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言語聴覚士(ST)のやりがいと不満、向き不向きや転職ポイント

言語聴覚士は、言語などのコミュニケーションが取りにくい人の回復・改善をサポートするリハビリの専門家のこと。

「ST(Speech Therapist/スピーチ・セラピストの略)」とも呼ばれ、病院や介護施設などを中心に活躍しています。

聞く、話す、読む、書くなどが上手くできない人のほか、食べ物が喉を通りにくいなどの「摂食・嚥下障害」に悩む人のサポートをするのが主な仕事です。

言語聴覚士は、高齢化社会が進む中、今後のニーズも高まると予想される仕事の1つ。その仕事にはどんなやりがいや苦労があるのでしょうか。

この記事では、現役あるいは経験者へのアンケートから、言語聴覚士の仕事について解説していきます。

やりがいや「辞めたい」と思う理由、気になる給料などについて紹介するのでぜひ読んでみてください。

言語聴覚士の仕事のやりがいは人の役に立つと実感できること

言語聴覚士は、言葉や食事などに問題を抱えた人に寄り添い、必要な助言や指導、訓練などのリハビリテーションを行う専門家です。

仕事のやりがいは、なんといっても悩んでいる人や困っている人の役に立てること。

当サイトで言語聴覚士にアンケートを取ったところ、主に次のときに「この仕事をしていてよかった」と思えるという回答が寄せられました。

言語聴覚士の仕事のやりがい、良かったこと
  • 支援や訓練の効果が出たこと
  • 患者や家族から感謝されること
  • 自分の知識や業務が看護・介護の質の向上につながったこと

中には、「あなたのところに来ると安心する」と言ってもらえた、という人や、子どもが日々変わっていく様子を日々見られることにやりがいを感じている人もいました。

一般的なサラリーマンだと、人に感謝されることなんてなかなかないし、人の役に立っている自覚は持てないのでうらやましいです。
言語聴覚士は、困っている人のすぐ近くで手助けができますからね。自分が人の役に立つことを肌で感じられる貴重なお仕事です。

しかし、やりがいのある一方で、「辞めたい」という不満も多いのが現状です。

言語聴覚士を「辞めたい」、その主な原因は任される業務内容

当サイトでは、「言語聴覚士を辞めたいと思っている人、またはすでに辞めた人」を対象にアンケートを行いました。

辞めたいと思った理由、辞めた理由について聞いたところ、寄せられたのが次のような意見です。

言語聴覚士を辞めたい、辞めた理由
  • 言語聴覚士の業務以外の仕事が多い
  • 思っていた仕事内容と違った
  • 仕事の意義を感じられない
  • 職場での存在意義がないと感じた
  • 国家資格なのに給料が安く、昇給も少ない
「言語聴覚士の業務以外の仕事」って、どんなことをさせられるんですか?
これは職場によりますが、回答者の中には、「回復期の病院でトイレの介助もしなくてはならなくて驚いた」「保育士のような仕事をしていた」という人がいました。
それって、介護や保育業界が人手不足だから仕方ない、ってことなんでしょうか。
ええ、そういうことでしょうね。

「業務外の仕事が多くて言語聴覚士としての専門性を活かせない」という理由で辞めてしまう人がいるのはもったいないこと。

しかしせっかく学んだ専門的な知識やスキルを活かせない職場では、真面目な人ほど仕事に誇りややりがいを見いだせなくなってしまうのもうなずけます。

また、言語聴覚士への勉強をしている段階では言語や音声障害などが業務のメインと考えている人も多いですが、実際には嚥下障害の領域で働く言語聴覚士も多いのです。

そのため、「イメージと違った」という人もいます。

確かさっきは「人の役に立つ」ことがやりがいだっていう話でしたよね?

「仕事の意義を感じられない」ってどういうことですか?

