タクシー運行管理者とは？仕事内容や向いている人、資格について解説
タクシーの業務に欠かせないのは、ドライバーだけではありません。
ドライバーの勤務時間や体調を管理したりする「運行管理者」も、タクシー会社になくてはならない存在です。
この記事では、そんなタクシーの運行管理者の仕事内容や向いている人、資格などについて解説します。
タクシー運行管理者の気になる給料については、実際に募集しているタクシー会社の求人情報から、いくつかの例を紹介。
タクシー業界に興味はあるけど内勤がいい、という人、ドライバー経験を生かして運行管理者になりたい、という人は、ぜひ読んでみてください。
タクシー運行管理者の仕事は「安全の確保」に努めること
タクシーの運行管理者とは、運転手の健康管理や事故の防止など、安全運行に支障がないように指導・監督する人のこと。
タクシー業界では、ドライバーを経て運行管理者になる人も多いです。具体的には、次のような業務を行います。
・接客や安全運転についての指導・監督
・勤務シフトの管理
・配車手配
・電話受付
・事故対応・クレーム対応
・乗務記録、運行記録計、乗務員台帳の管理
・車両の整備、メーターの検査
・売り上げ・給与の管理
・乗務員の募集、採用活動
・忘れ物の保管
・休憩室などの整備、保守管理
タクシー運行管理者の仕事はデスクワークがほとんどですが、単純な作業ではありません。
ドライバーが安全に仕事できるよう、常に気を配る必要があります。
アルコール検査結果や体調に問題があるドライバーには運転させない、台風など悪天候の場合は、事故防止のために必要な指示を出す、といった場面も。
運行管理者が管理を怠ったり適切な指示をしなかったりすると、事故の危険性が高まってしまいます。
タクシー運行管理者には気配りや責任感、自己管理能力が必要
タクシー運行管理者に向いているのは、次のような人です。
- 気配りができる
- 責任感がある
- 社会人としてのマナーや礼儀が身についている
- いつも平常心でいられる
- 自己管理ができる
タクシー運行管理者は、ドライバーの心身の健康状態に常に気を配り、業務に支障がないかを見極める必要があります。
挨拶や声がけで職場の雰囲気を良くするなど、ドライバーが働きやすい環境を整えることも大切。
ドライバーにはさまざまな年齢、いろんな性格の人がいます。指示や指導には、その人に合った伝え方をするといった工夫も必要です。
指示・指導するのにふさわしい人物だと相手に認めてもらえなければ、従ってもらえない可能性も。
すぐに感情をあらわにしたり、相手や気分によって態度を変えたりするのも禁物です。
また、苦情があったり自動車事故が起きたりしたときには、運行管理者が会社の顔として冷静に、真摯に対応しなくてはなりません。
人身事故であれば損害も大きいですし、場合によっては謝罪に出向いたりする必要も出てきます。
タクシー運行管理者は、ほとんどのタクシー会社に不可欠
タクシーを安全に運行させるには、運転手や車両の管理をする運行管理者が不可欠。その配置・必要な人数については、法律で定められています。
法律上、運行管理者が必要なのは、5台以上のタクシーを保有する営業所。
タクシー会社には、車両数に応じた人数の運行管理者を配置する義務があります。
言い換えると、保有車両数が39台までなら1名、それ以上になると40台ごとに1名追加した数以上の運行管理者が必要です。
たとえばタクシーが50台ある営業所には、2名以上の運行管理者を配置しなければなりません。
タクシー運行管理者の国家資格を取るための2つの方法を紹介
タクシー運行管理の業務は、資格がなくても行えます。
運行管理者の求人情報を探したところ、「資格取得者歓迎」とは言いつつ資格なしで応募できる求人もいくつかありました。
ただ、上の章で紹介したように、国の基準を満たすため、タクシー会社には資格取得者を雇う必要があるのです。
働く側にとっても、幹部候補として運行管理者を募集する企業も多いため、資格を取った方が収入を増やせる可能性が高いと言えます。
運行管理者は国家資格。次のいずれかの方法で取得可能です。
- 運行管理者試験に合格する
- 運行管理の実務経験を積みながら、講習を受ける
（5年以上の実務経験と5回以上の講習受講が必要）
ちょっとややこしいですが、試験を受ける場合にも、受験資格として1年以上の実務経験または講習の受講が必要です。
過去の試験問題は（公財）運行管理者試験センターの公式サイトで見ることができますよ。
7,605名の方が受験して、2,868人の方が合格しました。
ちなみに運行管理者の資格なしで入社した場合、タクシーの乗務経験もない人は、まずドライバーとして経験を積んでから運行管理の仕事に移るケースもあります。
タクシー運行管理者の給料は？求人情報から収入例を紹介
タクシー運行管理者の賃金については、政府などによる統計が行われていません。
インターネット上の求人情報では、タクシー運行管理者の給与は25万円前後という会社が多く見られました。
採用時の月給の例を一部、紹介します。
| エリア | 給与例 |
|---|---|
| 北海道 A社 | 200,000円～350,000円 |
| 山形県 B社 | 170,000円～200,000円 |
| 神奈川県 C社 | 250,000円～380,000円 |
| 千葉県 D社 | 200,000円～ |
| 愛知県 E社 | 250,000円～350,000円 |
| 京都府 F社 | 250,000円～310,000円 |
| 福岡県 G社 | 200,000円～220,000円 |
地域による金額の差というよりは、会社によって差があるようです。
低い方の金額が支給されると考えるのが現実的です。
歩合給であるドライバーとは違い、運行管理者の場合は固定給が基本。
ドライバーより収入が低くなる可能性もありますが、売り上げに左右されない分、安定した収入が確保できるというメリットもあります。
運行管理者の求人数は少ないので、いくつかの転職サイトを併用して情報を集めましょう。
転職サイトでは、「運行管理者」とフリーワード検索するのがスピーディに探せておすすめです。
あらゆる職種の求人を取り扱う大手の転職サイトにも、運行管理者の求人がある可能性も。
ただし「運行管理者」にはトラックなど運送業（貨物）の運行管理者の求人もあるので注意してくださいね。
タクシー運行管理者はドライバーや利用客の安全を守る重要な仕事
働きやすい職場であるよう気を使ったり事故やクレームに対応したりと、気苦労も多い仕事。
運行管理者に向いているのは、気配りができ、責任感があって、ドライバーの指導にふさわしい自己管理やマナーの身についた人です。
運行管理者の給料は、採用時の相場が25万円前後。ドライバーとは違い、固定給で安定した収入が見込めますよ。
タクシーの運行管理者になるかどうかは、仕事の内容や向き不向き、収入面などをトータルに考えて決めましょう。
- DODA 第二新卒歓迎！働きながら業界トップレベルの技術を学ぶモノづくりエンジニア募集
- リクナビNEXT 約8割が未経験からのスタート！大手商社でグローバルに活躍できる人材を募集中！
- マイナビ転職 女性の働きやすさ抜群！有給消化率98%の有名メーカーで事務スタッフを募集中
- エン転職 フレックス制で自由な社風！未経験者OK！平日夜・土日面接OK
- ＠type 残業月20h未満/年休125日/定着率95％【入社祝金アリ】
