営業職の年収はどのくらい?営業で高収入・給料アップを目指す方法
どんな会社にも必要な営業の仕事。「未経験OK」の求人も多いので、転職を考える人もいるのではないでしょうか。
転職するならやはり気になるのは収入面。営業職はどれくらいの年収が見込めるのか、転職する前に知っておきたいですよね。
しかし営業職の場合、給料は歩合制やインセンティブなど、個人の業績によって大きく異なる給与体系なのが一般的。そのため一概に「営業だからいくらもらえる」とは言い難いです。
そこでこの記事では、求人情報に掲載されている年収例や、政府の統計などから営業の年収について見ていきます。人気のIT業界や、高収入と言われる銀行や医療関係の営業の年収についてもピックアップしているので、転職の参考にしてください。
営業職の年収例をインターネット上の求人情報から紹介
営業職全体の平均年収については、政府による統計などはなく、公的に紹介できるデータがありません。
そのため、ここでは営業職の年収例、予定年収をインターネット上の求人情報から一部紹介します。
求人情報から見た相場では、営業職の年収は300~500万円ほどでした。
企業 | 年収例 | 備考 |
---|---|---|
A社 北海道 |
382万円~443万円 | 食品(青果中心) ルート営業 |
B社 東京都 |
350万円~380万円 | 老舗菓子メーカー 法人向け企画営業 |
C社 神奈川県 |
400万円~700万円 | 住宅リフォーム 反響営業 |
D社 愛知県 |
300万円~600万円 | 自動車部品 法人営業(既存顧客中心) |
E社 兵庫県 |
300万円~500万円 | 医療機器メーカー 企画・提案型営業 |
F社 広島県 |
400万円~700万円 | 広告 企画営業 |
G社 長崎県 |
380万円~530万円 | 船舶関連部品 ルート営業 |
でも確かに、一般的には、目に見える「有形商材」よりも無形の商材の方が給料は高い傾向です。
とは言え、たとえば旅行業界は給料が低いことで知られています。当てはまらないケースもあるので、業界や会社選びは慎重にしましょう。
CMなどによって購入希望や問い合わせなどがあった人や企業に、商品やサービスを提案するんですよ。
反響営業は一般的な営業のように新規開拓する必要がなく、すでに興味を持ってくれている人を相手にするため、比較的効率の良い営業活動ができます。
営業スタイルの違いなど、詳しくは「営業ってどんな仕事?種類と仕事内容、必要な能力や役立つ資格を解説」の記事で紹介しています。
政府のデータから「自動車の販売員」と「保険の外交員」の平均年収
営業として全体の平均給与については公式なデータがありませんが、営業職の一部のみについては、厚生労働省が「賃金構造基本統計調査」を行っているので紹介します。
営業職で賃金に関する公的データがあるのは、「自動車外交販売員」と「保険の外交員」の2つの職種。
まずは自動車販売営業の年収を見てみましょう。
自動車外交販売員の平均給与と年収
まずは、自動車の販売員の平均給与と年収からみていきましょう。
「自動車外交販売員」とは、簡単に言うと自動車のセールスマンのこと。中でも企業や家庭を訪問して営業活動をする人をいいます。
2018年度の自動車外交販売員の平均月給は約34万円、年収は約500万円でした。
給与 | 年収 |
---|---|
339,100円 | 5,005,200円 |
※年収は「きまって支給する現金給与額」×12カ月分+年間賞与その他特別給与額にて算出
個人の売上によって給料は大きく異なりますし、高級車の営業ならもっと高収入だったりもしますよ。
近年では訪問スタイルでなく店舗での営業が増えています。この統計は訪問スタイルの営業マンだけを対象としていますので、その点も注意してくださいね。
保険外交員の平均給与と年収
では続いて、保険の外交員について見てみましょう。
「保険外交員」とは、いわゆる「生保レディ」「セールスレディ」などと呼ばれる人や、企業や家庭を訪問して保険契約を募集する人のことです。
給与 | 年収 |
---|---|
305,900円 | 4,225,900円 |
※年収は「きまって支給する現金給与額」×12カ月分+年間賞与その他特別給与額にて算出
ちなみに保険の契約を取るには、保険の募集人としての資格が必要です。ファイナンシャル・プランナーの資格があれば、資格手当をもらえる会社もあります。
それに、この統計には保険会社の社員も入っていれば、保険代理店の社員も入っています。それを平均しているのでやや低くなっているとも言えますね。
