診療放射線技師が転職を考えるとき、押さえておきたいポイントとは
「診療放射線技師」とは、病院やクリニックなどの医療機関で医師の指示のもと、放射線を用いた検査や治療を行う仕事のことです。
「診療放射線技師」は国家資格。簡単になれるものではなく、診療放射線技師養成所で3年以上専門知識と技術を身につけた後、国家試験に合格する必要があります。
CTやMRI、X線検査、超音波検査などを担当する診療放射線技師の需要は高く、また活躍の場も多岐に渡るため、求人募集は絶えることがありません。
だからこそ、転職では失敗しない選択をしたいもの。
この記事ではあらためて診療放射線技師のやりがいや向き不向きなどを解説し、おすすめの求人サイトも紹介します。転職を考えるときのヒントにしてください。
診療放射線技師の仕事のやりがいと苦労についておさらい
診療放射線技師の仕事のやりがいと苦労にはどんなことがあるでしょう。
診療放射線技師のやりがいは良い画像を撮ることで患者さんの助けになれること
診療放射線技師のやりがいには、主に次のようなことが挙げられます。
- 良い画像を撮れたとき
- 最新医療に携われる面白さ
- 人の命を助けられる
- 専門知識を活かせる
- 患者さんに合わせて撮影を工夫できること
一番のやりがいはやはり「良い画像を撮ることで患者さんの助けになれること」。
医師が正確な診断を行うには、放射線技師の撮影する画像が不可欠。より見やすく的確に撮影できれば、より正確な診断、治療につながります。
同じ患者さんはひとりもいませんから、「どの角度で、どんな格好で、どう取るのがベストか」、その都度工夫して撮影に臨まなければなりません。
診療放射線技師の苦労は撮影のための不安を和らげること
診療放射線技師の仕事は、単に画像を撮影すればよいわけではありません。その苦労は多方面に及びます。
- 患者さんの不安を和らげるための工夫
- 治療のために高い技術力を求められる
- 勤務先によっては「当直」や「夜勤」がある
- 人手不足で急に呼び出されたり激務になったりする
- 画像を1枚追加するにも医師の許可が必要
診療放射線技師の最も大きな苦労は、「患者さんの撮影の不安を和らげること」です。
撮影に臨む患者さんは小さな子どもからお年寄り、暗い場所が苦手な人など、とにかくさまざま。
小さな子どもであればなだめたり、不安に感じている人には根気強く対応したりと、検査の技術的な面だけでなく、精神面でも気を使わなければなりません。
見知らぬ不特定多数の人と接することが多いのも、診療放射線技師の苦労のひとつと言えます。
また、業務は医師の指示のもとでしか行えないため、医師との円滑なコミュニケーションも不可欠です。
特に大きな総合病院では当直や夜勤もあるため、体力も必要です。
診療放射線技師に向いているのは向学心が強くコミュニケーション能力の高い人
診療放射線技師に向いているのは、主に次のような人です。
- 向学心が強く、継続して学ぶ意欲のある人
- 物事を分析するのが得意な人
- 慎重・丁寧に仕事ができる人
- コミュニケーション能力の高い人
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
常に最新の医療技術に対応するため、向学心は必要不可欠
診療放射線技師には多くの知識を求められます。放射線に関する知識、医療の知識、コンピューターに関する知識など多種多様な分野に精通する必要があるのです。
日進月歩で発展していく最新医療を扱うためにも、自ら意欲的に学ぶ姿勢は必要不可欠。
ですから、向学心が強いこと、勉強し続ける意欲のある人は、診療放射線技師に向いていると言えます。
どうしたら良い画像が撮影できるか、分析して試行錯誤する
放射線技師の仕事では、患者さん一人ひとりに「この人の場合はこうだからこの姿勢でこの角度で・・・」など、それぞれの状況を考えることが必要です。
そのため、目の前の状況を分析し、どうすれば良い画像が撮れるかを突き詰めていける人に診療放射線技師の仕事は向いていると言えます。
仕事は丁寧に、慎重に行う必要がある
仕事がら、ミスは許されません。あらゆる状況を想定しておくなど、撮影は慎重に行わなくてはならないのです。
また、時間に追われて焦ったり、いつもの作業だからといい加減にすることも禁物。診療放射線技師の仕事は、常に慎重に進める必要があります。
コミュニケーション能力の高さで患者さんを安心させる
診療放射線技師は撮影のために多くの患者さんと接します。撮影部位によって体勢はさまざまですし、撮影に時間がかかる場合はその旨もきちんと説明して理解してもらわなければなりません。
患者さんを不安にさせず、わかりやすく丁寧に説明する必要があるため、コミュニケーション能力の高さも診療放射線技師にとって重要な要素です。
もちろん、患者さん相手だけでなく医師とのやり取りにも、高いコミュニケーション能力は欠かせません。
診療放射線技師の給料は約35万円、年収は約500万円
診療放射線技師の平均給料はどれくらいかについても気になるところですよね。
