コールセンターを辞めたいと悩んでいる人に!経験者が教える対処法
コールセンターの仕事は、正社員でも派遣やパートでも比較的給料が高く、しかも未経験でOKと挑戦しやすいのが特徴。労働時間に融通もききやすいことから、転職を考える人も多いのではないでしょうか。
しかし実際にコールセンターで働く人の中には、「辞めたい」と思う人も少なくありません。
特に入社後1年以内に辞めてしまうオペレーターが多いことが問題となっています。
コールセンターを辞めたいと思う理由はいったい何なのでしょうか。コールセンターでの業務経験のある筆者が、その理由や対処法を解説していきます。
コールセンターを辞めたいと思っている人も、コールセンターへの転職を考えている人も、ぜひ読んでみてください。
コールセンターを辞めたくなる7つの理由とは
「コールセンターを辞めたい」と多くの人が感じる理由、つまり離職理由には大きく分けて7つあります。それぞれ見ていきましょう。
精神的ストレスが離職理由の圧倒的1位
コールセンターで働く人のほとんどが感じているのが、「精神的なストレスや苦痛」です。
仕事にストレスやプレッシャーはつきものとは言え、他の仕事では、それ以外の業務などで気が紛れたりすることもありますよね。しかしコールセンターの場合は、そのストレスが始終つきまとうのです。
コールセンターで働く人は、次のようなことでストレスを感じています。
- 通話相手からの理不尽なクレームや暴言
- 鳴り止むことのないコール音や人の話し声
- 時間と対応、その両方に追われるプレッシャー
- ビジネス、サービスを徹底した会話への重圧
最も多いのは通話相手、つまり顧客からの理不尽なクレームや暴言です。
運が悪いと、そうした「理不尽なクレームや罵倒」を連続して受け持つなどの日もあり「次はどんな電話だろう」と常に身構えておかなくてはならないため、非常に神経をすり減らします。
その精神的ストレスが週に5日以上、1日8時間以上続くということもあるのです。気持ちの切り替えがうまく行かず、突然に自律神経失調症やうつ病を発症してしまうという人も珍しくありません。
物理的な身体ストレスも少なくない
コールセンターの仕事では、体をまったく動かさないと言っても過言ではありません。じゃあ楽だろう、とイメージされがちですが、これはある意味ではとてもつらい状態です。
- 休憩時間以外はほぼ座りっぱなし
- 状況によってはトイレに立つ時間も取れない
- 耳には常にインカムをつけ受話音を聞いている
- 常に電話で話をし続けている
先に述べた精神的ストレスにこうした肉体的ストレスが加わって、体の不調が雪だるま式に出てくるケースも多いのです。
ノルマが厳しい、営業がつらい
アウトバウンドタイプのコールセンターの場合、ノルマが課せられることがあります。
- 営業訪問するアポイントメント:1日◯件
- 商品の受注契約:1週間に◯件
- 通話数:1日◯件以上
こうしたノルマは自分で決めて上司に報告する会社もあれば、あらかじめ部署内で決定されている場合もあります。
しかし達成できないと再教育として上司や先輩からの指導を受けたり、小言や嫌味を言われてしまうことに。
また、ノルマを達成できないことでモチベーションが下がり、「自分はこの仕事に向いていないのでは」とコールセンターの仕事への適性に疑問を感じてしまう人も多いのです。
コールや雑務が多すぎて残業ばかりになってしまう
コールセンターの仕事は基本的に、インバウンドでもアウトバウンドでも朝から晩まで忙しいところが多いです。
オペレーターは常にふさがっている状態で、モニターには「現在10人以上が通話待ち」などと表示されていました。
そのため、受付終了時間ギリギリまで電話を取り続けなくてはならず、受付終了後には雑務も行わねばならないため連日残業、という時期もありました。「残業ゼロ」を期待して働き始めると、そのギャップに疲れてしまう可能性も高いです。
閉鎖的空間によって人間関係が辛くなってくる
コールセンターは、だいたいどこも閉鎖的です。
顧客の住所や電話番号などを取り扱いますし、企業によってはカード番号の情報なども確認します。また、金銭の絡む商談を行うことも。
そのため大抵はワンフロア、あるいは一角に鍵付きの仕切りがあり、外部への出入りも制限されます。