生保レディについて書いた「生保レディの仕事は大変?仕事内容や大変なこと、給料事情などを紹介」の記事も参考にしてください。
人気のIT業界で活躍する営業職の給与・年収をチェック
IT業界の営業が扱うのは、IT製品やITを活用したサービス。ソフトウェアの導入やシステム開発の提案をする企業もあれば、Webサイト・Webコンテンツ制作を請け負う企業もあります。
IT業界は人材不足が続いており、今後も大きな需要が見込まれます。そんなIT業界の営業職の給料を調べてみました。
まずは政府の公式データから。平成29年に経済産業省が発表した「IT関連産業の給与などに関する実態調査結果」を紹介します。
それによると、インターネット関連企業の営業(・マーケティング職)の平均年収は約682万円です。
また、求人情報を見ると、次のような金額が年収例として記載されていました。
企業 | 年収例 | 備考 |
---|---|---|
H社 東京都・大阪府 |
550万円~1700万円 | 大学卒以上 英語力中級以上 |
I社 岩手県 |
450万円~800万円 | 大学卒以上 経験必須 |
J社 愛知県 |
400万円~530万円 | 高卒以上 経験必須 |
K社 広島県 |
350万円~580万円 | 学歴不問 |
L社 福岡県 |
350万円~650万円 入社3年目29歳の例:520万円 |
大学卒以上 経験必須 |
先に紹介した経産省のデータは平均のため、著しく高額の人や低額の人が少数でもいると影響されます。
特に転職入社時の給料は、発表されている平均よりはかなり低めです。
未経験や転職したての人がいきなり高収入にはなりません。
また、営業では「学歴不問」という求人も多く、その場合は大学卒や大学院卒を条件としている仕事よりも給料が低い傾向にあります。
大学卒や大学院卒、IT業界の経験者や語学力のある人など、経験やスキルによっても給料の額は違ってくるのです。
入社してからは、歩合制やインセンティブ、上司からの評価などによって給料に個人差が生まれます。
銀行や証券会社の営業は高収入?求人情報から年収例を紹介
一般的に、銀行や証券会社など金融業界は高収入として知られています。この章では、銀行や証券会社の営業の給料について、年収を求人情報からピックアップして紹介します。
銀行・企業 | 年収例 | 備考 |
---|---|---|
M銀行 東京都 |
400万円~700万円 | ネット銀行 住宅ローン営業 大学卒以上 経験必須 |
N銀行 東京都 |
~1000万円 | 日系投資銀行 大学卒以上 経験必須 |
O社 全国 |
420万円~3000万円 (固定給35万円+インセンティブ) |
金融商品仲介業 経験必須 |
P証券 愛知県、岐阜県 |
350万円~700万円 29歳 主任:400万円 33歳 課長代理:700万円 |
地元密着型の老舗証券会社 高卒以上 経験必須 |
Q銀行 滋賀県 |
400万円~700万円 | 地方銀行 法人/個人営業 経験必須 |
銀行や証券会社の営業は、求人情報ではすべて「業務経験必須」でした。
420万円と3000万円とでは、全然ちがうじゃないですか。
金融業界に転職したからと言って、必ずしも高収入になるとは限りません。
「営業手当」「インセンティブ」?営業職の給与体系を解説します
営業職を募集する求人情報には、給料の欄に「営業手当」「インセンティブ」「歩合制」などのワード記載されていることが多いですよね。
そもそも「給与」とは、「基本給」と「手当」の総額のこと。
「基本給」とは手当を含まない賃金を、「手当」とは企業が基本給のほかに社員に支払う賃金を指します。
注目したいのは、さまざまな種類がある「手当」の部分です。
「通勤手当」や「時間外手当(残業手当)」のほか、「出張手当」「住宅手当」「家族手当」など、会社によってさまざまな手当があります。
会社によっては、基本給が安くても手当が付くおかげで一定の年収が確保できる、というケースもあるのです。
営業の給与体系に多い「インセンティブ」「歩合制」とは
「インセンティブ給」「歩合給」とは、営業成績やノルマの達成率などによって、基本給に上乗せして支給されるもの。
「出来高給」や「業績手当」とも呼ばれます。
求人情報では、給与の欄に「基本給 + インセンティブ」「基本給 + 歩合」などと記載されており、インセンティブの内容や歩合率は企業によって異なります。
- 月間目標、四半期の目標など、一定の期間の目標達成で支給されるインセンティブ
