長崎県五島市で暮らすメリットは?移住者に手厚く世界遺産も自慢の島
テレワークの普及をきっかけに、自然豊かな地方へのIターンやUターンを考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事でご紹介する長崎県の五島市は、そんなあなたにぴったりの地域です。
大小さまざまな島で構成される五島市は、美しい南の海に囲まれ、四季を通じてマリンスポーツを楽しめる土地です。
また、五島市には移住者を支援する手厚い施策が整っており、働く若者を中心に移住先としての人気が高まっています。
この記事では、長崎県五島市への移住・U/Iターン転職を検討したい人に向けて、五島市の特徴や魅力をご紹介します。
五島市は長崎県の西側にある離島。マリンスポーツと世界遺産の街
長崎県五島市は、大小152の島々で構成される「五島列島」の中にある地域です。
五島市は、五島列島最大の島・福江島を含む11の有人島+52の無人島で構成されており、長崎県の西方海上約100kmに位置しています。
面積は420.04平方km、人口は37,207人(平成30年9月時点)。夏は涼しく冬は暖かいという海洋性の気候に属し、年間平均気温は約17℃と非常に過ごしやすい地域です。
周囲を海に囲まれた島で美しい景観を持ち、サーフィンや釣りなどのマリンスポーツが盛んです。
また、キリシタン関連遺産や教会など多くの歴史文化遺産を有し、その一部は世界遺産にも登録されています。
五島市の魅力は、豊かな自然と暮らしやすさ。移住者向け制度も手厚い
五島市には、移住先として暮らしていく際に重視したい魅力やメリットがたくさんあります。主なメリットは次のようなものです。
- のんびりもアクティブもOK、自然豊かなロケーション
- クエ鍋や五島うどんなど、美味しい名産品がいっぱい
- 物価や家賃が安く、暮らしやすい
- 世界遺産を間近に見られる
- 保育施設が豊富で「待機児童ゼロ」
- 移住者向けの制度が手厚い
それぞれ簡単に解説していきます。
のんびりもアクティブもOK、自然豊かなロケーション
五島市は、美しい南の海に囲まれたロケーション。温暖な気候なのでシーズンを問わず釣りやマリンスポーツが盛んです。
移住したら、のんびりと海を眺めて過ごす時間も、アクティブに過ごすも時間も楽しめます。
クエ鍋や五島うどんなど、美味しい名産品がいっぱい
海産物をはじめとした美味しい食べ物が多いのも、自然豊かな島ならではの特徴です。
クエ鍋、ぶり、五島うどん、うにめし、かんころもち、五島牛、しまさざなみ、アオリイカ など
魚介類は鮮度が命。都会では味わえない新鮮な美味しさを、毎日味わうことができるのは、やっぱり嬉しいポイントです。
物価や家賃が安く、暮らしやすい
物価や家賃の安さも、重要なメリットでしょう。
ちなみに五島市のホームページによれば、市の中心部の賃貸物件は古いもので約3万円、築浅広めで5〜6万円が相場です。
島の周辺部では一戸建てでも家賃の月額平均は約2〜3万円と、非常にリーズナブルですね。
世界遺産を間近に見られる
少し変わったところでは、歴史文化遺産に触れられるというメリットも。
たとえば、平成30年に世界遺産認定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部が五島市にありますし、ほかにも教会や遣唐使関連の文化遺産が多数存在しています。
保育施設が豊富で「待機児童ゼロ」
また、島だからこそ生活基盤のすべてが身近に揃っているのも、五島市ならではの魅力です。
五島市ではとくに福祉に力を入れており、病院や介護施設、保育施設(保育園、幼稚園、認定こども園)の数が多く、待機児童数ゼロを達成し続けています。
移住者向けの制度が手厚い
五島市のおすすめポイントとして外せないのが、「移住者向けの制度」の手厚さです。
五島市の定住移住促進サイトによれば、五島市では次のような移住者向け支援を行ってます。
- 移住支援金(最大100万円)支給
- 空き家リフォーム助成
- 子育て世帯引っ越し助成
- 面接旅費助成(就職、起業に関するもの)
- 起業・事業拡大の支援助成
- 短期滞在住宅(3〜6ヶ月分の家賃無料)
- 奨学金返済助成
「短期滞在住宅」とは、五島市に移住を考えている人が市内で家を探す際、引越し先が決まるまでの間(3〜6ヶ月間)仮の住まいを無料で借りられる制度です。
また「奨学金返済助成」とは、市内で働く35歳未満の人の奨学金返済費用を一部助成してもらえる制度です。
これらのユニークな施策に加え、就職面接の際の旅費助成、空き家リフォーム助成なども完備。五島市には、移住者にとって嬉しい制度が揃っています。
五島市の気候と交通アクセス。離島だけに不便な一面も
