出戻り転職を成功させるコツ!決断前に知りたいメリット・デメリット
一度は転職したものの、「やっぱり元の職場が恋しいな」と感じることはあるでしょう。そんなときに元の職場に再就職する「出戻り転職」が増えています。
メリットもある出戻り転職ですが、同時に大きなリスクもあります。出戻りするまでの期間によっても成功の確率が変わるため、決断する際には注意が必要です。
この記事では、出戻り転職のメリット・デメリット、出戻り転職を成功させるポイント、面接・履歴書対策などについて分かりやすく紹介します。
※なお、出産や介護による一時的な離職から戻る状態も「出戻り転職」と呼ばれますが、この記事では一度転職に失敗した後の「出戻り転職」についてのみ解説します。
「出戻り転職」とは「一度辞めた会社に再び勤務すること」
A社を辞めてB社に入ってみたけれど「失敗したな、やっぱり前の職場のほうが良かった」と感じることもありますよね。
そんなふうに転職がうまくいかなかったとき、以前働いていたA社に再び転職しなおすことを「出戻り転職」と呼びます。
昔は「一度は出ていったのに戻ってくるなんて」と白い目で見られることが多かった「出戻り転職」ですが、今は企業側から「経験者が戻ってきてくれるのはありがたい」と歓迎されるケースも増えています。
出戻り転職の流れは大きく分けて3パターン
実際に出戻り転職をする場合、きっかけや流れは大きく分けて3つのパターンが考えられます。
- 上司や同僚からの推薦
- 社長、経営陣などからの打診
- 自分から求人に応募する
退職後も元職場の上司や同僚と連絡を取り合っている場合、「出戻りしたい」と相談するか、向こうから「戻ってこないか」と誘われるのをきっかけに話が進むことがあります。
またある程度の成果をあげていた場合は、社長や経営陣などから「ぜひもう一度戻ってきてくれないか」と打診を受けることもあります。
そして、そうしたきっかけはとくに無く、自分から元職場の求人情報を見つけて応募する方法で復帰する人もいます。
出戻り転職で得られるメリットは?大きく分けて3つ
出戻り転職で得られるメリット、気をつけるべきデメリットとは、どんなことなのでしょうか?
まずはメリットから見てみましょう。
メリット1:ミスマッチのリスクが少ない
仕事の流れや社内の雰囲気はすでによく知っているので、良い面も悪い面も分かります。
転職後にありがちな「こんなはずではなかった」とがっかりするような、ミスマッチが起きる可能性は比較的低いと言えるでしょう。
メリット2:即戦力として歓迎されやすい
働く人の能力や人柄が分かっていることは、企業側にとっても安心です。
とくに人手不足で困っている会社では、出戻り転職組は即戦力として歓迎されやすい傾向があります。
メリット3:転職活動が楽になる
二度目の転職となると、採用までやや長めに時間がかかるのが一般的です。
しかし出戻り転職の場合、転職活動から採用決定までの期間が短くなることが多く、採用試験の免除もありえます。
出戻り転職のデメリットは?絶対に注意したい4つ
いろいろなメリットがある出戻り転職ですが、決して良いことばかりではありません。デメリットもしっかり把握しておきましょう。
デメリット1:給与・待遇が悪化するリスク
「元の職場に戻るのだから、当然同じ待遇以上で働けるはず」と思っても、給与や待遇については悪化する可能性があります。
会社としては、辞めずに勤め続けてくれた社員が不満を募らせないよう、出戻り転職者の給与や待遇を下げて迎え入れることも多いんです。
出戻り転職では、給与、勤務時間、部署、立場など、さまざまなものが変更される可能性があります。
また大きな仕事を任されにくくなり、将来的に出世することが難しくなるケースもあるため、注意が必要です。
デメリット2:歓迎しない人もいる
出戻り転職は悪いことではないのですが、社内には歓迎しない人もいるでしょう。「一度辞めたくせに」「どうせまたすぐ辞めるだろう」と陰口を言われることもあるかもしれません。
また、社員や経営陣が入れ替わるなどして、社内の雰囲気そのものが変わっている可能性もあります。「元いた職場だからと言って、居心地が良いとは限らない」という覚悟が必要です。
デメリット3:評価が厳しくなる
出戻り転職組は、経験者なだけに何事も「できて当たり前」と思われてしまうことが多いものです。
仕事を成功させても「当たり前」と言われ、もしミスをしたら「経験者のくせに」と責められる。そんなことが続くうち、精神的にまいってしまう人もいます。
以前と同じように働いても、評価はより厳しいものになる可能性が高いのです。
デメリット4:次の転職がしづらい
上記のようなデメリットを肌で感じたときに、「やっぱり戻ってくるんじゃなかった。辞めたいな」と思うこともあるでしょう。
しかし二度目の退職宣言は、予想以上に言い出しにくいものとなります。
とくに社内の誰かの推薦で出戻り転職した場合、「その人との関係性が壊れてしまうのではないか」「迷惑をかけてしまうのではないか」と思い悩んで、なかなか言い出せないこともあります。
本当に続けていけるのか、他の選択肢を試すべきではないか、決断の前によく検討しましょう!
