旅行会社に転職したい!転職事情や向いている人、デメリットなど解説

旅行業界への転職を考えている人、多いのではないでしょうか。
でも、未経験で旅行会社に転職できるのか、具体的にどんな仕事があるのかなど、わからないこともありますよね。
旅行会社に転職するには、業界経験なしで正社員は難しいものの、契約社員や派遣社員の求人なら見つけやすいです。
業界未経験で旅行会社に転職した経験のある筆者も、やはり契約社員での採用でした。
昔から「薄給」と言われる旅行会社。確かに給料は安くて残業も多かったですが、仕事は楽しかったです。
この記事では筆者の経験をもとに、旅行業界の転職事情や旅行会社に向いている人について解説します。
業務例やメリット・デメリットも紹介するのでぜひ参考にしてください。
旅行会社に転職する前に知っておきたい、旅行業界の転職事情
旅行会社は人気のある就職・転職先の1つ。転職しようとしても、正社員採用で「未経験OK」という求人はなかなか見つかりません。
逆に旅行会社からの転職は「潰しが効かない」と言われる現状も。それぞれ見ていきましょう。
旅行会社の求人は『経験者優遇』なので、未経験なら契約や派遣が狙い目
旅行会社では、業界経験者を募集する企業が多いです。
忙しくて一から教える時間がないため、「即戦力がほしい」というのが第1の理由。
即戦力であれば人材教育にコストがかからない、というのも理由の1つです。
また「未経験OK」の求人は、ほとんどが契約社員や派遣社員として募集されています。
正社員希望であれば、「正社員登用あり」の契約社員、「紹介予定派遣」の求人も視野に入れてみてください。
旅行会社の仕事は専門性が高いので、他の業界ではその経験を活かしにくい
筆者が旅行業界を出て気づいたのは、旅行の仕事は「潰しが効かない」ということです。
なぜ「潰しが効かない」のかと言うと、旅行業には専門性の高い業務が多いから。
たとえば旅行の手配に使う端末1つ取っても、旅行会社や航空・鉄道会社、自社グループの組織内などでしか使わないものです。
使いこなすスキルを身に付けていても、他の業界では役に立ちません。
業務フローやシステムも独自で確立されたもののため、他の業界に転職しようとしても経験やスキルをアピールしにくいのです。
旅行業界内での転職が多いのも、異業界への転職が難しいことが理由の1つだと考えられます。
それだけ「旅行業界は楽しい」「旅行の仕事が好き」という人が多いことの表れとも言えます。
旅行会社への転職に向いている人、必要なスキルや資質とは
旅行会社に向いているのは、第1に「旅行が好きな人」です。
業務に必要なスキルは、主にコミュニケーション能力や冷静で臨機応変な対応力。
語学力が必要な業務もありますが、「絶対に必要な資格」というのはありません。
具体的に見ていきましょう。
旅行会社に転職するなら、「旅行好き」なことは必須です
もちろん「好き」というだけで務まる訳ではありません。でもそれが1番大きい、というのが旅行会社で働いていた筆者の感想です。
「旅行が好き」だからこそ、給料が安くても残業が多くても頑張り続けられるもの。
同僚もみんな旅行好きでした。保険業界から転職した筆者にとっては、旅行業界は「楽」とは言えませんが「楽しい」世界でした。
それでも、給料の低さや残業の多さに辞めていく人もいるのです。
旅行に興味がない人・旅行嫌いの人は、別の業界で自分に合った仕事を探しましょう。
旅行会社で働くなら、コミュニケーション能力も必須です
商品として「旅行」を作って売り、実施するには、さまざまな人との関わりが必要です。
旅行業はサービス業なので、「お客様に満足してもらえる対応」が必要なのは当然のこと。
さらに業務は社内だけでなく航空会社や宿泊施設、海外の手配会社や販売店などと連携して行うものも。ミスを避けるには、連絡を欠かさないことが重要です。
また、例えば航空会社との増席交渉も、日頃のコミュニケーションが物を言います。
理不尽なお客様が相手でも、親切に冷静に対応しなくてはいけません。
旅行会社で働くには、冷静で臨機応変な対応も求められます
旅行に携わる業務では、悪天候による航空機・列車の運休やトラブルなど、急な変更に対応することも日常茶飯事です。