そうした狭い環境内で、連日クレームなどの疲労に晒されたメンバーが集っている状態。どうしても人の粗が見えやすくなってしまい、ギスギスしたり、いじめやパワハラなどが発生しやすい空間ができてしまいます。
やりがいがない、キャリアアップできない
コールセンターの仕事は、一部を除けばだいたいルーティーンワークです。
- 始業前の朝礼や準備
- 受付開始(1通話5分程度、1時間10本程度)
- 昼休憩
- 午後の受付開始(通話ペースは同じ)
- 受付終了後、PC作業や事務作業
担当業務によっては、1日80〜100人ほどを相手にずっと同じ話や説明を繰り返す必要があります。
この「ずっと同じ会話」や「変化のない仕事内容」にやりがいを見いだせず苦痛を感じる人も少なくありません。
また、このような変化に乏しい仕事のため、能力的な評価もされにくいという一面も。アウトバウンドなどで成果に合わせたインセンティブがある場合などを除き、昇格や給与アップのチャンスが少ないのです。
そもそも会社や商品に疑問を感じてしまった
また、これもコールセンター経験者にはよくある問題なのですが、自社の取り扱う商品やサービスに疑問を感じてしまうことも辞めたくなる理由の1つ。
「うさんくさい化粧品のキャッチコピーをずっと言わされている」
「ノルマ達成のコツ、とかなり強引なセールストークを強要される」
「自分が電話を受ける側だったら嫌な気持ちになる」
このように自分の正義感や倫理観、ポリシーに反することを受け入れられず、仕事を辞めたいと思うようになるのです。
仕事だと割り切ることや、1歩引いた目で仕事の正当性を理解する努力、自衛する努力も必要です。
辞めたい、と悩んでいる人に試してほしい解決策
コールセンターを辞めたいと思う理由は人それぞれですが、だからといってすぐには仕事を辞められない、辞めたくない、という人も多いですよね。
ここでは、辞めたいと思う理由別の解決案・対処法を紹介していきます。
人間関係や職場環境に問題があるならまずは相談を
職場環境や人間関係で困っている、悩んでいる、不安がある、という場合は、一人で悩まず誰かに相談を打ち明けることが最も確実で早い解決方法です。
友人や家族に打ち明けても、一時的なストレス解消はできますが根本的な解決は見込めません。解決に向けて動くには、第三者機関への相談がおすすめです。
相談箇所 | 相談できる内容 |
---|---|
労働基準監督署 | 就労状況や雇用状況の改善など |
総合労働相談コーナー | いじめやパワハラなどの労働相談も |
こころほっとライン | メンタルヘルスや過重労働による健康不安 |
問題を大きくしたくない、という人は、社内の相談窓口を利用しましょう。そうした環境もない場合には人事課、労務課、産業医などに相談できないかを確認してみてください。
ノルマや仕事量などはスーパーバイザーに掛け合う
ノルマが厳しい、仕事量を時間内にはこなせない、といった業務量に関する悩みは、まずチーム内か部署内にいるスーパーバイザーに相談しましょう。
コールセンターのスーパーバイザーは、労働状態の管理やスタッフと上層部の架け橋になるために存在しています。基本的にはスタッフ側の立場に立つ人が多いです。
絶対にこなせないノルマで苦しんでいるのなら、「目標が◯件なら頑張れる」など具体的に自分が目指せる現実的なノルマや仕事量を提案して相談するのがおすすめです。
コールセンターでは離職率の高さが問題となっているくらいですから、会社側が譲歩したり改善策を考えてくれる可能性も高いです。
相談や提案をしても何も変わらない、一切聞く耳を持たないという職場だとわかったら、転職を視野に入れる、という方向にも動くことができます。
キャリアアップをしたいなら資格などでPRを
「給料をもっと上げたい」「オペレーターからキャリアアップをしたい」と思っている人は、実際に「どんなポジションに行きたいか」の明確なビジョンを持ちましょう。
コールセンターの役職にはこのようなポジションがあります。
- チーム長(リーダー)
- スーパーバイザー
- マネージャー
- センター長
- 指導役(話し方講師のようなポジション)
※役職者の配置、呼び方などは企業により異なります
行きたいポジションを明確にしたら、そのためにはどんな知識や能力が必要なのかを考えてみてください。
