介護のおすすめ資格!給料に差がつく4大資格や取得支援制度を紹介
介護の仕事をするにあたって、「資格が必要なのか」「どの資格を取ればいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
介護の資格がなくても、介護の仕事に就くことは可能です。
しかし介護の資格がある方が、給料に手当がついたり、キャリアアップに役立ったりするほか、利用者からの信頼も高まります。
この記事では、給料に差がつく介護の4大資格と、その他おすすめの介護系資格を紹介。
資格を取るなら知っておきたい補助金などの制度についても説明します。
【介護の資格 王道編】 給料に差がつく!取っておきたい4大資格
介護の求人情報などでよく目にする資格は、主に4つあります。
次の4つの資格を持っていると、「資格手当が付く」「基本給が高くなる」など、給料に差が付く介護施設が多く、優遇されるのです。
下へ行くほど、取得の難易度や給与の額が高くなります。
資格手当が出ない施設や、基本給で差をつけている施設もあるので、求人を探すときには注意して見てください。
では、それぞれの資格の取得方法を見ていきましょう。
介護職員初任者研修は「旧ホームヘルパー2級」に代わる基礎的な資格
「介護職員初任者研修」は、平成24年まであった訪問介護員のための「訪問介護員養成研修2級課程(ホームヘルパー2級)」に代わるものです。
介護職員初任者研修では、訪問介護・施設介護に限らない、介護の基本的な知識・技術を身に付けられます。
研修内容 | ・介護の基本 ・介護におけるコミュニケーション技術 ・老化への理解 など全10科目 |
---|---|
研修時間 | 合計130時間※+筆記試験(約1時間) |
約1カ月の短期集中で行うところもあれば、約半年をかけるところもあるんです。
特別養護老人ホームなどで実務経験があれば、その職務内容や経験年数によって研修の一部を免除されることがあります。
看護師などの資格がある場合も、介護職員初任者研修を免除される可能性が高いです。
ただし、都道府県によって対象となる資格や条件が異なります。
熊本県では、看護師・准看護師・助産師・保健師が対象で、研修免除には訪問看護事業所での職場研修と研修レポートの提出が必要です。
実務者研修は『旧ホームヘルパー1級』に代わる発展的な資格
実務者研修は、以前「ホームヘルパー1級」「介護職員基礎研修」と呼ばれていた研修を一本化したもの。
実務者研修は、介護福祉士になるための受験資格の一部でもあります。
介護の知識や技術を身に付けるほか、介護の質を高めたり、課題を把握したりするための勉強をします。
研修内容 | ・社会福祉制度(介護保険など) ・医療の知識 ・介護技術 など20科目 |
---|---|
研修時間 | 450時間以上(原則6カ月以上) |
ホームヘルパー研修や初任者研修を受講済であれば、研修の一部が免除されます。
サ責とは、訪問介護計画を作ったり、ヘルパーを管理・指導したりする人のこと。訪問介護の現場では、利用者の数によって1人以上のサ責が必須。そのため需要も高いのです。
『介護福祉士』の資格を取るには主に3つのルートがある
「介護」と名のつく資格はいろいろある中、介護福祉士は唯一の国家資格。持っていると、初任者研修や実務者研修よりさらに、就職・転職に有利です。
ただし介護福祉士の資格を取るには、まず国家試験の受験資格を得なければなりません。
介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、主に「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」の3つの方法があります。
ルート(必要時間数) | 受験資格(概要) |
---|---|
養成施設ルート (240時間) |
次のうちいずれか ・介護福祉士養成施設(2年~4年)を卒業 ・福祉系の大学や保育士、社会福祉士養成施設などを卒業 |
実務経験ルート (450時間) |
次の両方が必要 ・実務経験(従業期間3年以上かつ従事日数540日以上) ・専門学校などでの「実務者研修(450時間)」 |
福祉系高校ルート (およそ1,855時間) |
次のうちいずれか ・福祉系高校(新カリキュラム)を卒業 ・特例高校を卒業+「実務経験※」(+介護技術講習) ※従業期間9カ月以上かつ従事日数135日以上
|