出戻り転職を成功させるポイント!意識したい4つのこと
出戻り転職を成功させるため意識したいのは、次の4つです。
ポイント1:退職理由を振り返る
一度は辞めた会社ですから、退職につながる不満や何かしらの原因があったはずです。それが解消されないままでは、出戻りしてもまた同じ問題で悩むことになります。
そうした環境下では、長く働き続けることは難しく、結局はまた同じ理由で「辞めたい」と感じることになるでしょう。
その会社を辞めた理由を冷静になって振り返り、問題が本当に解消できるかどうかを見直しましょう。
ポイント2:自己アピールを組み立てる
元職場であっても、再び採用してもらうためには適切な自己アピールが必要不可欠となります。
出戻り転職をする理由が「楽に転職できそうだから」「今の職場がイヤだから」といったものでは、いくら即戦力とは言っても、企業としてはちょっと採用したくないですよね。
せっかく出戻り転職するなら、以前の職場に対する思いや、他社で培った新たなスキルをアピールしたいところです。
※応募書類や面接での自己アピールの仕方については、後ほど詳しく解説します。
ポイント3:事前に根回ししておく
出戻り転職では、社内の人に推薦してもらう場合はもちろん、自分から求人に応募する場合も事前の根回しが重要です。
応募書類を送る前に、以前の上司や同僚に「今度求人に応募するつもりでいます。もし一緒に働けることになったら、またよろしくお願いします」という主旨の連絡を入れておきましょう。
また、書類の送付先や人事部に対しても、事前に「こうした理由で再びチャレンジさせていただきたい」という一報を入れておくことが大切です。
仲間や人事部に対して何も連絡をせず、いきなり応募した場合、不信感を持たれたり心証が悪くなったりする場合もあるので、後回しにせず必ず事前連絡をしましょう。
その場合はおそらく、他の会社への転職を考えたほうが建設的でしょう。
ポイント4:辞めてからの期間は短いほうがいい
出戻り転職を成功させるには、辞めてから戻るまでの期間も重要になってきます。
出戻り転職が成功しやすいのは、だいたい辞めてからの期間が3か月〜半年くらい。長くても1年以内くらいの時期です。
この時期であれば、まだ職場の雰囲気も大きく変わっていない可能性が高いですし、辞めた人の穴を新人では埋められず、人手不足になっていたりします。会社側から「ぜひ戻ってきてほしい」と誘いがかかりやすいのも、このくらいの時期です。
ケース・バイ・ケースではありますが、基本的には、辞めてからの期間が長くなればなるほど出戻り転職が成功する確率は低くなっていく、と考えましょう。
出戻り転職が成功する人の条件!満たせない場合は再検討も必要
出戻り転職を成功させて長く働き続けるためには、ある程度の条件を満たす必要があります。
- 円満退社だった
- 辞めたあとも上司や同僚と連絡をとっている
- 変化に柔軟に対応できる
- 謙虚な気持ちで働ける
- メンタルがある程度強い
辞めるときに円満退社したことと、辞めたあとも上司・同僚と良好な人間関係を築けていることは、出戻り転職成功の必須条件と言えます。
たとえば、人間関係で揉めて辞めたり、引き継ぎをちゃんとしないで突然辞めた……という人に対して、「また採用しよう」という企業は少ないでしょう。もし採用されたとしても、周囲から恨みを買っていれば、働きづらくなります。
変化に柔軟に対応でき、謙虚な気持ちで働けることも大切です。職場に新しいルールが生まれていたり、雰囲気が変わっていたりする場合もあります。
出戻りとは言っても「新しく入ってきた社員」として謙虚な気持ちで教えを請う姿勢が必要で、「以前はこうだったのに」とか「他の会社はもっと良かった」といった上から目線は厳禁です。
