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歯科技工士の現状は?調査データから年収や労働時間などの実態を紹介

歯科技工士は、入れ歯や詰め物などを作る仕事です。

高度な正確性と専門的な知識・技術が必要な国家資格で、誰にでもできる仕事ではありません。

しかしインターネット上では、歯科技工士には低賃金や長時間労働などマイナス面が大きいという声も。

しかし、技術がモノを言う世界でもあるため、「その人のスキルなどによって状況は異なる」という意見もあるのです。

そこでこの記事では、歯科技工士を対象にした統計データから、実態を見ていくことにしました。ぜひ参考にしてくださいね。

元にしたデータは、いずれも2018年の(公財)日本歯科技工士会「歯科技工士実態調査報告書」と、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」、同じく厚労省「第4回 歯科技工士の養成・確保に関する検討会」の資料です。

歯科技工士の抱える仕事上の問題点とは?

日本歯科技工士会による実態調査によると、歯科技工士が仕事を続ける上で何が問題かを聞いたところ、次のような結果が出ています。

歯科技工士を続ける上での問題点
1位:低価格、低賃金・・・83.1%
2位:長時間労働・・・・・69.7%
3位:社会的地位の低さ・・50.8%
4位:歯科技工士不足・・・46.1%
5位:健康問題・・・・・・40.4%

また、転職・離職を考えるかどうかについては、「そう思う」と回答した人が全体の約30%。

その中でも、給与面を理由に離職や転職を考える人が75.3%、長時間労働を理由にする人が72.7%いました。将来性が理由だと答えた人も53.1%と高い結果です。

歯科技工士さんって、歯医者さんで働いているんですよね?
今は、自営でない人の約半数である50.9%が、歯科技工所で働いているんですよ。

歯科医院やクリニック、大学病院などの現場で働く人は約36%です。

歯科技工士の離職率が高い、という公的データはない

「歯科技工士は離職率が高い」という人もいますが、公的には歯科技工士独自の離職率を算出したデータはありません。

ただ、「歯科技工士免許の登録者数は年々増えているのに、歯科技工士として働いている人の数は減少傾向にある」という事実はあります。

厚生労働省による歯科技工士に関する検討会の資料「歯科技工士の勤務状況等」より、就業率の推移を見てみましょう。

歯科技工士免許登録者数と従事者数、就業率
免許登録者数 従事者数(就業率)
平成10年 85,669名 36,569名(42.7%)
平成16年 100,381名 35,668名(35.5%)
平成20年 108,406名 35,337名(32.6%)
平成24年 113,726名 34,613名(30.4%)
平成28年 118,271名 34,640名(29.3%)

平成28年の時点で、免許登録がしてあるのに歯科技工士の仕事に就いていない人が、約7割にのぼっていることがわかります。

また、このデータと共に注目しておきたいのが、年齢に関するデータです。

歯科技工士として働く人のうち、49歳未満の人は減っているのに対し、50歳以上の人は増えています。

平成16年の時点では50歳以上の割合が26.6%だったのが、平成28年では47.9%と大幅に増えているのです。

「歯科技工士は離職率が高い」かどうかを述べる根拠はありませんが、「若手の歯科技工士が不足している」というのは事実と言えますね。

歯科技工士の年収は低いって本当?自営と勤務の場合の比較も

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2018年の歯科技工士の平均月給は約303,800円です。

ボーナスなどを合わせたおよその年収は、410万円ほど。

ちなみに歯科衛生士の平均月給は約268,000円、およその年収は364万円です。

しかし日本歯科技工士会のデータで歯科技工士の年収の分布を見てみると、該当者が最も多いのは「200万円~300万円未満」のゾーンで18.6%でした。

次いで「300万円~400万円未満」が17.8%、「400万円~500万円」が13.5%です。

歯科技工士さんって、昇給はあるんでしょうか?
いえ、職場によりますね。前年度から昇給されなかった、という人も全体の42.5%います。

「(1回あるいは2回)昇給した」という人は39.6%で、「減給した」という人も3.3%いたんですよ。

また、ボーナスについても「支給された」という人は約60%で、職場によっては支給されないケースもあります。

ボーナスの金額も人によってバラバラ。「20万円未満」「30万円~40万円未満」「100万円~150万円未満」がそれぞれ約11%台と多めではあります。

歯科技工士は「自営業だと儲かる」という人もいますよね?それはどうなんですか?
自営なら必ず儲かる、というわけではないですよ。自営でも年収200万円未満の人もいれば1000万円以上だという人もいるんです。

でも年収600万円以上では自営でない人より自営の人の割合の方が多くなるので、全体的に高い傾向だとは言えますね。

自営とそうでない場合の年収分布の比較
年収ゾーン 自営 勤務
200万円未満 10.9% 11.5%
200万円~600万円未満 45.7% 67.3%
600万円~700万円未満 9.6% 5.7%
700万円~800万円未満 4.9% 2.9%
800万円~900万円未満 3.1% 1.6%
900万円~1000万円未満 1.0% 0.2%
900万円~1000万円未満 10.4% 1.4%
開業すれば、歯科技工士で年収1000万円も夢ではないんですね!
夢ではありませんが、簡単ではないですよ。年収200万円未満の人も同じくらいいることをお忘れなく。