当日になって何らかのミスが発覚することもあります。
航空機の出発時間が近い、お客様が店頭で待っているなど、「速い」対応を迫られる場面も。
そのような時にも焦らず、臨機応変に対処しなくてはなりません。
旅行会社に転職するのに、資格は必須ではありません
ただ、海外旅行の手配業務やインバウンドなど海外向けの業務には、「英検2級程度」や「日常会話程度」の英語力が必要とされていることが多いです。
旅行の手配では、航空会社や現地会社との端末上のやり取りに英語や英語の専門用語などを使います。
電話では、現地スタッフが日本語を話せなければ、英語や現地の言葉を使う必要も。
店舗で働く場合などは、「総合旅行業務取扱管理者」の資格を持っていると優遇されることもあります。
これは、1つの営業所に最低1人の「旅行業務取扱管理者」を置くことが旅行業法で定められているからです。
中でも「総合旅行業務取扱管理者」は国内・海外旅行を問わず取り扱うことのできる資格。
しかし、資格を持っていなくても応募できる求人はたくさんあります。
旅行会社の主な仕事と、旅行業の種類を簡単に紹介
旅行会社では、主に次のような仕事を行っています。
- 商品企画
- 仕入れ
- 販売促進
- 手配
- 営業・販売(店頭カウンター/法人)
- カスタマーサポート
それぞれの業務を別の部署で行う会社もあれば、このうちいくつかの業務を1人で任されることも。
営業は、個人向けの「カウンター営業」と企業や学校など団体向けの「法人営業」とに分かれている会社がほとんどです。
法人営業では、企業や学校などに研修旅行などの企画提案を行うほか、MICE(マイス=会議や見本市などのイベント)なども取り扱います。
最近では、日本から海外への観光だけでなく、インバウンド(訪日外国人旅行)に力を入れている旅行会社も多いです。
社員旅行や視察旅行といった団体旅行などには、担当している旅行会社の社員が添乗する場合もあります。
厳密には大きく「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つの種類に分かれています。
「旅行業者代理業」は旅行業者1社のみと代理契約をして、旅行商品の販売を行います。ツアーの企画などはできません。
いわゆる「大手」、海外・国内を問わず企画から販売、手配まですべての旅行業務を自社で行い、他社のツアーも販売する旅行会社は「第1種旅行業」です。
次の章では、旅行会社の仕事の一例、旅行の「手配業務」について紹介します。
旅行会社の業務の一例:海外のパッケージツアーを手配する
筆者は、海外のパッケージツアーの手配をしていました。「ツアーオペレーション」「操配(そうはい)」と呼ばれる業務です。
一般のお客様とのやり取りはありません。
店舗に入った予約内容にもとづいて、航空機の座席やホテルの部屋の確保、ウエディングやゴルフなどオプショナルツアーの予約を行います。
筆者のいた会社では、所属部署はハワイ、アジアなど地域グループ別で、さらに航空手配(エアー担当)と地上手配(ランド担当)とに分かれていました。
航空手配 | 地上手配 |
---|---|
・航空座席の予約 ・幼児用の食事や座席のリクエスト ・航空チケット発券 ・販売店からの問い合わせ対応 |
・延泊やグレードアップの手配
・ウエディングやゴルフなどオプショナルツアーの手配 ・ミュージカルチケットやレストランなどの予約 ・販売店からの問い合わせ対応 |
旅行会社によっては、1人の担当者がすべての方面を担当したり、航空・地上手配の区別がないこともあります。
1日の中で最も多いのは、販売店などからの電話対応。「◯月◯日発、満席だけど◯名分増席できないか」などの問い合わせがほとんどです。
旅行会社の手配業務:航空手配(エアー担当)の仕事とは
航空手配でもっとも重要な仕事は「なるべく多くの座席を確保すること」です。
航空座席は、一部「ブロック席」といってあらかじめ主な旅行会社向けに確保されています。
しかし連休や大型団体が利用する日は、ブロックはすぐに埋まってしまうことがほとんど。
オンラインでのキャンセル待ちや出発日間際の問い合わせがあれば、航空会社の端末や電話で状況を確認し、増席を交渉します。