また、出戻り転職を快く思わない人はどんな職場にも必ずいますので、ある程度の陰口をスルーできるくらいのメンタルの強さも必要になってきます。
出戻り転職の面接・履歴書対策。ポイントは2つ
先方から「ぜひ来てくれ」と打診を受けることもありますが、自分から希望して出戻り転職するケースもあるでしょう。
その場合、応募書類や面接で大切なのは、志望動機を前向きに伝え、自己アピールを的確に行うことです。
「志望動機」のポイント
志望動機、つまり「戻りたい理由」は、できるだけポジティブなものを伝えましょう。今の職場に対する不満ではなく、元の職場の良さをよく分析してみてください。
×今の職場が合わない
×転職先が予想より大変だった
【志望動機のOK例】
◎他社に転職して、御社の他にはない良さにあらためて気づいた(どんな良さか具体的に説明)
◎希望の仕事を続ける上で、御社での環境が必要だと感じた(具体的な理由を添えて)
現状への不満をこぼしても、「うちでも同じように感じてまた辞めるのでは?」と思われ、印象が悪くなるだけです。
そうではなく、他ではできないことに注目して「だから御社で働きたいのだ」という熱意を伝えましょう。
「自己アピール」のポイント
自己アピールでは、転職先で積んだ経験やスキルアップしたことをもとに、元の職場に貢献できることを分析し、伝えましょう。
新卒応募のようなポテンシャル採用(=将来性を見込んでの採用)は、出戻り転職では通用しません。自分の都合ばかりではなく、現実にどのように職場の役に立てるのかを知ってもらう必要があります。
×会社への愛がある(→ならどうして辞めたの?と思われがち)
×知っている職場なので働きやすい(→自分の都合しか考えていない)
【自己アピールのOK例】
◎退職前のスキルがあるので、即戦力になれる
◎転職先での経験を活かして、より貢献できる
自己アピールは、自分の希望よりも「職場側のメリット」を分析して、分かりやすく伝えていきましょう。
出戻り転職が難しいケースはコレ。心機一転、転職活動を
残念ながら、出戻り転職には失敗のリスクもあります。
たとえば次のような場合、出戻り転職を成功させて職場に定着するのは難しいでしょう。
- 退職時に揉めた
- 人間関係にトラブルがあった
- 引き継ぎを充分にしなかった
- 繁忙期に辞めて迷惑をかけた
- 仕事で実績を築けなかった(ミスが多かったなど)
- 勤務した年数が少ない(目安は3年以下)
- 元上司や元同僚に「戻りたい」と言うのが気まずい
こうした状況下にある場合、出戻り転職で採用されるのは難しくなります。また、たとえ採用されたとしても長く働くことはほぼ不可能に近いでしょう。
このようなケースでは、出戻りではなく心機一転、新たな職場を求めて転職活動を行うほうがおすすめです。
転職エージェントとは、転職について気軽にプロに相談でき、サポートを受けられるサービスのこと。
一人では判断しづらいことも、客観的な視点でアドバイスしてもらえるので、転職の成功率が大幅にアップします。
出戻り転職は採用後の想定も大事。安易な決断は厳禁!
ただし同時に、「給与や待遇」「人間関係」が悪化するリスクや、「二度目の退職がしづらくなる」といったデメリットも存在します。
楽そうだからと安易に決断せず、他の選択肢も視野に入れてよく検討しましょう。
もしも出戻り転職を決意したなら、面接や履歴書で「志望動機」と「自己アピール」をしっかり伝えることが大切です。
働き始めた後も、成功するためのポイントをしっかり押さえ、謙虚な気持ちで職場に貢献していきましょう。
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