ITコンサルタントは高収入が見込める!ただし責任やストレスも大きい
ITコンサルタントとは、企業の課題をITで解決するアドバイスをする人のことです。
それだけだと「システムエンジニア(SE)と何が違うんだ?」と疑問に思う人もいるかもしれませんね。
SEは、クライアントの個々の事業について課題をヒアリングし、目的に合ったシステムを開発・構築する仕事。
ITコンサルタントの仕事は、クライアントの経営に関する課題と戦略を、ITの最適化によって解決することです。
高収入が狙えるということで注目する人も多いITコンサルタント。この記事では、そんなITコンサルタントの仕事内容ややりがい・苦労、収入面について解説していきます。
ITコンサルタントに転職するために必要なスキルや資格も紹介するので読んでみてください。
ITコンサルタントの仕事内容、主な役割は3つ
ITコンサルタントの仕事は、クライアントの経営課題をITを駆使して解決すること。そのために、主に3つの役割があります。
- アナリスト的な役割:状況と課題の分析
- コンサルタントとしての役割:戦略の立案
- マネージャー的な役割:ITベンダーとの橋渡し、投資対効果の観察、経過フォロー
まずはクライアントの経営状況や課題をヒアリングし、把握するのが第一です。状況を把握、分析したら、その解決に必要な新システムの導入などの提案をします。
実施が決まればITベンダー(ソフトウェアやシステムを開発する会社)でプロジェクトを立ち上げ、実装に向けて動きます。ここではシステムエンジニアがシステムの設計や要件定義などを行い、進めていくのです。
ITコンサルタントは、クライアントの意見や要望などをベンダーに伝えるなどしてプロジェクトの進行を見守り、効果を測定、状況に応じたフォローをします。
優秀なITコンサルタントは高収入!平均年収は約930万円
クライアント企業の経営の行方を左右するといっても過言ではないITコンサルタント。
高収入として知られてはいますが、実態はどうなのでしょう。
経済産業省がまとめた「IT関連産業の給与等に対する実態調査結果」(平成29年8月)によると、ITコンサルタントの平均年収は928.5万円。
IT系のその他の職種と比べて、最も多い水準です。
年齢や勤務日数に関係なく、実績を上げるほど高収入が見込めるのです。
ITコンサルタントは向上心の強い人向き!やりがいや苦労とは
ITコンサルタントは、企業の経営層を相手にする仕事です。活躍の舞台が大きいため、この仕事をしていること自体に誇りも感じられるもの。
ほかにも、次のようなやりがいやメリットがあります。
- 知力を存分に活かせる
- 企業の重要な意思決定に関わることができる
- 企業トップクラスとの出会いで視野が広がる
- プロジェクトが成功すれば達成感、充実感を味わえる
- 高収入が見込める
- 経験が転職に有利になる
勉強を重ね、実績を積むほど、やりがいも大きくなるのがITコンサルタントの仕事です。向上心、向学心の強い人ほど向いていると言えます。
しかしITコンサルタントの仕事には、その責任の重さから大変なことも当然あります。
ITに関する知識はもちろん、経営に関する知識や社会の動きなども知っていなければアドバイスなどできませんし、課題解決に向けた最善策の編み出しなど、考える力も必要です。
先述の調査結果では、ITコンサルタントはIT系職種の中でも最も勉強時間が長く、残業時間も比較的長いことがわかっています。
- プレッシャーや責任が重くのしかかる
- クライアントとITベンダーとの板挟み
- 残業が多い
- 常に勉強が欠かせない
ITコンサルタントには、プレッシャーやストレスに強く、常に勉強をして知見を広げ、自分を向上させたいという意識の強い人が向いています。
仕事の重圧を常に感じたり、質と速さの両方を求めるクライアントと現場で動くベンダーとの間で板挟みになったりして、精神的にも楽な仕事とは言えません。
労働時間が長い上に、業務外で勉強する時間も必要で、プライベートな時間の確保が難しい可能性も高いです。
ITコンサルタントへの転職希望!未経験者に必要なスキル
もちろん、ITコンサルタントとしての経験や、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーの経験があれば有利ですが、次のような経験でも応募可能な企業は多く見つかります。
・ITエンジニアとしての開発、構築経験
・システムの保守・運用経験
・何らかのプロジェクトのマネジメント経験