歯科技工士は長時間労働って本当?自営と勤務の場合の比較も

日本歯科技工士会のデータから、1週間の労働時間を見てみましょう。

残業を含めた1週間の労働時間は、歯科技工士全体で平均59.6時間。

該当者が最も多いのは「51~60時間」で22.3%でした。

自営とそうでない場合を分けると、自営で該当者が最も多いのは「51~60時間」。自営でない場合は「41~50時間」が最も多く、「40時間以下」という人も24%います。

1週間で約60時間って言われても、多いのか少ないのかピンときません。
たとえば1週間に5日出勤するとしたら、1週間に60時間ということは1日あたり12時間働いていることになります。

法定労働時間の「1日8時間」を毎日4時間も超えていることになるんですよ。

休日出勤とかはないんですか?
自営でない人の場合、1年間休日出勤をしていない人が40.4%と多かったのですが、「1~9日」という人も27.5%でした。

自営の場合は、「10~19日」と答えた歯科技工士が最も多く、約15%です。

ちなみに1週間の労働日数は全体の平均で5.7日、自営業だと5.9日。自営業の歯科技工士は、ほぼ週休1日となっている現状です。

自営業は高い年収への期待ができる反面、労働時間もより長くなる傾向にあることがわかります。

歯科技工士の転職は職場選びが重要!気をつけるべきポイント

これまで紹介してきたデータから、歯科技工士には低賃金や長時間労働などの問題が実際にあることがわかりました。

また、ボーナスの支給の有無やその額には、職場によって大きな違いがあります。そのため、歯科技工士の転職には、職場選びが重要です。

次の点は必ず他の求人と見比べてください。

歯科技工士の転職チェックポイント
  • 保険診療と自由診療の割合
  • 給料の額、形態(歩合制、固定残業制など)
  • 休日(土日祝休み、週休2日制など)
  • 平均の残業時間(前年度の実績など)
  • 有給取得の実態
  • 賞与の有無、支給額
  • 退職金制度の有無
  • 福利厚生の内容
  • 教育・研修制度の有無
  • (人数が少ない場合)年金・保険の加入の有無
  • 技工士の人数、他スタッフの人数

給料が「歩合制」の場合、中には「完全歩合制」という職場もあります。

頑張りが給料に反映されるメリットはありますが、収入が安定しない、体調不良などの場合に収入が確保できないなどのおそれもあるので要注意です。

「固定残業制」は、あらかじめ想定される時間分の残業代が給料に含まれているということ。

何時間分、いくらの残業代が含まれているのかを確認しておきましょう。

少なくともその時間分の残業は必要となるだろう、という目安にもなります。

休日については、職場によって週に2日のところもあれば「祝日・その他」などはっきりしないところも。

長時間労働で休日もロクにない、なんてことのないよう、あらかじめ確認しておいてください。

ちなみに、単なる「週休2日制」は毎週2日休みがある制度ではありません。

毎週2日休みたいなら「完全週休2日制」のところを探しましょう。

歯科技工士の転職におすすめの転職サイト2つを紹介

上の章で説明した求人のチェックポイントを押さえるなら、医療業界に特化した転職サイトを利用するのがおすすめです。

医療業界に強い転職エージェントなら、求人探しが効率よくできるほか、より詳細な情報が手に入りやすいというメリットがあります。

歯科技工士におすすめの転職サイト
サイト名 特徴
ジョブメドレー ・医療・介護業界に特化
・スカウト機能あり
・LINEでの仕事探しも可能
グッピー ・医療・介護業界に特化
・スカウト機能あり
・適性診断ツールで自己分析ができる

どちらも、求人情報にあるボタンから技工所などに直接応募ができる転職サイトです。

会員登録しておくと、自分に合う求人のスカウトメールが届く可能性も。

転職サイトはいくつか併用して情報や選択肢を増やすのがおすすめなので、両方登録するのもおすすめです。

地方などで求人数が少ない場合は、大手の総合型転職サイトもチェックしてみてくださいね。

歯科技工士の現状を知った上で、転職先は吟味しよう

歯科技工士は、専門性や技術を要求される難しい仕事です。

その割に給与が良くなかったり、労働時間が長かったりと、仕事に不満を持つ人が多いのも現実。ただし、職場によって待遇や環境は大きく異なるのです。

転職を考えるなら、職場選びは慎重に。給料の額はもちろん、給与形態や休日、保険診療が多いか自由診療が多いかなど、業務に関わることはしっかり確認しておきましょう。

開業して1000万円以上の年収を稼ぐ歯科技工士もいる反面、200万未満の自営業者もいます。

開業してやっていけるような高いスキル、営業スキルなどを、若いうちから身につける努力は必須。

よりよい職場を見つけるには、医療業界の求人を専門に扱う転職サイトの利用もおすすめです。

※掲載の情報は、2019年12月現在のものです
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