消防士の仕事内容は消火活動だけでない!やりがいも紹介します
「消防士」と聞くと、「火事が起きたときに駆けつけてくれる人」というイメージがありますよね。しかし、「火事がないとき消防士は何をしているんだろう?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
消防士は「消火活動」だけでなく、「救助活動」や「救急活動」、「火事を未然に防ぐ活動」も行っているんです。
この記事では、「具体的な仕事内容」や「消防士の1日」、「消防士のやりがい」を紹介。また「女性消防士の活躍状況」や「消防士と救急隊員、レスキュー隊員の違い」「中卒と高卒の消防士の違い」など、よくある疑問について答えます。
消防士の仕事内容を知り、仕事を選ぶ際の参考にしてください。
消防士の仕事内容は消火活動、救助活動、救急活動、火災予防活動
消防士の仕事内容は消火活動だけではありません。
消防士の仕事内容は、次のとおりです。
それでは、それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
消防士の「消火活動」における仕事内容を紹介
消火活動では火事の通報を受けると、消防士は現場に急行し消火と救助活動を行います。素早く状況を把握しながら、火事の被害を最小限に抑えることが仕事です。
火事の通報を受けた後、消防士の仕事内容は次のとおり。
- 防火服に着替えて向かう
- ホースを使って消火活動
- 火事の原因を調査
火事の通報を受けると、消防士は防火服に着替えて現場へと向かいます。
訓練中やほかの作業中であっても、消防士はすぐに現場へ向かう準備をしなければなりません。
現場に到着すると、消防車のタンクや消火栓から消防用ポンプで吸い上げて放水し、消火活動を行います。消火が終わると、逃げ遅れた人がいないか確認。
完全に鎮火したら、警察と協力して火事の原因を調査します。
「なぜ火事が起きたのか」「どこから出火したのか」を明らかにすることは、次の火事を防ぐために必要なのです。
消防士が行う「救急活動」の仕事内容を紹介
急病人や事故などで怪我人がでたとき、救急処置を施し病院まで搬送するのも、消防士の重要な仕事のひとつ。
救急要請を受けた後、消防士の仕事内容は次のとおりです。
- 救急車で現場に向かう
- 傷病者の確認・救急救命処置
- 病院に搬送
事故でけが人がいる場合や急病人の緊急搬送をする場合、消防署の救急隊に現場へ向かうよう要請が出ます。
救急隊は現場についたら、まず傷病者の状態を確認。傷病者の家族や関係者に状況を聴取し、これからの対応を説明するのも仕事です。
必要に応じて、次のような救急救命処置を行うこともあります。
- 電気ショックで心臓を正常に戻す
- 器具を使って軌道を確保する
- 点滴で血液を循環させる
救急救命処置では適切な知識と技術が必要なので、救急隊には「救急救命士」の資格を持つ隊員が1人以上必要です。
「救急救命士」の資格については、「消防士と救急隊員、レスキュー隊の違いを説明」を見てください。
病院に到着したら医者へ「傷病者の様態」と「処置の内容」を伝え、傷病者を引き継ぎます。
消防署へ戻った後の仕事は、「報告書の作成」や「使用した医療器具の消毒」などです。
消防士が行う「救助活動」の仕事内容を紹介
消防士が行う仕事の中に「救助活動」があります。「救助活動」を行うのは、消防署に配備されているレスキュー隊です。
レスキュー隊は、消防士の中でも「人命の救助」を専門としています。
レスキュー隊が現場に向かうのは、次のような場面です。
- 火災などで建物内から逃げ遅れた
- 交通事故で車の中に閉じこめられた
- 川や海などで溺れた
- 土砂崩れに巻き込まれた
「消防士と救急隊員、レスキュー隊の違いを説明」でレスキュー隊の「特徴」や「入隊の仕方」を説明するので、読んでみてください。
消防士が行う「火災予防活動」の仕事内容を紹介
消防士は消火活動だけでなく、火災予防の活動も日頃から行っています。「火災を未然に防ぐこと」や「火災が起きたときに被害を最小限におさえること」が目的です。
実際の予防活動は、次を見てください。
- 立入検査
- 講習会の開催
- 避難経路の確保
- 消防用設備などの設置審査
立入検査では担当の建物で消火設備の点検をしたり、必要があれば管理者への指導を行ったりしています。
消防用設備の点検は、「消防設備士」または「消防設備点検資格者」の資格が必要です。詳しくは「(★「消防士 資格」の記事に内部リンク予定)」を確認してください。
消防士の勤務体制と1日の流れ!仕事内容と一緒に紹介します
消防士のほとんどは、24時間体制での勤務です。
いつ火事が起きても対応できるように、消防署には消防士が24時間待機しています。
この章では、「消防士の交替勤務」と「消防士の1日」を紹介するので順に見ていきましょう。
消防士の勤務体制は主に、2部制と3部制の交替勤務
「毎日勤務」で勤務する消防士もいますが、消防士の大半は「交替勤務」での勤務です。
交替勤務には「2部制」と「3部制」の2つに分かれており、どちらの勤務体制をとっているかは消防署によって異なります。
