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助産師の年収は看護師・薬剤師より高い?給料事情を解説

助産師の年収は看護師・薬剤師より高い?給料事情を解説

「助産師の年収は、看護師や薬剤師よりも高い」とよく言われますが、実際はどのくらいなのでしょうか。

助産師の平均年収については、政府などによる明確な統計資料がありません。

しかし、全国にある国立病院共通の給与規程などから、おおよその金額を知ることはできます。

この記事では、助産師の年収を看護師・薬剤師と比較して紹介。

助産師の給料や年収について気になる人は、ぜひ参考にしてください。

助産師の給料や年収はいくら?給与規程や求人情報などを紹介

助産師の給料は通常、勤務する病院などによって異なります。

この章では助産師の給与および年収について、国立病院で働いた場合と、国立病院以外の病院やクリニックなどで働いた場合との、2つに分けて紹介しますね。

国立病院の給与規程から、助産師の年収の目安を紹介

国立病院では「独立行政法人国立病院機構」 が定めた職員給与規程によって、基本給の金額が一律に決められています。

「独立行政法人国立病院機構」ってなんですか?
「独立行政法人国立病院機構」とは、全国142の病院を運営する組織のことです。

国立病院は全国すべて、同じ給与規定に基づいているんですよ。

国立病院の定めた職員給与規程によると、助産師の1年目の基本給は「208,000円」(平成29年度の実績)。

この金額に各種手当などが加算されると、助産師の初任給(支給総額)は「279,000円~323,000円」になります。

年収は単純に計算すると、ボーナスなどを除いて「3,348,000円~3,876,000円」。

この年収は助産師1年目を想定したもので、平成29年度の額をもとにした目安額です。

基本給は、採用年度により異なります。

また実績や経験年数、スキルなどによって基本給は上がるため、経験年数が増えるほど給与は増えていきますよ。

ボーナスって、どれくらいもらえるんでしょうか?
平成29年度の場合、国立病院では1年間あたり給与の4.2カ月分が支給されています。

上で説明した初任給の最低額279,000円で計算すると、ボーナスは年間で「約117万円」ですね。

年収にすると「約452万円」です。

求人情報に掲載されている全国の助産師の月給例を紹介

次に、国立病院以外の病院やクリニックで働く場合の給与を紹介します。

インターネット上に掲載されている求人情報の給料条件を見てみましょう。

助産師の月給例(正社員の場合/求人情報より)
勤務地 月給例 備考
北海道 210,000円~340,000円 公的病院
(3交替制)
青森県 198,300円~446,100円 公的病院
(3交替制)
東京都 350,000円~530,000円 民間病院
(2交替制)
愛知県 282,000円~400,000円 民間病院
(3交替制)
大阪府 288,000円~335,000円 民間病院
(3交替制)
広島県 210,000円~270,000円 民間クリニック
(2交替制)
沖縄県 330,000円~390,000円 民間クリニック
(2交替制)
※残業代を除いた金額/2018年10月現在
「月給例」といっても、かなり幅があるんですね・・・。
経験などにもよりますからね。

