パティシエの年収・給与ってどれくらい?高収入には時間と努力が必要
男女問わず人気の職業であるパティシエ。
製菓の専門学校で知識や技術を身に付け、その道のプロを目指す人もたくさんいます。
パティシエは一人前になるまでに時間がかかり、職場によっては働く環境が過酷だったりすることも多い仕事。そうなると、給与面はどうなっているのかも気になりますよね。
憧れのパティシエの仕事に就けたとしても、重労働で厳しい職務内容のわりに給与は高くない、というのが現状です。
しかし少ない給与でも、お菓子作りに対する熱意と根性で地道に努力と経験を重ね、技術やセンスを磨けば、一流パティシエの仲間入りも夢ではありません。
この記事では、そんなパティシエの年収・給料事情について紹介していきます。
パティシエの入社時の給与相場
パティシエとして働く場合、収入はいくらくらい得られるのでしょうか。
さまざまな角度から、パティシエの初任給の相場を見てみましょう。
アルバイトとして働き始める場合の相場
まずアルバイトから始めていろんなお店で経験を積み、自分に合ったお店を見つけたい、パティシエとしての方向性を決めたい、という人も多いですよね。
パティシエをアルバイトで募集している求人を見ると、低いところでは時給850円、高いところでは時給1,500円と、店によって大きく幅があることがわかりました。
相場としては、1,000円~1,200円といったところです。
中でも東京ではやや高めに設定されている求人が多く見られました。
試用期間が3カ月~6カ月ほどある職場も多く、その中でも試用期間中は給与が低い、試用期間中でも同条件、などの違いがあるので要チェックです。
個人経営の店の場合
パティシエの職場にはいろんなパターンがあります。ホテルや結婚式場から大手のチェーン店、個人経営のレストランやパティスリーなど。
なかでも個人経営の小さな洋菓子店の場合などは、手取りで10~15万円ほどの給与しかもらえないことも多いのが現状です。
正社員でもボーナスがないことも多く、長く働いたからといって昇給があるとも限りません。
また、オーナーパティシエの方針・考え方によって従業員の働き方も大きく左右されます。
ホテルや確立したブランドなど専門店の場合
ホテルや有名店などでは、給料が比較的高く設定されているのが一般的です。
とは言え、入社当初は15万円~17万円というホテルもあれば、28万円~48万円で歩合制のレストランもあり、店によってかなり幅があります。
パッと見の給与額だけでなく、ボーナスや交通費の支給あり・なし、住宅手当など手当の有無も必ずチェックしておきましょう。
給料が安いところでは、ケーキなどの製造のみが仕事というところが多いです。
接客もする、商品企画もするなど、業務範囲が広いほど給料も高い傾向にありました。
百貨店やコンビニなどで販売するスイーツ製造工場の場合
工場でパティシエを募集しているケースでは、入社時の給料で月給20万円を超える求人も多数見つかります。
ただし工場では経験者の募集が多く、パティシエの技術を磨くというよりは、パティシエの経験を商品開発などの方面で活かして活躍してくれる人を求める企業が多いです。
そのため、パティシエの道を極めたい、独立して自分の店を構えたい、という人には向いていません。
地道にキャリアを築くことが必要なので、厳しい現実を受け入れて夢を追う覚悟がなければ挫折してしまうかもしれません。
そういう、夢のある職業だというところもパティシエ人気の理由でしょうね。
パティシエの平均年収を統計から紹介、全職種との比較も
では、パティシエとして働く人の平均の給与・年収はどれくらいなのでしょうか。
2018年度の賃金構造基本統計調査のデータによると、パティシエの平均年収は次のとおりでした。
年間賞与:31万4300円
平均年収:323万300円
また、性別によって給与に大きな差がありました。
勤続年数:11.8年
労働時間:166時間
月額給与:26万5000円
年間賞与:28万8800円
平均年収:356万円
勤続年数:7.6年
労働時間:162時間
月額給与:20万9100円
年間賞与:17万9600円
平均年収:272万円
女性の方が勤続年数が短く、平均年収も少ないことがわかります。
また、勤務先の規模の違いで見てみると、規模が1,000人以上の企業の給料が最も高いという結果でした。
従業員10~99人規模:309万円
従業員100~999人規模:293万円
従業員1000人以上:351万円
でもパティシエはそうでもなさそうです。なぜですか?