・ITベンダー企業での営業経験
・社外の顧客対応経験
・業務分析、改善の提案、システム導入の企画提案経験
・プロジェクトの立ち上げから推進、クロージングまでの一貫した経験
開発・構築経験については、職場によって求める具体的な内容は異なります。たとえば「システム開発における要件定義」だったり、「オープン系基幹業務システムまたはWebアプリケーションシステムの開発経験」だったり。
「Javaでの開発経験1年以上」を条件とするところもあれば、「Javaまたは.netを使った業務の経験がある」といったケースもあります。
一般的な「経営コンサルタント」とはそこが違う点ですね。
ITコンサルタントの業務に役立つ資格
ITコンサルタントの仕事をするための資格というのは存在しません。また、ITコンサルタントの求人に特定の資格を求めるものはありません。
ですが、次のような資格を取得しておくと業務に役立つのはもちろん、クライアントなどにもスキルを証明できます。
ITコーディネータ(ITC)資格
「ITコーディネータ 」は経済産業省が推進する資格で、IT経営を実現するために経営者の立場に立った助言・支援を行うプロフェッショナルのことだと定義されています。
つまり、この記事で紹介しているITコンサルタントとほぼ同義の資格です。
ITコーディネータの資格を取るには、次の2つをクリアして、資格の認定を受ける必要があります。
- ITコーディネータ試験(ITC試験)に合格
- ケース研修を受講
公認会計士や中小企業診断士など、指定の資格をすでに持っている人は、ITC試験から選択問題が免除された「専門スキル特別認定試験」が受けられます。
応募資格に制限はありませんが、ITコーディネータに必要な専門知識と実務経験があれば、誰でも受験が可能です。
全国で約6,300名のITコーディネータが活躍しています。
「ITコーディネータ」と名乗ることができるのは、この資格を持っている人だけです。
中小企業診断士
「中小企業診断士」とは、中小企業の経営が適切かどうかの診断や成長戦略のアドバイスなどを行う専門家のこと。国家資格の1つです。
ITに絞ったものではなく「経営」に焦点を当てた資格ですが、ITコンサルタントの業務にも役立つことは間違いありません。
中小企業診断士になるには、次のいずれかの方法があります。
- 第一次試験・第二次試験に合格後、15日以上の実務(または実務補習)を経て登録申請する
- 第一次試験に合格後、養成課程を受講し、登録申請する
中小企業大学校の東京校およびその他指定の機関で行われます。約6カ月の期間が必要ですよ。
プロジェクトマネージャ試験(PM)
「プロジェクトマネージャ試験」は、国家試験である「情報処理技術者」の試験区分の1つ。
ITプロジェクトの全体計画の作成から実行・管理まで、プロジェクトを確実に成功させ、メンバーの成長にも寄与するマネージャーとしての能力を試される試験です。
ITコンサルタントの仕事を引き継ぐ役割とも言えるプロジェクトマネージャー。その業務や必要な能力を理解しておくことは、コンサルタントとしてプロジェクトの進行を見守る上でも役立ちます。
PMP
「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」は、プロジェクトマネージャーとしてのスキルが国際的に証明できる資格。
プロジェクトマネジメントに関する一定のスキルを測る試験で、アメリカに本部を置く非営利組織PMI(プロジェクトマネジメント協会)が認定します。
試験は英語で出題されますが、受験料の支払い時に日本語での補助記述(ランゲージエイド)付き試験にする選択が可能です。
さまざまな役割を持つITコンサルタントは大変だがやりがいも大きい
企業の経営層と関わり、あらゆる場面での高い能力が求められるため、やりがいもありますし高収入が見込めます。しかしやはり、大きな責任やストレスも伴います。
ITコンサルタントには、ITに関する広い知識や経験、対外交渉などのスキルがあれば、コンサル経験がなくてもなれる可能性は高いです。
資格は必須ではないものの、業務に役立つITコーディネータや中小企業診断士などの資格を取ることで、クライアントからの信頼も高まりますし、スキルアップもできるでしょう。
常に勉強し続ける必要があり、プレッシャーやストレスも大きいので、向上心が強く、プレッシャーに負けない人向きの仕事です。
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