パティシエには資格が必要?仕事内容や大変さ、向き・不向きを知ろう

「パティシエ」とは、美味しいケーキやお菓子を作る人のこと。

スイーツでたくさんの人を幸せにするパティシエの仕事に、興味を持つ人も多いのではないでしょうか。

でも、「食べものを扱うから資格や免許が必要?」という疑問も。

パティシエになるのに資格や免許は必要なく、独学でもなるのは可能です。

ただ製菓などについての知識は必要ですし、転職や開業のために持っておきたい資格もあります。

この記事では、パティシエにおすすめの資格などについて解説。

仕事で大変なことやパティシエに向いている人・いない人の特徴も説明するので、ぜひチェックしてみてくださいね。

パティシエの転職や開業におすすめの3つの資格を紹介

冒頭でもお伝えしたとおり、パティシエに「持っていないとなれない」という資格や免許はありません。

ただ、パティシエが持っていると転職や開業などに役立つ資格はあります。

この記事で紹介するのは、主な3つの資格です。

パティシエの仕事に役立つ資格

それぞれどんな資格か見ていきましょう。

パティシエに役立つ資格その1:製菓衛生師

「製菓衛生師」は、お菓子作りの知識や技術はもちろん、衛生や栄養に関する知識にも重点をおいた国家資格です。

食の安全は、これからの時代にも必ず守られるべき大切なもの。その知識があることは転職の際にもアピールできます。

製菓衛生師の資格を持っていれば、3つめに紹介する、開業に必要な資格「食品衛生責任者」の講習が免除されますよ。

試験は「公衆衛生学」「食品学」「栄養学」「製菓理論および実技」など7科目が出題されます。

そのうち「製菓実技」は「和菓子」「洋菓子」「製パン」から1つ選択できるので、パティシエなら洋菓子のみ解答すればOK。出題形式は四肢択一、マークシート方式です。

いったいどんな問題が出るんでしょうか?
過去の問題はインターネットで公開されているので、見てみるといいですよ。

たとえば食品学では、「グルタミン酸」「グアニル酸」「イノシン酸」「パルミチン酸」、このうち「うま味成分」に含まれないものを選ぶ問題などが出題されています。

製菓衛生師の試験が受けられるのは、次の条件のいずれかに該当する人のみ。

製菓衛生師の受験資格
  • 指定の製菓専門学校で1年以上学んだことがある
  • 菓子製造業の許可を受けた店で、2年以上お菓子づくりに携わった経験がある

ただし、短時間のパートやレストランなど飲食店営業の許可施設での従事期間などは経験年数に含まれません。

試験は各都道府県で行われます。平成30年度の合格率は、東京都51.7%、岐阜県61.5%、高知県86.5%など。地域によって合格率はバラバラですし、公表していない地域もあります。

高知県の合格率、高いですね!問題が簡単だったんでしょうか?
え?問題って県によって違うんですか?
そうですね。試験科目は統一されていますが、問題は異なります。
そうなんだ!じゃあ僕も高知で受けようかなー。
いやいや、確かに、住所や勤務地に関係なくどの都道府県でも受験はできますけど・・・。

真面目に勉強して最寄りの地域で受験するのをおすすめしますね。

パティシエに役立つ資格その2:菓子製造技能士

「菓子製造技能士」は、国が行う技能検定の1つ。

菓子製造の技術や知識があることの証明となるものです。

菓子製造技能士の試験は、和菓子部門と洋菓子部門に分かれています。レベルは1級と2級の2段階で、受けるのは学科試験と実技試験です。

学科試験で出題されるのは、食品・菓子についての知識や関連する法律、安全衛生に関する知識についての問題と、洋菓子の製造方法についての問題。

実技試験では、チョコレートやケーキなどを実際に作ります。

具体的な試験内容は毎回異なりますが、概要は事前に発表されるので予習も可能です。

平成30年度の洋菓子の実技試験では、1級がボンボンショコラ、2級はビスキュイ・ア・ラ・キュイエールを製造する作業。

それに加えて、各級ともデコレーションケーキの仕上げが課題とされました。

えっと、ビスキュイ、ア、え?何でしたっけ?
「ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール」よ。