お店の規模よりも有名かどうかなどによって売り上げも大きく異なるので、その影響が大きいと考えられますね。
パティシエの給料は職種全体の平均より、月にして約10万円、年収にすると100万円以上少なく、特にボーナスで大きく差が開いていることがわかります。
パティシエの職場による労働環境などの違いとは
パティシエの年収は職場によってさまざまですが、働く環境なども職場によって異なります。
大手ホテルや大手洋菓子チェーンなどの場合は、企業規模が大きいため福利厚生も充実していることが多いのが一般的。
一方、個人のパティスリー・洋菓子店では、店によって給料がそれなりのところもあれば、時給にすると最低賃金ギリギリしかもらえないような店もあります。
世間が休みの時こそ忙しく、土日・祝日はもちろんのこと、クリスマスや年末年始など、イベント時期には長時間労働はもちろん、休日すら取れないことも覚悟しておかなければなりません。
「パティシエ」という華やかな言葉の響きとは裏腹に、仕事は立ちっぱなしで重労働。何十キロもある材料を運ぶことも常ですし、製造量が多いほど身体に負担もかかります。
作業場は品質管理のため気温が低く設定されているので年中寒いところも多く、特に女性には過酷な職場なのです。
仕事に慣れるのに必死で一番大変な見習いの時期には特に、給与面もかなりシビア。そのため、そこで挫折してしまう人も少なくありません。
誰もが憧れる一流のパティシエにも、必ず辛い下積み時代がありましたし、有名になってから日々努力や工夫などを怠ってはいないんですよ。
パティシエの給与の決め手とは
パティシエの給与の決まり方には、2つのポイントがあります。
1.パティシエ経験
まず一つ目に挙げられるのが、パティシエとしての経験値です。
パティシエには「経験不問」「未経験者歓迎」という求人も多いですが、経験者であれば即戦力としてより歓迎され、入社時の給料も未経験者より高いです。
2.職歴
以前もパティシエとして働いていたのであれば、どのようなポジションにいたか、などによっても給料が変わる可能性があります。
後輩の指導経験やマネジメント経験がある人を優遇するところも多いです。
接客経験などが歓迎される職場では、お菓子作りだけでなく接客の必要もある可能性が高いです。
今は、何のツテもなく飛び込みで採用されるケースはほとんどありません。ヨーロッパは移民問題も深刻なので、ビザの問題もあります。
ただ、独立する際などには、海外での経験が自分のアピールポイントにもなります。
まずは日本で基礎的な知識を学んで経験を積み、海外でより知見・経験を深めるなどして独立開業するのがおすすめです。
「パティシエには資格が必要?仕事内容や大変さ、向き・不向きを知ろう」の記事もぜひ読んでみてください。
パティシエは給料よりやりがいを求める人向きの仕事
パティシエの給料・収入は、統計によると全体の平均給料よりも低い数値。忙しく過酷な労働環境に比べて、給料が少ないと不満に感じる人も多いです。
長時間労働、重労働など過酷な環境に耐えられるのは、お菓子作りへの強い愛情や情熱、パティシエとしての夢があってこそ。
まずは、自分の目指すパティシエ像を具体的に描き、実現するためにどんな知識や経験が必要かを考えてから職場を選びましょう。
パティシエの給料は、職場によっても大きく異なります。求人情報では、月給のほかボーナスの有無、休日の数、労働時間などをしっかり確認してください。
将来の夢に向かってパティシエの仕事に情熱を注ぐことができれば、充実した毎日を過ごしながら着実にキャリアを積んでいけるはずです。
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