商品知識、話し方、語学力、PCスキル・・・。自分に足りないものが何なのかを洗い出してみましょう。率直に「そのポジションの人」に相談するのもおすすめです。
目標を設定し、それに向けて準備をするということが、仕事へのモチベーションになります。
そして、準備をしている、モチベーションが高まっている人のことは、上長にあたる人たちも必ず気がつくもの。まずはやる気を見せるのが、昇格への第一歩です。
心や体の不調があるなら休暇を取ることも必要
ここまでの対処法は、心にも体にも特に不調は感じていないという人向けでした。
それは心と体が限界、あるいは一歩手前のSOSを出している状態です。
不調を感じたら休む。
これは私たち働く人間にとって基本的なルールです。体を壊したら心も壊れやすくなりますし、その逆ももちろん言えます。何より自分の体を大事にしてあげましょう。
何をしてもだめ、あるいは何もしたくないほど疲れている時は
こうした解決策や対処法を実践してみたけど解決しなかったり、あるいはもう疲れ切ってしまいこうした対処をすることさえできない、という人もいるかもしれませんね。
その場合は、思い切って退職・転職をするのもおすすめです。
体を壊してしまえば、次の仕事を見つけるにも時間がかかってしまうことになりかねません。
体を壊してしまってからでは遅いんです。自分を守れるのは自分だけです。
コールセンターは「未経験でもできる」「服装規定もそれほど厳しくない」「短時間シフトもOK」といった好条件に加えて給与も比較的高額。そのため希望者も多いのです。
コールセンターを辞めたいけど、この経験は活かせるの?
コールセンターの経験はつぶしがきかない、つまり他の職業では活かせない、という人もいますが、活かすも殺すも自分次第です。
どういったポイントを活かせるか、チェックしてみましょう。
コールセンターでの職歴は意外と評価されるところもある
コールセンターの業務は「カスタマー(顧客)への接客」と似ています。
そのため、同業はもちろん、接客をメインにした職業なら大抵は歓迎されます。
- コールセンター業務
- 事務
- 接客
- 営業
コールセンターの経験で培った「会話術」「発声技術」はどんな接客にも有効です。
また、コールセンターにはPCを取り扱う現場が多いため、OA能力も身につきます。電話を受けながら入力したりするため、タイピングスキルも飛躍的に伸びます。そこをアピールすれば、事務職への転職にも効果的です。
スキルなどを取得している場合は積極的にPR
コールセンターの勤務だけなら特に資格はいりませんが、資格はスキルや知識の証明となります。また、別のコールセンターへの転職を考えるなら、コールセンターを極めるつもりで挑戦するのもおすすめです。
資格名 | 概要 |
---|---|
コンタクトセンター検定 | 一般から管理レベルまで各段階に合わせた民間資格検定 |
ビジネス電話検定 | ビジネス電話のスキルアップに役立つ検定 |
MOS | WordやExcelといったOffice系のソフトを駆使できることを証明する検定 |
コールセンター以外の仕事に転職するなら、取り扱う商品に関する知識を深めるための専任資格を取るのもよいでしょう。
保険会社のコールセンターなら保険知識を証明できる資格があれば、保険会社でコールセンター以外の業務に就く、保険代理店に転職するといった選択肢も増えます。
コールセンターを辞めたいと感じたら意地をはらずに素直に考えよう
解決できそうな問題なら、まずは対策を講じてみましょう。誰かに相談できるなら、それが最も早い解決方法です。
しかし、それでもどうにもならない、もう頑張れないということはあります。
その場合は自分を責めるのではなく、退職も視野に「自分はどうしたいか」「どんな仕事がしたいのか」考えてみましょう。
転職し、コールセンターの経験を他の職場で活かすこともできるのです。
難しく考えたり、意地を張ってしまったりすると心身に不調が出たり、「働く」こと自体が嫌になったりしてしまいがち。
きちんと自分の問題に目を向けて、結果として必要だと思えば円満な退職ができるよう努力するのも、前向きな解決策です。
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