でも、求人情報を見るときは、実際にもらえるのは低い方の金額だと思っておいたほうがよいですよ。

ボーナスについては、筆者が求人情報を調べたところ、10件の病院の平均支給例は、1年で「約4カ月分」でした。

上の表にある月収例の最低額の平均約270,000円を例に計算すると、4カ月分(1,080,000円)のボーナスを加えた年収は「4,320,000円」です。

ただし給与の規程は、それぞれの病院やクリニックなどによって異なります。

実際に助産師の仕事を探す場合は、各種手当やボーナスなどもよく確認してくださいね。

助産師の転職については、「助産師に転職したい!転職活動のポイントや求人の探し方を紹介」も参考にしてください。

助産師としてバリバリ働けば、年収1000万円も目指せますか?
年収1000万円ですか・・・!?それは単なる病院勤務では厳しいかもしれません。

独立・開業すれば可能性はあるかもしれませんが、私はこれまで、助産師で年収1000万円を超える人には会ったことがないです。

開業するにも相当経験が必要ですし、分娩件数もこなさなければ、年収1000万円は難しいでしょうね。

助産師として開業するためには、日本助産師会が定めた開業基準をクリアする必要があります。

開業基準には、経験年数5年以上、分娩件数200件以上、家庭訪問30例以上など、助産師として開業するのに最低限必要な指標が細かく決められているのです。

開業に興味がある人は「公益社団法人日本助産師会>開業をめざす方へ」の順にアクセスしてみてください。

助産師は他職種より高収入?看護師・薬剤師との給料を比較

助産師の給料は一般的に、看護師や薬剤師よりも高いと言われています。

本当にそうなのか、気になりますよね。

この章では、助産師の給料と看護師、薬剤師の給料を比較します。

助産師・看護師・薬剤師の給料を求人情報で比べてみました

まずは国立病院の給与規程で、基本給を比較してみましょう。

【職種別比較】助産師・看護師・薬剤師の国立病院の基本給
職種 基本給
助産師(短大・大卒) 208,000円
看護師(4年制大卒) 205,200円
看護師(3年制短大卒) 195,900円
薬剤師(6年制大卒) 207,800円
薬剤師(4年制大卒) 185,400円
※平成29年度実績

国立病院では、助産師の基本給が最も高く設定されていますが、6年制大卒の薬剤師との差は、わずか「200円」でした。

次に、国立病院以外の例を見てみましょう。

インターネット上で助産師、看護師、薬剤師を同時に募集している医療機関の求人情報から、月給例を紹介します。

【職種別比較】助産師・看護師・薬剤師の月給例(正職員/求人情報より)
勤務先 助産師 看護師 薬剤師
山形県/公的病院 211,000円 198,600円 209,900円
大阪府/民間病院 254,000円 254,000円 250,200円
大分県/公的病院 209,200円~ 206,400円~ 201,300円~

助産師の給料が最も高い傾向にありますが、なかには看護師とあまり変わらない例も。

各職種とも、実際に支払われる額は経験やスキル、年齢で異なりますし、交替制などの勤務形態によっても違ってきます。

なかでも助産師や看護師は夜勤や休日出勤、交替勤務があることなどから、勤務状況によってさまざまな手当が付くことが多いのです。

助産師の場合はさらに、出産の介助回数ごとに分娩手当が支給される医療機関もあります。

そういった手当を含めると、助産師が実際に受け取る給与は他の職種より高くなると予想されるのです。

助産師の詳しい仕事内容については、次の記事を読んでみてくださいね。

次の章では、なぜ助産師の給料が高い傾向にあるのか、別の角度からその理由を説明します。

助産師は『資格が2つ必要』『人数が少ない』から他職種より給料が高め

助産師の給料が一般的に看護師や薬剤師よりも高い理由は、主に2つあります。

助産師の給料が看護師・薬剤師よりも高い主な理由
  • 助産師には看護師免許と助産師免許が必要
  • 助産師の数が非常に少ない

助産師資格を取るには、看護師免許を取った上で助産に関する勉強をして、助産師資格試験に合格する必要があります。

それにより助産師は、看護師にはできない助産行為などの業務を行うことができるのです。

助産師ならではの「業務の専門性」が、基本給の上乗せや資格手当として反映されていると考えられます。

助産師資格の取得方法などについては、次の記事を確認してください。

また、助産師資格は「女性にしか取得できない」こともあり、看護師や薬剤師に比べると、その数は「圧倒的に少ない」です。

国が行った統計調査を確認すると、平成28年の就業者数は次のとおりでした。

助産師:39,613人
看護師:1,210,665人
薬剤師:301,323人

※助産師および看護師の数は日本看護協会の看護統計資料(平成29年発表)より、薬剤師の数は厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」(平成28年)より
助産師さんの数って少ないんですね!
ええ、看護師さんと比べると30分の1ほどしかいないんです。

数が絶対的に少ないことに加え、近年の産婦人科医不足も助産師の需要を高め、給料の高さにつながっていると考えられます。

看護師と薬剤師の給料や年収については、次の記事を読んでみてください。

助産師の年収は400万円以上!勤務先や経験年数によっても変わる

当記事では、助産師の給料・年収事情について、さまざまな病院の求人情報や給与規程をもとに紹介し、看護師や薬剤師とも比較しました。

調べた求人情報をもとに年収を想定すると、国立病院が「約452万円」、国立病院以外の病院やクリニックは「約432万円」でした。

助産師の年収は、勤務先や経験年数などによってさまざま。

基本給にプラスされる各種手当の有無やその額によって、大きく異なります。

また助産師・看護師・薬剤師を比較すると、全体としては助産師が最も高い傾向にありました。

助産師の給料が高めに設定されているのは「助産師にしかできない仕事がある」「助産師の数が圧倒的に少ない」などの理由があるからなのです。

※掲載の情報は2018年10月現在のものです。
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