得られる大きなやりがいは、「元気になった患者さんの姿」や「感謝の気持ち」です。
医療事務は治療に直接関わる仕事ではありませんが、病院に来た患者さんの最初と最後の姿を見ることができます。
最初の頃とは違う、元気になった姿を見たり、感謝の言葉をもらえたりするのは、大きなやりがいにつながります。
また、患者さんの状況によっては、医療事務が手続きなどのサポートをする場合があります。
治療費の問題や、入院中の手続きなど、医療事務のサポートによって患者さんを助けられることもあるのです。患者さんの役に立つ、これもまた、やりがいを感じられる瞬間と言えるでしょう。
医療事務の仕事に就くときのメリット、就いてからのメリット
医療事務には、職場を選ぶときからメリットがあります。
病院は日本全国どこにでもある施設。つまり働ける場所がたくさんあるということです。
駅前や自宅の近くなど、自分が通いやすい職場を選んで働くことができます。
また、雇用形態にも正社員からパート、契約社員や派遣社員まで、多様な働き方があります。そのため、生活にあった働き方がしやすいのです。
医療事務の仕事内容やメリットは、職場によっても異なる
医療事務の仕事は、病院をはじめとした医療施設の規模や種類によって微妙に違いがあります。主な医療機関ごとに、医療事務の仕事内容をまとめてみました。
自分の働きやすい職場はどんなところか、考えながら読んでみてください。
医療事務の仕事内容：診療所の場合
診療所とは、入院用のベッドが20床以下の病院のことです。
そのため、診療所によっても異なりますが、多くが外来の患者さんの対応となります。
そのためレセプト作成やクラーク業務も、主に外来患者向けの内容です。
また、大規模病院とは異なり診療科目も限られるため、作成するレセプトも限られた内容になることが多いです。
医師や看護師の数が限られているのも、大きな病院とは異なる診療所の特徴。医師や看護師のほとんどが、診察にかかりっきりになります。
必然的に、医療事務がいろんな業務をこなさなくてはならない状態になるのです。
診療所で医療事務として働く場合、レセプト業務のように専門的な作業だけでなく、病院全体の事務に関わる可能性が高いです。
大変に思えるかもしれませんが、診療所で働くからこそのメリットもあります。
- 診療所全体の仕事に関わるので、業務の流れがつかみやすい
- 規模が小さいので、医師や看護師とのコミュニケーションが取りやすい
- 患者さんとも密接なコミュニケーションが取れる
医師や看護師とのコミュニケーションが多かったり、患者さんとの距離が近かったりすると、自分が役に立っているという自信ややりがいなども感じやすくなるもの。
こうしたメリットを求めて、診療所で働くことを選ぶ医療事務の人もたくさんいます。
医療事務の仕事内容：入院施設のある病院の場合
入院施設のある病院や総合病院の場合、業務量が多いため担当がはっきり分けられ、分業化されているケースが多いです。
窓口での業務やレセプト作成業務を当番制にするところもあれば、採用の時点で業務範囲がある程度決められている場合もあります。
仕事量が多くはありますが、大きい病院だからこそのメリットもあるのです。
- 業務がある程度限られているので、覚えやすく身につきやすい
- さまざまな病気やケガを扱うので、幅広い症状のレセプト作成方法を覚えられる
- 病院の院内保育園や送迎バスなどを利用できる場合がある
大きな病院で働くメリットは、キャリアアップや働きやすさにもつながっています。そのため、求人での倍率も高い事が多いです。
医療事務の仕事内容：薬局の場合
病院での治療後、薬局で処方された薬を受け取る場合がありますよね。この薬局にも、医療事務として働く人がいます。
薬局での医療事務は「薬局事務」と呼ばれています。仕事内容は、診療所で働く場合に近い業務です。
薬局事務の場合、業務内容に2つの大きな違いがあります。
- お薬手帳の配布や確認も行う
- レセプト作成業務がすべて処方薬に関わる内容である
通常の医療事務とは少し違った作業もありますが、その分覚える業務や内容が決まっている場合が多いというメリットもあります。
人によっては、病院よりも薬局の方が働きやすい場合もあるでしょう。
なんだか私も、医療事務の資格を取ってみたいと思えてきたわ！
資格については、「医療事務の資格は何のために必要？3大資格の特徴と効果を解説します」の記事で紹介していますよ。
医療事務の仕事は働く場所によって微妙な違いが。仕事選びは慎重に
受付やレセプトの作成、治療費の算出や会計など、仕事内容は多岐に渡ります。
医療事務の仕事は簡単ではありませんが、専門的なスキルが身につきますし、患者さんとのコミュニケーションにやりがいを見い出すことも。
ただ、仕事内容は職場によっても異なります。どこで働くか、医療機関を慎重に選ぶことが重要です。
求人を選ぶときは、医療機関の規模や種類をよく確認した上で、業務範囲がどこまでかもチェックしておきましょう。
働きやすい職場は人によって異なります。自分に合った職場を見つけてくださいね。
- DODA 第二新卒歓迎！働きながら業界トップレベルの技術を学ぶモノづくりエンジニア募集
- リクナビNEXT 約8割が未経験からのスタート！大手商社でグローバルに活躍できる人材を募集中！
- マイナビ転職 女性の働きやすさ抜群！有給消化率98%の有名メーカーで事務スタッフを募集中
- エン転職 フレックス制で自由な社風！未経験者OK！平日夜・土日面接OK
- ＠type 残業月20h未満/年休125日/定着率95％【入社祝金アリ】