厚生労働省「2018年賃金構造基本統計調査」のデータから紹介していきます。
診療放射線技師の平均給与は348,600円、平均年収は約513万円
また、ボーナスを含めたおよその平均年収は約513万円。
男女別の平均年収は次の通りです。
性別 | 平均年収 |
---|---|
男性 | 約537万円 |
女性 | 約455万円 |
飛び抜けて高い人などがいれば左右される数字ですので、参考程度に見てくださいね。
規模の大きい病院に勤める人ほど収入が高い傾向にある
放射線技師の給料を勤務先の規模別に見てみると、規模の大きい病院に勤める人ほど収入が高い傾向にありました。
その原因の1つは、規模の大きな病院では交替制での「当直」や「夜勤」が割り振られること。
体力勝負でつらい業務ですが、時間外の給料は割増や手当がつくため、トータルの金額が高くなります。
応募先を決めるときは、求人情報やその病院についての情報をできるだけたくさん集めて判断するようにしましょう。
診療放射線技師の求人探しのチェックポイント
診療放射線技師が活躍できる職場はさまざま。だからこそ、いざ転職を思い立って求人サイトを見てみると迷ってしまうものです。
ここからは求人探しのチェックポイントをいくつか紹介します。
- 職場の種類(総合病院、産婦人科、整形外科、検診センターなど)
- 病院の体制(二次救急、三次救急など)
- 任される業務の内容、業務範囲(職場によってさまざま)
- 放射線技師が何人いるか(常勤・非常勤なども)
- 当直の有無、オンコールの有無などの勤務体系
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
職場を選ぶポイントは働き方が自分に合っているかどうか
譲れないポイントを先に決めておくと探しやすくなります。
診療放射線技師が活躍できる職場は、総合病院、産婦人科、整形外科、検診センターなど多岐に渡ります。もちろん、その中でも職場によって勤務形態や働き方、院内の雰囲気なども異なるもの。
しっかり稼ぎたいなら総合病院、女性が多い職場で働きたいなら産婦人科など、自分の譲れない条件と照らし合わせて確認しましょう。
病院の体制で求められるスキルが変わる
診療放射線技師が携わる業務は多いですが、病院の体制によっても大きな差があるものです。
二次救急と三次救急では大きな違いがあります。
より高度で新しい専門知識を求められるのか、それとも積み重ねてきた専門知識が活かせるのか。求められる診療放射線技師の技能も確認しておきたいところです。
任される業務の内容、業務範囲は職場によってさまざま
任される業務の内容や業務範囲は職場によって大きく変わります。画像撮影よりも超音波検査が中心になるところもあれば、X線での撮影ばかりでCTやMRIの撮影には携わらないなんてところも。
どうしても携わりたい業務があるなら、面接などの際にしっかり確認しておきましょう。
診療放射線技師が何人いるかで1人当たりの業務負担が変わる
忘れずチェックしておきたいのは、応募先で働いている診療放射線技師の数です。
人手不足の職場はどうしても激務になりがちです。病院の規模と、常勤・非常勤で働く人なども含めて確認することで、任せられる業務量の目安になり得ます。
診療放射線技師におすすめの求人サイトを2つご紹介!
転職の際には新聞や求人広告など、さまざまな媒体をチェックしますよね。おすすめは、医療業界の求人を専門に扱う転職サイトを使うことです。
医療業界に特化した転職サイトなら効率よく探せますし、業界ならではの情報が手に入る可能性もあります。
ここでは、医療業界の求人を専門に扱う転職サイトを2つ紹介します。どちらも求人情報が豊富なので、ぜひチェックしてみてください。
サイト名 | 特徴 |
---|---|
マイナビコメディカル | ・キャリアアドバイザーが転職サポート ・診療放射線技師の求人数:約500件 |
ジョブメドレー |
・求人への直接応募 ・診療放射線技師の求人数:約280件 |
それぞれの転職サイトについては、こちらの記事も読んでみてくださいね。
診療放射線技師は活躍の場が広いからこそ転職には慎重に
現代の医療業界には欠かせない診療放射線技師。少子高齢化社会や時代の流れにともない、医療現場にも少しずつ変化が起きています。
日夜発展していく医療業界のさまざまな知識を身につけながら、柔軟に対応していくことがこれからの診療放射線技師に求められていくでしょう。
今の職場からの転職を考えたとき、自分がどんな働き方をしたいのか、給料はどれくらいほしいのかなど、求める条件を明確化してください。
そして、転職先の候補となる病院やクリニックなどが見つかったら、院内の雰囲気や働き方などについて、なるべくたくさんの情報を集めましょう。
その上で転職先を探せば、より働きやすい環境に身を置くことができます。妥協せずにしっかりと考えを詰めてくださいね。
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