これも、職場やその人の考え方にもよるところがあるので、全員がそうとは言えません。

ただ、認知症や寝たきりの方も多く、そういった方への検査や判断、訓練が難しかったりする現状もあるんです。すぐに結果が出る方ばかりでもありませんしね。

また、「安物扱いされた」という意見もありました。言語聴覚士は国家資格として認定されたのが1997年と比較的新しいこともあり、中にはまだその業務に理解のない施設があったりもするのです。

「給料が安い」という意見もありました。これに関しては次の章で見ていきましょう。

言語聴覚士の給料、転職時の相場は手当込みで20万円~23万円

STの仕事って結構たいへんですよね?それなのに給料が安いんですか?
残念ながら、言語聴覚士の給料については公的な統計資料がないんです。

ここでは、インターネット上の求人情報から相場をお伝えしますね。

言語聴覚士の転職入社時の給料:正職員の場合

正職員の場合、言語聴覚士の転職入社時点での給料の相場は20万円~23万円といったところです。

基本給が16万円~20万円に言語聴覚士としての業務手当が2万円~4万円つくという形が多く、次のような金額で募集されていました。

言語聴覚士の給料(正職員の場合)
職場の種別 月給※
通所介護・デイサービス
(秋田)
200,000円~260,000円
デイサービス(東京) 185,000円~230,000円
介護老人保健施設(愛知) 236,000円~264,000円
総合病院(大阪) 236,000円~264,000円
介護老人保健施設(広島) 212,000円~269,000円
介護老人保健施設(香川) 210,000円~292,000円
総合病院(福岡) 216,000円~292,440円
※月給=基本給+通勤費を除く各種手当
※2020年1月掲載の求人情報より

病院や介護施設など、職場の種別による給料の大きな差は見られませんでした。

職場によっては、賞与についての記載がないところもありました。転職を考えるなら、月給の金額だけでなくボーナスの有無、各種手当の内容や残業代についての記載も確認する必要があります。

言語聴覚士の転職入社時の給料:アルバイト・パート職員の場合

パートなど非正規での採用の場合、時給1,500円~2,000円がおよその相場。

訪問看護リハビリステーションなどの求人では、「訪問先1件・1時間につき4,000円」「1件につき3,600円の歩合制」などの条件で募集する施設もいくつかありました。

アルバイトやパートの場合は手当や賞与などがないケースがほとんど。また、「週1回から勤務可能」といった求人も多く見られました。

週1回からでもよい職場なら、子育てや介護などでフルタイム勤務が無理な人にも働きやすいですね。

言語聴覚士に向いている人・いない人、それぞれの特徴

言語聴覚士(ST)は、誰にでも向いている仕事ではありません。向いている人はどんな人か、向いていないのはどんな人か、言語聴覚士へのアンケートの結果からそれぞれ見ていきましょう。

まずは「言語聴覚士に向いている人」の特徴から。

言語聴覚士に向いている人の特徴
  • コミュニケーション能力が高い
  • 教養とマナーが身についている
  • 根気強い
  • 献身的で思いやりがある
  • 安心・信頼される人柄である

言語聴覚士の仕事では、相手が目上の人となるケースが多いため、マナーや教養などがあると信頼してもらいやすくなります。

「根気強い」ことに関しては、次のような意見もありました。

待つことができる人。待つことが大切な仕事なため。(28才女性・児童発達支援・放課後等デイサービスを行う福祉施設)
どうして言語聴覚士の仕事は「待つことが大切」なんですか?
たとえば失語症の人には、無理に話すよう急かしたり、言いたいことを先回りして言ってしまったりせず、相手が自然に話すのを待つことも大切です。

発音がしづらい構音障害のこどもには、焦らず根気よくリハビリを続ける必要もあります。だから「待つ」ことが大切なんですよ。

さらにこんな意見も。

「打たれ強さ」は、患者からの苦情、拒否を受けたり、他職種との連携を行ったりするのに最も必要な資質だと思う。(43歳男性・療養型病院)
言語聴覚士は患者さんのためのリハビリを行うのに、拒否されてしまうこともあるんですか?
ええ。残念ながら、リハビリの効果がすぐに出なかったり、出にくい人もいます。

そうして悲観的になってしまったり、訓練を受けることでプライドを傷つけられたりする人も多いんですよ。

逆に「言語聴覚士(ST)に向いていない人」について見てみましょう。

言語聴覚士に向いていない人
  • コミュニケーション能力が低い人
  • せっかちな人、短気な人
  • 思いやりのない人
  • 責任感のない人
  • 書類の整理や提出期限の遵守ができない人
  • 優しすぎる人

「思いやりがない」「責任感がない」ことに関しては、具体的に「効果が出ないことを患者や他の関係者のせいにする人」や「患者の気持ちより自分の評価が気になる人」といった意見も上がりました。

「優しすぎる人」はどうしてダメなんですか?

言語聴覚士には思いやりや献身的な姿勢が大切なんですよね?