いずれかのルートで国家試験の受験資格を得て、筆記試験を受けます。特例高校等卒業で「介護技術講習」を受けていない人は、さらに実技試験も必要です。
養成施設ルートと実務経験ルート、福祉系高校ルートの特例高校卒業で介護技術講習を受けた場合は、実技試験が免除されます。
職場の理解や休暇の取得も必要なので、働きながら資格を取るなら実務経験ルートがおすすめです。
国家試験に合格したら、介護福祉士として働くため、厚労省の指定機関である「試験センター」に登録する必要があります。
受験した人は20代~40代の人が多いですが、20歳以下や60歳以上など、幅広い年齢層の人が挑戦しています。
介護福祉士の給料については、次の記事で解説しています。
介護職の仕事内容については、次の記事をお読みください。
『介護支援専門員(ケアマネジャー)』は適切な介護サービスに欠かせない
「ケアマネジャー(介護支援専門員)」とは、介護サービスを受ける人やその家族の相談に乗ったり、最適な介護のプラン(ケアプラン)を作ったりする人のこと。
介護サービスを提供する施設や市町村などとの連絡・調整も、ケアマネージャーが行います。
そのため介護未経験ではケアマネジャーになれず、保健や医療、福祉分野での業務経験が必要です。
ケアマネジャーになるための要件は、平成30年度より変更となりました。要件と資格取得のステップは、次のとおりです。
- 5年以上の業務経験を積む
- 介護支援専門員実務研修受講試験を受ける
- 介護支援専門員実務研修を受ける
- 介護支援専門員証を交付してもらう
「5年以上の業務経験」には、次のいずれかが該当します。
- 国家資格(※1)を持ち、その資格の業務で5年かつ900日以上の経験がある
- 相談援助業務(※2)で5年以上かつ900日以上の経験がある
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士
生活相談員/支援相談員/相談支援専門員/主任相談支援員 のいずれか
平成29年の第20回試験では合格者の約70%、過去20回の合計では約40%を介護福祉士が占めています。
実務研修は87時間以上。都道府県により異なりますが、半年くらいの間で10~20日間程度の研修を受けます。
試験に合格後、ケアマネとして働くには専門員証の取得が必要です。
また、ケアマネには5年間という有効期限も。継続には、期限が切れる前に「介護支援専門員更新研修」を受ける必要があります。
【介護の資格 状況別】介護職の初心者/スキル&キャリアアップ
これまで紹介した以外にも、介護職におすすめの資格はあります。次の3つに分けて紹介するので、興味のある項目をタップして説明に進んでください。
介護職初心者におすすめ!新たな資格『生活援助従事者研修』
「生活援助従事者研修」は、旧ホームヘルパーが初任者研修に移行された後、平成30年に新しく作られた資格です。
生活援助とは、調理や掃除、洗濯や買い物など日常生活のサポートのこと。
さほど高度な介護知識の必要はなく、研修期間も59時間と比較的短いため、誰でも取得しやすいのです。
介護のキャリアアップには上位資格の取得がおすすめ
介護福祉士やケアマネの資格を取ってキャリアを積んだ人には、それぞれの上位資格を取得してスキルアップするのがおすすめ。
介護福祉士には「認定介護福祉士」、ケアマネには「主任介護支援専門員」という上位資格があります。
キャリアアップに役立つほか、資格手当による給料アップの可能性も期待できます。
ただしどちらも、講習を受けるには一定期間以上の実務経験や十分な知識が必要です。
それぞれの受講要件などは次の表のとおり。
資格名 | 研修・受講要件(概要) |
---|---|
認定介護福祉士 | 「認定介護士養成研修」Ⅰ類およびⅡ類(計600時間)
【受講要件】 |
主任介護支援専門員 | 「主任介護支援専門員研修」(70時間以上)
【受講対象】 【受講要件】 |
主任介護支援専門員には、5年の有効期限があります。更新には、46時間以上の更新研修を受けることが必要です。
介護には仕事の幅を広げるさまざまな資格がある
介護に関する資格は、これまで紹介した以外にもさまざまな種類があります。
介護福祉士やケアマネなど以外で、介護に活かせる資格を5つピックアップしました。
いずれも講習などを受けた後、筆記試験などにより認定される資格です。
資格名 | 仕事内容 |
---|---|
福祉用具専門相談員 | 利用者の状態や環境に合わせた福祉用具(車椅子やベッド等)の選択や調整、点検などを行う |