ティラミスに使うフィンガービスケットとかのことですよね。

ええ、そのとおりです。

コロン太さん、洋菓子の種類や製菓用語などは、最も基本的な知識ですよ。

菓子製造技能士は、実務経験のある人しか受験できません。

受験資格は次のとおり。

菓子製造技能士の受験資格
  • 2級:2年以上の実務経験
  • 1級:7年以上の実務経験
試験は難しいのでしょうか。
厚生労働省によると、平成29年の菓子製造の技能試験の合格者は、392人中218人で、合格率にすると約56%です。

受験できるのは経験者限定。その割にこの合格率ですので、難易度は高いと言えますね。

パティシエに役立つ資格その3:食品衛生責任者

「食品衛生責任者」は、自分のお店(飲食店)を持ちたい人には必須の資格です。

飲食店を構えるには、営業許可証以外に必ず「食品衛生責任者」の資格を持つ人が1人はいなくてはなりません。

じゃあ、僕は持っていなくても、一緒に働く誰かが持っててくれればいいですよね。
それはそうですけど、その方が辞めてしまったりすると困りますよ。

自分のお店を開くなら、自分で取っておくのがおすすめです。

資格の取得には、各地で行われる「食品衛生責任者養成講習」を受講します。

ただし上で説明した「製菓衛生師」の資格を持っている場合は、基本的には講習を受けなくても食品衛生責任者になれるのです。

「基本的には」って?講習が免除されない場合もあるんですか?
たとえば名古屋市では、製菓衛生師なら「養成講習会(1日・6時間」は免許されます。

しかし1度も講習を受けていない場合、通常は更新時に受講する「実務講習会(1日・1時間45分)」を受けることになっているんです。

講習の受講に経験などの資格要件は特にありませんが、地域によっては年齢制限がある場合も(東京都は17歳以上)。

外国人でも、日本語が理解できればOKという自治体は多いです。

都道府県によって決まり(条例)が異なるので、詳しくは出店する都道府県の保健所や役所のホームページなどで確認してください。

ちなみに、似たような名称の資格に「食品衛生管理者」があります。

これは、粉ミルクやソーセージなどの食品加工業者や添加物の製造業者に配置を義務付けられている資格です。

パティシエを目指すなら、製菓専門学校で基礎から学ぼう

パティシエに資格や免許は必須でないとは言え、知識や技術は必要ですよね。

パティシエに必要な知識や技術って、どうやって身につければいいんでしょうか。
いくつか方法はありますよ。チェックしてみましょう
パティシエの知識・技術を学ぶ方法
  • 製菓専門学校に通う
  • 短期大学の製菓コースで学ぶ
  • 店舗で修行、弟子入りする
  • お菓子作りの教室などに通う

中でもおすすめなのは、専門学校や短期大学などで、製菓の基礎から学ぶ方法です。

学校では、お菓子作りに関する知識や技術はもちろん、パティシエとして知っておくべき次のような知識も学べます。

学べること 主な内容
製菓理論 製菓の歴史や材料や道具の名前、レシピなど、製菓に関する基本的な知識
食品衛生 食材の保存法、食中毒など、飲食店で働くために知っておくべき知識
栄養・公衆衛生 食品の栄養素や働き、製菓で使う食材のアレルギーに関する知識
店舗経営 店舗の経営、製菓のラッピングやディスプレイなどの知識
製菓実習 クリームの絞り方や道具の使い方、様々な種類のケーキやクッキーなどの製造
デザイン・飾りつけ ケーキなどのデザインやデコレーション技術の習得