ええ。ただ、優しすぎる人は患者さんに感情移入しすぎたり、拒否や苦情などを真面目に受け取りすぎて辛くなってしまったりします。

言語聴覚士の仕事を続ける上では、ある程度の距離を取って接したり、受け流したりすることも必要なんですよ。

言語聴覚士の転職で気をつけるべき「職場選び」のポイント

言語聴覚士の仕事は、やりがいのある仕事である反面、業務範囲など職場によって「辞めたい」と思ってしまう人も多いことがアンケートからわかったことはすでにお伝えしました。

つまり、言語聴覚士の転職には職場選びが重要なポイントになるということです。

具体的にどのような業務を任されるのか、仕事の範囲を具体的に聞いておくことをおすすめします。

はじめの章で紹介したように、中には介護や保育など、通常は言語聴覚士としての業務範疇にないと思う仕事がメインとなることも。

そうなると、続けるうちに言語聴覚士としての存在意義ややりがいを見いだせなくなってしまう可能性があるからです。

アンケートでは、言語聴覚士の求人探しや転職のポイントについて聞いたところ、次のような回答が得られました。

言語聴覚士の求人チェックポイント
  • 給与面、特に昇給の有無や額など
  • 職場の雰囲気、どんな人が働いているか
  • 同じ職場で働く他職種の種類と関係性
  • 残業の有無、サービス残業の有無と時間
  • 休日、休日出勤の必要性など
  • 福利厚生が充実しているか
  • 離職率が高くないか、常に募集をしていないか
  • 言語聴覚士の業務に必要な施設が備品は整っているか

求人情報でわからないことは、電話で聞いてみるのも1つの方法です。

回答の中には、「施設を必ず見学する。働く人の様子をよく観察すると人間関係が見えてくる」という意見も。

足を踏み入れただけでわかる空気感、雰囲気もありますし、スタッフや利用者の表情や会話から、関係性がわかることもあります。

残業についても、あるかどうか、あるなら時間はどれくらいかなどを必ず確認しておきましょう。

待遇面に関しては、なかなか聞きにくいですよね。しかしサービス残業が横行する職場もあるため、確認しておかないと転職後に後悔しかねません。

転職先はみんなどうやって探すんですか?
今回のアンケートでは、転職サイトを利用した人もいれば、知人の紹介で転職した、という人もいました。

地域によっては、求人が少なく、自分で施設などに問い合わせたほうが早いという背景もあるようです。

ただ、求人情報は多数を見比べて情報収集するのがおすすめ。職場選びが働きやすさを大きく左右するので、職場は慎重に選んでください。

自分では聞きにくいことを施設に聞いてもらいたい、自己PRなどが不得意でアドバイスをもらいたい、という人は、転職エージェントを利用するのが便利ですよ。

次に紹介する転職サイト・エージェントは、いずれも医療・介護業界に特化しているので、効率よく職場が探せます。

言語聴覚士におすすめの転職サイト
サイト名 主な特徴
ジョブメドレー ・施設に直接応募
・スカウト機能あり
マイナビコメディカル ・医療機関や福祉施設に精通したキャリアアドバイザーがサポート
・転職後の悩みもお客様相談室でフォロー
PT/OT人材バンク ・リハビリ職専門のキャリアパートナーがサポート

「ジョブメドレー」は、求人情報を検索して応募できる転職サイト。「マイナビコメディカル」と「PT/OT人材バンク」は、アドバイザーが職場との間に入ってサポートしてくれる転職エージェントです。

地方などで求人が少ない場合は、大手の総合型転職サイトでもチェックしてみましょう。

言語聴覚士の転職先選びはスキルを活かせる職場かどうかかカギ

言語聴覚士は、患者に寄り添い、根気強く向き合っていくのが仕事です。

言語や食事に関する悩みを少しずつでも回復するサポートができることはやりがいにつながります。ただ効果は人によって異なり、なかなかうまく行かないことも。

また、職場では介護などの業務が多かったり、学んできたことを活かせなかったりするケースもあるので、職場選びは慎重に行う必要があります。

職場によっては給料が安い、という不満もあるので、求人探しには給与面のチェックも重要です。しかしそれ以外の業務内容や待遇など、細かいところも必ずチェックしておきましょう。

転職前に見学したり、転職エージェントを使ったりして、疑問点を事前に解消しておくのがおすすめです。

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