介護予防指導士 | 筋力訓練や栄養ケアなど、介護予防の指導を行う |
認知症ケア専門士 | 認知症に関する高い知識と技術のある人を認定する資格 |
レクリエーション介護士(1・2級) | レクリエーションを通じ、高齢者が生活に喜びや楽しみを感じられるようサポートする |
介護食士 (1~3級) |
要介護者向けの食事を提供する |
レクで高齢者を笑顔にできますし、ボランティアとしても活躍できます。
ただし学科講習や調理実習などをこなして、試験に合格してくださいね。
リハビリや介護事務の仕事については「★理学療法士、作業療法士、言語聴覚士についての記事(リンク予定)」「★介護事務の記事(リンク予定)」で説明しています。
介護の仕事を探すなら、介護に特化した転職サイトやエージェントを利用するのがおすすめです。
持っている資格から求人を絞り込めるほか、詳しい情報が入手しやすく、効率よい転職活動ができます。次の記事を参考にしてくださいね。
地域によって、介護専門サイトでは求人の取扱がない場合など、選択肢を増やすなら大手総合型の転職サイト・エージェントも利用しましょう。
介護の資格を取るなら必見!政府による介護資格取得の支援制度
介護人材の確保は、国にとって大きな課題。資格取得には時間や労力だけでなく費用もかかるため、政府によるサポート制度があります。
すでに介護系の資格を持つ人に、別の資格の受講料を少し安く設定しているのもその一環。
介護職員初任者研修を受講した人なら、これが130,000円(税別)で受けられるのです。
また介護に関する職業訓練や資格を取るための資金の貸付制度、給付金制度もあります。
国や都道府県などによる主な支援内容は次のとおり。
支援メニュー (カッコ内は担当部署) |
支援・助成内容 |
---|---|
介護福祉士修学資金等貸付制度※1 (都道府県・市町村など) |
介護福祉士養成施設にかかる次の資金の貸付
・修学金:上限5万円/月 |
公共職業訓練 介護労働講習 (ハローワーク) |
次の資格の職業訓練が無料
・介護福祉士 |
求職者支援制度 (ハローワーク) |
介護職員初任者研修や実務者研修などを含む職業訓練が無料 |
教育訓練給付制度 (ハローワーク) |
次の教育訓練を修了した場合、入学金、受講料の20%(上限10万円)までの支給
【一般教育訓練】 【専門実践教育訓練】 |
高等職業訓練促進給付金等事業 (都道府県・市町村など※2) |
20歳未満の子を扶養するひとり親が、介護福祉士の養成機関で1年以上学ぶ場合に給付
・月額(上限3年):70,500円または100,000円 ・全課程修了後:25,000円または50,000円 |
※2:求職者支援制度が優先
対象者や要件などの詳細を確認し、利用できる制度があればぜひ活用しましょう。
都道府県や市町村によっては、この他にも介護人材育成のための独自の補助金や資金貸付の制度があります。
名古屋市では、介護事業所が従業員の受験料や研修費用を負担した場合、経費の4分の3(上限20万円)を市が助成する制度があるのです。
資格取得のための支援制度は、行われていない地域もあります。
また、地域や年度によって細かな適用条件が異なるので、自分が対象となるかどうかは役所の公式サイトなどで必ず確認してください。
介護の資格をいろいろ取ってスキル&キャリアアップしよう
資格がない人でも介護の仕事に就くことはできますが、今後は政府の方針により、介護福祉士などの資格を持つ人がより重要視される傾向に。
特に介護福祉士や主任介護支援専門員といった主要な資格を持っていれば、給料にも差が付きます。
また、さらなるスキルアップを目指せる上位資格や、仕事の幅を広げてキャリアアップできるさまざまな資格の取得もおすすめです。
いろいろな資格を取れば、知識や技術向上、給料アップなど自分のためだけではなく、介護サービスを利用する人にも大きな安心や信頼感を与えられますよ。
- DODA 第二新卒歓迎!働きながら業界トップレベルの技術を学ぶモノづくりエンジニア募集
- リクナビNEXT 約8割が未経験からのスタート!大手商社でグローバルに活躍できる人材を募集中!
- マイナビ転職 女性の働きやすさ抜群!有給消化率98%の有名メーカーで事務スタッフを募集中
- エン転職 フレックス制で自由な社風!未経験者OK!平日夜・土日面接OK
- @type 残業月20h未満/年休125日/定着率95%【入社祝金アリ】