- 「売上金額の◯◯%」「契約1件あたり◯◯◯◯円」など、売上や契約に支給されるインセンティブ
そうでない人には、営業の仕事は「キツい」の一言ですよね。
また、歩合制やインセンティブ制度には、給与の額が安定しないというデメリットもあります。
営業の仕事は楽ではないため、「思うように成績が上がらない」などの悩みを持つ人も多いものです。
転職前に「営業が辛くて辞めたい!仕事のお悩み別対処法と転職の注意点を解説」の記事も、転職前にぜひ読んでみてください。
営業職の給与につく「営業手当」とは
「営業手当」とはその名の通り、営業社員を対象に支払われる手当です。
法律で定められた手当ではないので、金額や詳細は企業によって異なります。
ここで注意したいのが、「営業手当」に一定時間分の残業代「固定残業代」を含めている企業があるということです。
求人を見る際は、給与欄で次の点もしっかり確認しておきましょう。
- 営業手当に固定残業代が含まれていないかどうか
- 含まれている場合は、何時間分・いくらの残業分か
法律上、固定残業手当の制度を導入するには、求人情報に次のことを明記しなくてはいけません。
・固定残業代に相当する労働時間数と金額の計算方法
・固定残業時間を超えた分は追加で割増賃金を支払うこと
中には「固定残業代として決まった額が支給されているのだから、残業代は支給しなくていい」などと勘違いしている会社もあるので注意が必要です。
その場合は2時間分の残業代が別でもらえるはずですよ。
営業で年収をアップさせるにはどうすればいい?
仕事にやりがいがある反面、ノルマのプレッシャーがあったり、休日もクライアントから電話がかかってきたりと、何かとストレスの多い営業職。
ある程度の給料がもらえなければ、やってられない!と思いますよね。
営業の年収をアップさせる方法としては、次のことが挙げられます。
- 資格を取ってスキルアップし、資格手当と業績アップを狙う
- 上司とのコミュニケーションを密にし、評価してもらいやすい環境を作る
- 成績のよい先輩や同期などのノウハウを学ぶ
営業に役立つ資格を取れば、会社によっては資格手当がもらえるほか、自分のトーク力、セールススキルも上がるので業績もアップ、給料も上がる、ということに。
営業・接客・販売のスキルアップにつながる「営業士」「セールスレップ」の資格や、英語力が向上する「TOEIC」「英語検定」などがおすすめです。
IT業界であれば「ITパスポート」「基本情報技術者試験」、保険業界であれば「ファイナンシャルプランナー」というように、業界に直結する資格を取ることも有益です。
「営業の仕事・転職に有利な資格とは?業界別のおすすめ資格も解説」の記事でより詳しく紹介しています。
日頃からコミュニケーションを取っていれば、自分の頑張りにも気づいてもらいやすくなります。
ボーナスには上司の評価が反映されることも多いので、頑張っている姿を知ってもらえていれば高い評価を得られやすくなるんです。
それでも評価が不十分だと思ったら、思い切って上司に掛け合うのも1つの手。
その場合は、給料をアップする価値が自分にあると納得してもらうため、次のポイントをおさえましょう。
- 会社、部署、チームにどれだけ貢献しているかを、売上実績などの結果で示す
- 「前年度に比べてどれだけ上がったのか」を数値で示す
- 営業活動以外の取り組み(後輩などの育成、業務改善に努力したこと)をアピールする
この交渉も、日頃からコミュニケーションを取っているかどうかで対応が変わってきます。
個人成績だけでなく、周りへの気配りや協調性、リーダーシップなどが認められれば、管理職となって年収をアップすることもできるのです。
営業の給料は自分の成績次第でアップ可能!給与体系やノルマは要確認
営業職の給料で特徴的なのは、歩合制やインセンティブ制度を採用している企業が多いことです。
そのため、個人またはチームの営業成績がよければ給料も高くなり、そうでなければ低くなります。
求人情報では「年収例」として高い金額を揚げている会社も多いですが、中にはそれがごく一部の例で、通常はそれほど稼げない、というケースも多いもの。
「営業としてがっつり稼ぎたい!」という人は、求人情報で給与体系や支給される手当の種類などをしっかり確認しておきましょう。
入社後に給料を上げるには売り上げを伸ばすのが最短の方法ですが、それには資格をとってスキルアップするなど、努力も欠かせません。その努力ができる人だけが、営業職として高収入を得ることができるのです。
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