2部制と3部制の交替勤務は、「日勤」「当番」「非番」を組み合わせた勤務体制です。
「非番」は当番が終わった朝から、次の勤務が始まるまでの1日を指します。
2部制の交替勤務
2部制の交代勤務は、「当番」と「非番」を、隔日ごとに勤務。
消防署にもよりますが、「当番」と「非番」を3回繰り返した後、「週休」がきます。週休とは、丸1日休みの日のことです。
3部制の交替勤務
3部制は「当番」「非番」「週休」のサイクルを繰り返す勤務体制。消防署により異なりますが、数週間に1度「日勤日」があります。
本庁や火災予防業務、管理職など現場の仕事でない職員が、毎日勤務の体制で勤務します。
消防士の仕事内容をタイムスケジュールで紹介
「火事や事故がなく、当番の日である消防士のスケジュール」の一例は次のとおりです。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
8:30 | ・前のメンバーから申し送りを受けて勤務開始 |
9:00 | ・消防車や救急車、消火用ホースなど機材の点検 ・消防車・救急車の洗車 ・外部の建物にある「消火器・火災報知機の設置状況」を調査 ・事務処理 |
12:00 | ・昼食 ・休憩 |
13:00 | ・出場信号の点検 ・ストレッチや筋トレなどのトレーニング ・消火活動の訓練・出場演習 ・消防車・救急車、消火用ホースなど機材の点検 ・事務処理 |
17:00 | ・夕食 ・休憩 ・風呂 |
18:00 | ・ストレッチや筋トレなどのトレーニング ・ミーティング ・事務処理 |
21:30 | ・交代で仮眠 |
翌7:30 | ・掃除 |
翌8:30 | ・次のメンバーへ申し送りをして交代 |
仕事内容に関わらず、消防士のやりがいは「人の命を守る」こと
消防士は命をかけて人を助ける、やりがいのある仕事です。
ときには救助が間に合わず、助けられない辛い経験をすることも多くあります。しかし、救助できたときには大きな喜びを得られますよ。
消防士のやりがいは次のとおりです。
- 命をかけて人を助けることができる
- 喜ぶ人の顔を見ることができる
- 人に安心感を与えられる
- チームワークを大切にした仕事ができる
- たくさんの人と関わることができる
しかし消防士の仕事内容は人の命がかかっていますから、責任が重いとも言えます。
仕事を選ぶ際の選択肢に加えるときは、「自分が消防士として働けるか」をよく考えておきましょう。
消防士の仕事内容について『よくある疑問』を3つ紹介
この章では、消防士の仕事内容に関して「よくある疑問」3つを説明します。
では、それぞれの疑問に対する答えを確認しましょう。
女性消防士が活躍できる仕事内容!予防課・救急隊・総務課など
総務省消防庁は、全国の消防署で女性消防士を増やすため「女性が働きやすい職場づくり」に取り組んでいます。
女性が活躍しやすい職場は、力仕事が少ない「予防課」や「救急隊」、事務の仕事を中心に行う「総務課」などがあります。
また「女性の声は高くて聞き取りやすい」ということで、通信指令員に女性の消防士が求められることも。
消防士と救急隊、レスキュー隊の違いを説明
「救急隊」と「レスキュー隊員」は、どちらも消防士です。
「救急隊員」は傷病者に対して適切な医療行為を行い、救急車で搬送することが仕事。「レスキュー隊員」は、事故や災害時に人命救助を行います。
では「救急隊員」と「レスキュー隊員」について、それぞれ見ていきましょう。
救急隊員の特徴
救急隊員は、傷病者に対して適切な医療行為を行い、迅速に病院へ搬送することが目的です。
「救急救命士」の資格を持つ隊員が、状況に応じて救急救命処置を行います。
そのあとに「救急救命士国家試験」を合格すると、救急救命士の資格が得られるのです。
レスキュー隊員の特徴
レスキュー隊は、交通事故や災害発生時に「人命の救助」を専門に対応しています。
ほかに「水難救助」や「山岳救助」などを専門として、人命救助を行うレスキュー隊も。
高卒・大卒の消防士における仕事内容の違い・初任給について紹介
高卒消防士と大卒消防士では、仕事内容に違いはありません。学歴がどうであろうと、消防士として必要な業務を行います。
ただし個々の持っている資格や能力によって、できる仕事の範囲が異なることも。
消防士として「とくにどんな業務に関わりたいのか」を明確にし、事前に必要な資格を取得しておきましょう。
消防士の仕事内容は消火活動だけでなく多種多様にある
消防士の仕事は、主に「消火活動」「救助活動」「救急活動」「火災予防活動」です。2部制・3部制の交替勤務体制で、消防士は24時間いつでも対応できるよう準備しています。
消防士は過酷な現場に対応するため、体力だけでなく「知識」と「冷静な判断力」、「コミュニケーション能力」などの多角的な能力が必要です。
消防士にとって日々の訓練は欠かせませんし、現場では責任を持って業務を行う必要があります。
消防士は人の命を守り、助けた人の喜ぶ笑顔を見ることができる、やりがいのある魅力的な仕事です。
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