製菓専門学校では、上で紹介したような資格の受験資格が得られ、在学中、あるいは卒業と同時に取得できたりするメリットも。

そのほか、自分ではなかなか手が出せない高価な器具や入手困難な高級食材が使えたり、有名な一流パティシエの講義を受けることができたりするメリットもあります。

「学校なんて行く必要ない」という人もいますが、基礎があるのとないのとでは、実践してみると違うものですよ。

国内外で活躍中の名だたるパティシエにも、専門学校出身の人はたくさんいます。

その他、未経験でも応募可能なパティスリーなど、いきなり現場に飛び込んでみるのもよい経験にはなるでしょう。

ただその場合、学問的な知識は忙しい日々の合間に自分で勉強する必要があります。

作業も基礎から丁寧に教えてもらえるとは限らないですし、理論的なことが頭に入っている同僚との差を感じることになりかねません。

趣味の域ではなく本格的に自分のお店を持ちたいと思うなら、やはり専門学校に通うのがおすすめです。

パティシエの仕事内容は?どんな職場があるかも知っておこう

ここからはパティシエの仕事、職場について、それぞれ説明していきますね。

パティシエの具体的な仕事内容とは?1日の大まかな流れを紹介

まずはパティスリーを例に、どんな流れで仕事をしているかを見てみましょう。

とあるパティスリーの1日
時間 作業内容
5:00~6:00 出勤
6:00~10:00(開店) 着替え、作業準備から始まり、ケーキや焼き菓子などを作って店頭に並べる
10:00(開店)~12:00 売れ行きを確認しながら追加で製作、接客販売
12:00~13:00 昼食、休憩
13:00~16:00 売れ行きを見ながら追加製作、補充
16:00~18:00(閉店) 翌日の予約などの確認、仕込み作業
閉店以降 片付け、掃除

パティシエの労働時間は長く、特に新人のうちは、閉店してから個人練習することもあります。

ちなみに、パティスリーなどに就職してすぐにお菓子やケーキ作りができるとは限りません。

規模の大きな店やホテルなどでは、まずは見習いや修行期間として、調理器具の手入れや掃除、フルーツの皮むきなどといった下準備だけをひたすら行います。

パティシエとして一人前になってからも、生菓子、焼き菓子といったお菓子の種類や工程で担当が分かれる店もあります。

逆に、小さなお店であれば、調理器具の洗い物から接客まであらゆる作業をこなさなくてはならないことも。

また、パティスリーは、次のような季節やイベント時は特に忙しくなります。

パティスリーが特に忙しい時期
  • バレンタイン
  • ホワイトデー
  • クリスマス前~年末年始

このほか、ハロウィンやひな祭り、ゴールデンウィークや母の日なども忙しくなりがち。

特にクリスマス前後は激務となり、「まったく休みが取れない」というパティシエも多いのです。

パティシエが活躍できる職場はパティスリーだけじゃない

パティシエの職場と言えば、まずパティスリー(洋菓子店)が思い浮かびますよね。しかしパティシエが活躍できる職場はそれだけではありません。

パティスリーの主な活躍の場
  • パティスリー
  • ホテル、結婚式場
  • レストラン、カフェ
  • 菓子メーカー
  • 製菓工場
  • 製菓専門学校の講師
  • お菓子教室の先生

菓子メーカーは、お菓子の製造だけでなく商品開発も行っています。そのため、事務作業なども業務の一部です。

自分が考えた製菓や菓子が商品化されて全国に広まればうれしいですし、やりがいも感じられそうですね。

また、自分の店を持たずに講師として働くパティシエもいれば、自分のお店を持つかたわら、専門学校で技術を教えるなど後進の育成に協力するパティシエもいます。

しかし、やはりパティシエになるからには「いつか自分のお店を」という夢を持つ人が多いのではないでしょうか。

パティシエの仕事で大変なこと、向いていない人の特徴とは

パティシエというと、華やかなケーキなどに囲まれるイメージから「憧れの職業」とも言われます。

自分の作ったお菓子が売れたり、お客さんに「美味しかった」と言ってもらえたりして、やりがいのある仕事。ものづくりが好きなら、作業自体も楽しいと感じられるでしょう。

しかし仕事は予想以上に重労働だったりするので、途中で辞めてしまう人も。

パティシエになってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、仕事で大変なことはどんなことかを知っておきましょう。

パティシエの向き・不向きについても説明するのでチェックしてみてください。

パティシエの仕事で大変だと感じること

パティシエの仕事で大変なこと、その主なものを挙げてみます。

パティシエの仕事で大変なこと
  • 大量のクリームの仕込みなど、力仕事が多い
  • 拘束時間が長い
  • クリスマスなどの繁忙期は休めないことも多く、体調管理が難しい
  • 必要な道具や材料、作業工程など覚えることが多い
  • 技術だけでなく、センスも必要
  • 火傷や傷が絶えない
  • 品質管理のため厨房の気温が低く、身体が冷える
  • 労働時間の割に給料が少ないと感じる

