転職率は本当に増加してる?日本の転職率と推移をわかりやすく解説!

転職率は本当に増加してる?日本の転職率と推移をわかりやすく解説!

転職したいなと漠然と考えることはあっても、周囲に転職経験のある人があまりいなかったりすると、実行に移すことをなんとなく躊躇してしまうものだと思います。

実際のところ、転職したことのある人というのは、どのくらいの割合でいるものなのでしょうか?また、昔に比べると転職する人は増えていると言われますが、これは事実なのでしょうか?

気になる日本の転職率とその推移について、ここでは解説していきましょう。

転職率と離職率は何が違う?知っておきたい基本の用語解説

転職率やそれに関するワードには専門的であまり耳に馴染みのないものも少なくありません。

まずは基本的な用語の定義を確認しておきましょう。

転職率とは…

一定の期間内での労働者全体に占める転職者の割合のこと。計算式は転職者数÷総労働者数×100(%)となる。
厚生労働省の統計においては、転職者比率という言い方がほぼ同義で使われる。

転職率と混同しやすい言葉に、離職率がありますが、離職という区分には、一定の期間内にそれまで所属していた企業を退職した人がすべて該当します。

つまり、転職者も離職率の統計の中に含まれることになるのです。なお、離職者のうちでも離職後に他企業に転職した労働者のことを、特に転職離職者と呼びます。

要するに、離職率という大枠の中には、転職率も包括されていると言ってよいでしょう。

他にも転職率に関連するキーワードとして、労働移動率というものがあります。

労働移動率とは…

一定の期間内での、労働者の総数に対する入職者と離職者をあわせた人数の割合のこと。

入職者というのは企業が新たに採用した労働者のことを、そして離職者というのは上でも少し触れた通り、企業を退職したり解雇されたりして、所属から離れた人を指します。入職者と離職者、いずれにも他企業への出向・出向復帰者を含みます。

近年、労働移動率は増加傾向にあります。これは、社会全体で就職・退職が比較的多く行われており、雇用の流動性が高いということです。

労働移動率が高まっている背景には、終身雇用制度の盤石性が失われつつあることや、雇用期間が短くなりがちな非正規雇用者の割合が増えたことが要因としてあるとされています。

終身雇用制度が崩れて、非正規雇用が増えた結果、労働移動率が上がったと言われると、雇用の流動性が高くなるのは悪いことように感じられますね。
雇用の流動化は悪い面ばかりではありません。転職市場が活性化し、企業が優秀な人材を引き止めるために労働条件を引き上げる傾向が強まるなど、働く人にとって良い効果をもたらすこともありますよ。

本当に転職する人は増えている?直近5年間の日本の離職率の推移

ここからは、直近5年間の日本の転職率の推移を見ていきましょう。

転職率の推移(2012年~2016年)
転職率(%)
2012 4.6
2013 4.5
2014 4.6
2015 4.7
2016 4.8
参照元:総務省統計局

こうして表にして見てみると、ここ5年間の転職率には大きな変動がないということがわかりますね。

コンスタントに、だいたい20人弱に1人くらいの割合で転職者が出ているということになります。

実は、1990年ごろまでさかのぼってみても、転職率には数%単位の大きな変動はありません。昔に比べて転職する人が増えていると言われていますが、数字の上ではそこまで顕著に増加しているというわけではないのです。

ただ、ここ5年間の転職率が安定して微増傾向にあることは事実です。

なお、転職離職者の離職理由に注目してみると、会社都合の理由よりも、収入や勤務時間などの労働条件や職場の人間関係、仕事内容などの個人的な理由を挙げる人が増加傾向にあります。

やむを得ず離職せざるを得なかったことに起因する転職よりも、自己実現のため、ワークライフバランスを変えるための転職が増えていると言えるでしょう。

意外!女性が男性より転職率が高いのはナゼ?

転職率をもう少し詳しく、男女別にみてみましょう。

男性の転職率の推移(2012年~2016年)
転職率(%)
2012 3.9
2013 4.0
2014 3.8
2015 3.9
2016 4.0
女性の転職率の推移(2012年~2016年)
転職率(%)
2012 5.4
2013 5.3
2014 5.6
2015 5.7
2016 5.8
参照元:総務省統計局
男性と女性では、女性の方が総じて2%近くも転職率が高くなっています。これは女性の方が非正規雇用の割合が高く、働き方がより流動的であることが原因です。

原則として雇用期間の定めのない正規雇用に比べて、派遣社員や契約社員と言った期間に制約のある非正規の雇用形態では、どうしても転職のスパンが短くなってしまいます。そのため、このような明らかな差が出てくるのです。

転職って最近になってすごく増えたというわけではないんですね。でも少しずつだけど転職率も上がってるみたいですし、今は転職しやすい時代だと考えてよさそうですよね?
確かにそうなのですが、転職者の内訳を見てみると、非正規から非正規への転職が圧倒的に多いんですよ。逆に非正規から正規になるケースは最も少ないんです。転職によって雇用形態自体を変えるのはまだまだ容易ではないようですね。

転職市場は実際どうなってる?有効求人倍率と転職率の関係

転職率がわかったところで気になるのは、近年の転職市場はどのように動いているのか?もし自分が転職を希望したとして、企業側から十分な求人は出ているのか?ということですよね。

それを知るためには、有効求人倍率を確認する必要があります。

有効求人倍率とは…

企業からの求人数をハローワークに登録している求職者の数で割った値のこと。
求職者1人に対して、何人分の求人が来ているかを示している。

有効求人倍率が1を上回っていれば、求職者に対して求人の方が多く、働き口が十分にある状況と言えます。逆に有効求人倍率が1未満であれば、求職者に対して求人数が足りず、働き口が不足しているということです。

厚生労働省によると、平成16年度(2004年度)から平成28年度(2016年度)までの有効求人倍率は以下のグラフのようになっています。

平成16年度(2004年度)から平成28年度(2016年度)までの有効求人倍率の推移

参照元:厚生労働省

このグラフの数値からは、新卒の就職者は除外されています。また、パート・アルバイトなどのパートタイム労働者の区分になる求人・求職者数も含まれていません。

したがって、主に正社員と派遣社員や契約社員などの非正規雇用の一部を対象にした数値ということになります。

このグラフを見てみると、リーマンショックの翌年である2009年度を底にして、有効求人倍率は徐々に回復してきています。

特にここ数年は、1を上回る数値をキープしており、 なおかついまだに上昇傾向にあるのです。

したがって、転職市場は近年、売り手に傾いており、転職希望者が動きやすい状況ということができます。

この転職市場の状況が、転職率の微増傾向に一役買っているのかもしれません。

パートタイム労働者が含まれるかどうかで、有効求人倍率に大きな違いはあるのでしょうか?
パートタイム労働が含まれると、有効求人倍率はやや高くなります。正社員や派遣社員・契約社員に限定すると、求人が少なくなるということですね。

転職経験者は意外と多い!転職も現状を変える1つの選択肢と考えよう

こうして数値で見てみると、巷で言われているほど、転職する人が急激に増えているというわけではないことがわかります。

とはいえ、毎年のように20人に1人の転職者がいるということは、転職経験者をトータルで見るとかなりの数になるでしょう。また、転職市場も現状、求職者に有利な状況が続いています。

こうした状況を考えれば、転職は『よほどのことがない限りするべきではない』というほどのハードルが高い取り組みではないと言えるでしょう。

仕事に関して現状を変えたいと考えている人にとっては、転職は最も有効な手段です。あまり気負いすぎず、1つの選択肢として検討してみてもよいのではないでしょうか?