メリットがたくさんある五島市ですが、本気で移住を考えるのであればデメリットについてもしっかり把握しておきたいところ。
都会とは異なる交通の便や気候など、気になるポイントをチェックしてみましょう。
冬は暖かく夏は涼しい!ただし台風にはやや注意
日本列島の南西に位置する五島市は、基本的に温暖で住みやすい気候です。
「温暖ということは、夏は暑いのでは?」と心配になるかもしれません。ここで、五島市(福江)と東京の気候データを比較してみましょう。
地域 | 五島市(福江) | 東京 |
---|---|---|
8月の平均気温 | 27.0℃ | 28.4℃ |
8月の最高気温 | 35.1℃ | 35.6℃ |
2月の平均気温 | 10.0℃ | 8.3℃ |
2月の最低気温 | 0.6℃ | -2.1℃ |
6月〜8月の降水量(合計) | 1252mm | 528mm |
日照時間の月平均 | 153.8時間 | 157.4時間 |
※2019年4月〜2020年3月の数値:気象庁「過去の気象データ」から抽出、算出
少しだけ注意したいのは、6〜8月にかけての降水量の多さ。これは夏場に多い台風が関係しています。
九州の西方海上に位置する五島市は、台風の影響を受けやすい地域ではあります。とは言え、台風が直撃・上陸することはほとんどなく、気候の面では落ち着いた地方と言えるでしょう。
市外に出るには飛行機or船、市内はマイカー必須
続いて、交通の便について。この点はやはり都会とは大きく異なりますので、しっかり把握しておく必要があります。
離島である五島市から外へ出る際のアクセスは、飛行機、フェリー、高速船の3つが主要手段となります。
そこから新幹線や別の飛行機などに乗り換えて東京へ向かう、というルートとなります。
福江島から福岡もしくは長崎までの所要時間は、最短でも、飛行機で約30〜40分、フェリーで約3時間、高速船で1時間半ほどかかり、そこから東京に向かう時間も、別途かかります。
電車一本でどこへでも行ける……という生活スタイルではないので、とくに都市部から移り住む場合は注意が必要です。
また、市内(島内)には全域を路線バスが走っていますが、本数は多くありません。
通勤通学や買い物に出る際はマイカー(自家用車)が必要です。
移住を成功させるために、こうした注意点についても事前にしっかりと検討しておきましょう。
五島市の主な産業・仕事。医療福祉が多く、農業・漁業・建設業も
次に、五島市の産業についてご紹介します。
五島市で働く人たちは、主にどんな仕事をしているのでしょうか?
業種 | 人数(男女総数) |
---|---|
医療・福祉 | 2970人 |
卸売業・小売業 | 2420人 |
農業 | 1479人 |
建設業 | 1391人 |
漁業 | 992人 |
※2015年の国勢調査「就業状態等基本集計」より抜粋
最も多いのは「医療・福祉」系の業種。五島市は福祉に力を入れている、と先述しましたが、その事実を証明しているような数字ですね。
ついで2番めに多いのが「卸売業・小売業」。さらに「農業」「建設業」「漁業」と続きます。
漁業にはI/Uターン者向けの研修生制度があり、これを利用すれば専用住宅の斡旋や月額最大15万円の生活費支援を受けることが可能です。
ちなみに、男性の割合が多いのは建設業。統計によれば、建設業に従事している1391人のうち、1214人が男性です。
反対に女性の割合が多いのは医療・福祉系。こちらは2970人の総数に対し、2319人が女性となっています。
上記のトップ5のほかに、男性では運輸業、女性では宿泊業、飲食サービス業で働く人が多いです。
五島市のホームページによれば、市内にはフルタイム・パートタイムを合わせて常時300件程度の求人募集が見られます。
また、IT系をはじめ新たな分野に参入する住民も増えているとのこと。ネットワークが普及してどこでも働けるようになった現代、移住先として離島を選ぶことは決して実現不可能な夢ではないと言えそうですね。
五島市には住みやすい魅力がいっぱい!移住者向け支援制度も抜群
長崎県五島市は、美しい海に囲まれた自然豊かな離島です。冬は暖かく夏は涼しく、市内には世界遺産や歴史遺産が多数存在しています。
保育施設が豊富で、待機児童数はゼロ。市外からの移住者を受け入れる支援制度も抜群に整っています。
市外へのアクセスは飛行機やフェリーで数時間、また市内を異動する際には自家用車がほぼ必須とも言えるため、そこは注意が必要です。
しかしその分、物価や家賃が安く、豊かな自然や海産物を毎日楽しむことが可能です。
Iターン/Uターンを検討中の方は、魅力的なポイントがいっぱいの五島市を移住先候補に選んでみてはいかがですか?