もちろん、手配ミスは厳禁。日付や便名、人数などのミスも許されませんが、特に氏名には1文字の間違いのないよう注意し、確認もしっかり行います。
事前に判明しても、混雑日は航空会社も人数を減らしたいので1文字の変更すら許されず、最悪の場合キャンセルしなくてはならないことも。
決められた時間までに1度で大量の氏名入力をすることも多く、細心の注意が必要です。
旅行会社の手配業務:地上手配(ランド担当)の仕事とは
お客様による手配のバリエーションが多いのが、地上手配の特徴です。
地上手配は、「ランドオペレーター」「ツアーオペレーター」と呼ばれる現地の手配会社とオンラインや電話でやり取りします。
ホテルも一定数は確保済み。しかし間際の予約や延泊などの手配はランドオペレーターにその都度依頼します。
ダイビングなどオプショナルツアーの手配やウェディングの式場、レストランの予約などもランドオペレーター経由。
旅行会社に転職するなら知っておきたいメリット・デメリット
旅行会社に転職する前に、メリットとデメリットもおさえておきましょう。
旅行会社で働く主なメリット
旅行業界にいると、次のようなメリットがあります。
- 旅行に安く行ける可能性が高い
- 旅行のための休みが取りやすい
- 研修旅行に行けるチャンスがある
提携のホテルや旅館などでは、旅行会社の社員なら宿泊代が安くなることも多いです。航空会社でも、運賃の安いキャンペーンを行うことがあります。
また、社内に旅行好きが多いため、旅行に行きやすい雰囲気も。
もちろん、繁忙期を避けるのがマナーです。
自社で主催する、販売店向け招待旅行に同行することもあります。
旅行会社で働く主なデメリット
メリットがある反面、旅行業界で働くには次のようなデメリットも。
- 給与が低い
- 繁忙期は特に残業が増え、休みも取りづらい
- 緊急対応が多い
旅行会社の給料は、一般企業に比べて低いです。
筆者は契約社員だったためさらに低く、1人暮らしでは貯金する余裕もなし。住宅手当もなく、実家から通う人が多かったです。
なのにどうしてお給料は安いんですか?
大抵の旅行会社は、航空機やホテルなどを持っていません。そのため利益率が他の業種に比べて低く、人件費を高くできないのです。
また旅行会社では、特に繁忙期に業務量が多くなり、残業や緊急対応も増えがち。
閑散期には比較的落ち着きますが、繁忙期には休みも取りにくいです。
商品企画の仕事では、新しいツアーの企画・値付けなどの際、業務量が増えます。締切に間に合わせるため、作業が深夜にまで及ぶことも。
店頭や手配も、連休への対応や緊急対応などで連日残業が続くことがあります。
筆者のいた会社では、夏の繁忙期(お盆前後)の有休取得は控えるよう会社からお達しが出ました(ベストシーズンが冬の南半球方面担当は冬の時期)。
社員が休むと業務に支障が出る場合、別の時期に有休を取らせるのも会社の権利として認められているんです。
旅行会社に転職するなら、業務内容や労働条件をしっかりと確認し、企業研究もしましょう。
経験者なら転職しやすいとは言え、会社によって業務分担や進め方、給料などは全く異なります。
大手でも「ブラック」と呼ばれる会社があるので、「有名だから」というだけで応募を決めるのは危険です。
企業研究についてはこちらの記事を参考にしてください。

旅行会社への転職は、大手の転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめ。こちらの記事で主なサイトを紹介しています。

旅行会社への転職は、旅行好きじゃないと続かない可能性大
あったとしても、労働環境がよくない可能性が高いです。そのため、狙い目は非正規もしくは非正規からの社員登用。
旅行会社に転職すると旅行に安く行けたり、休みが取りやすかったりしますが、給与は他の業界よりも低いです。
残業や緊急対応も多く、楽な仕事とは言えませんが、旅行好きなら頑張れる可能性も。
働きやすいかどうかは、旅行会社によって大きく異なります。応募先を決める際は、求人情報を詳しく確認するほか、企業研究することも強くおすすめします。



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