パティシエに限ったことではありませんが、労働環境や人間関係は職場によってまったく異なるもの。

常に大声で注意されたり、就業後に自主的な練習などを強いられたりして、「ついて行けない」と辞めてしまう人もいます。

「お菓子作りが好き」「スイーツが好き」と楽しいイメージだけを持っていると、そのギャップは大きいかもしれませんね。

でも、「好きだから頑張れる」というパティシエがたくさんいるのも事実です。

パティシエの仕事に向いている人、向いていない人

パティシエの仕事にも、向き・不向きはあります。

まずはどんな人がパティシエに向いているのかを見てみましょう。

パティシエに向いている人の特徴とは

次のような人は、パティシエに向いていると言えます。

パティシエに向いている人の特徴
  • お菓子を作るのが好き
  • 体力がある
  • 根気強く、地道な作業が苦にならない
  • 好奇心旺盛で、常に新しいことを吸収しようとする意欲がある
  • センスがいい

華やかそうで、実は地味で重労働な面が大きいパティシエの仕事。

1つ1つのケーキや焼き菓子は小さいですが、大量に作ります。

小麦粉などの材料や大型の器具は重く、立ちっぱなしの仕事で体力もいるのです。

パティシエの仕事には同じ作業の繰り返しが多いため、根気も必要です。

また、スイーツの世界には流行もあります。

常に新しい知識を吸収し、自分なりのお菓子を考え出すなどの工夫も大切。

売れるお菓子を作るには、センスの良さも欠かせません。

パティシエに向いていない人の特徴とは

逆に、次のような人はパティシエには向いていません。

パティシエに向いていない人の特徴
  • 細かい作業が苦手、嫌い
  • ものづくりに関して大雑把である
  • 人に指図されたり怒られたりすることに耐えられない
  • 勉強が苦手、嫌い
  • センスがない

お菓子作りは楽しいですが、仕事となると趣味のような感覚ではいられません。

スイーツの味は、材料のちょっとした配合や気温、湿度などによって左右されます。見た目の繊細さも、売り上げに関わる重要なポイント。

私、たまに自分でお菓子づくりしますけど「砂糖がちょっと足りないけど、まぁいいか」なんてしょっちゅうです。

少しくらい不格好でも手作り感が出ていいかな、って。

パティシエはプロのお菓子職人としてお金をもらうわけですから、そういう訳にはいきません。

また、一人前になるまでは先輩などから注意されたり、指図を受けたりするのは当たり前と覚悟して、常に学ぶ姿勢を大切にするのがおすすめです。

自分のお店を持ちたい、オリジナルのスイーツでたくさんの人を喜ばせたい、という場合は、味覚にも美的にも、センスがないと難しいでしょう。

パティシエとしての職場を探すときは、いろんなお店を見て歩き、店構えや商品のセンスがいいな、と思ったお店で求人募集をしていないか聞いてみるのも1つの方法。

パティシエの求人は、店頭に貼り出されていることも多いです。

憧れのシェフパティシエのお店だったり、自分がそのお店のファンだったりすれば、多少辛くても頑張れるかも。
そういうお店が特にない場合、パティシエの求人を探すにはどうしたらいいんですか?
「doda」などの転職サイトでも探せますよ。

パティシエや飲食業界に特化した転職サイト「PATISSIENT(パティシエント)」「cookbiz(クックビズ)」「Sweets Net Job(スイーツネットジョブ)」などで探すのもおすすめです。

ただ、どの転職サイトもあまり求人数が多くないので、いくつか併用してチェックしてみてください。

なるべく多くの求人情報を見る、客としてお店に行ってみるなどして、自分に合いそうな職場を見つけましょう。

パティシエに必須の資格はないけど、勉強は必要です

パティシエは、特別な免許や資格がいらない職業です。

しかしお菓子作りのノウハウだけでなく、製菓の基本的な基本的な知識や技術、食品の安全に関する知識は欠かせません。

パティシエとして役立つ資格には「製菓衛生師」「菓子製造技能士」「食品衛生責任者」などがあります。

これからパティシエになる人には、まずは専門学校などで知識や技術を学ぶのがおすすめですよ。

ただし「楽しそうだから」「お菓子作りが好きだから」という気持ちだけで始めると、意外な重労働に心が折れてしまう可能性も。

パティシエの仕事の大変さを知ったうえで、「スイーツが好き」「美味しいお菓子を作ってみんなを笑顔にしたい」という気持ちを糧に、素敵なパティシエになってください。

 

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