助産師の気になる仕事内容とは?やりがい・大変なことなどを解説
助産師は「妊娠から出産までを健康に行えるようにサポートする人」です。
「出産に立ち会って赤ちゃんを取りあげる人」というイメージが強いですが、実際の仕事内容はそれだけではありません。
助産師の仕事は「妊娠時の健康管理から出産後のケア、育児指導まで、母子の健康を守るためのサポートを幅広く行う」ことです。
この記事では助産師のおもな仕事内容ややりがい、大変なことなどを紹介します。
看護師との仕事内容の違いも説明しますので、ぜひ参考にしてください。
助産師の仕事内容を『妊娠期』~『乳児期』の時期ごとに紹介
助産師の仕事内容は、患者さんの妊娠時期や赤ちゃんの成長期によって、異なります。
患者さんの「妊娠期」「分娩期」「産褥期(さんじょくき)」という時期と、赤ちゃんの「新生児/乳児期(0歳~3歳)」という時期で分けられるのです。
「妊娠期」~「乳児期」までの助産師の仕事内容を、具体的に見ていきましょう。
【助産師の仕事内容1】患者が「妊娠期」のとき
患者さんが「妊娠期」であるときの、助産師のおもな仕事内容を紹介しますね。
- 妊婦の健康状態を把握
- 胎児の健康状態を把握
- 食事や運動の指導
- 悩み相談への対応
妊婦検診では、エコーで赤ちゃんが元気に育っているか確認したり、妊婦の体に異常が起こっていないかを確かめるため、触診や聴診を行ったりします。
また、妊娠中の悩みや相談に対応することで、妊婦の精神的なケアもしますよ。
赤ちゃんが無事に生まれてくるよう、母子の健康を管理することが妊娠期における助産師の仕事内容なのです。
【助産師の仕事内容2】患者が「分娩期」のとき
患者さんが「分娩期」であるときの、助産師のおもな仕事内容を見てみましょう。
- 出産の準備
- 出産の介助
いよいよお産が始まるときを「分娩期」といいますよ。助産師は出産中も、赤ちゃんが元気に生まれてくるようにフォローするのです。
助産師は患者さんが分娩期に入ったら、母子の体に異常がないかを確認して、お産の準備を進めます。
分娩の進行具合を見ながら、産婦のケアも同時に実施。
分娩期の患者さんが安全に出産できるよう、患者さんの心身を支えることが助産師の仕事内容なのです。
【助産師の仕事内容3】患者が「産褥期」のとき
患者さんが「産褥期(さんじょくき)」であるときの、助産師の仕事内容も見てみましょう。
出産後、通常6~8週間までを産褥期といいます。
患者さんが「産褥期」であるときの、助産師の仕事内容は次のとおりです。
- 母子の体調管理
- 育児指導
- 赤ちゃんのお世話
出産後は母体の状態を観察しながら、産婦に赤ちゃんのお世話の仕方を教えます。
出産後の患者さんが心身ともに回復するよう、助産師は母体の状態観察も怠りません。
また、初めて出産した女性は、育児に関して分からないことが多いので、母乳の与え方やおむつの替え方などを指導するのです。
退院後は「1カ月検診」で母子の様子を診つつ、育児の悩みや相談に応じますよ。
【助産師の仕事内容4】赤ちゃんが「新生児/乳児期」のとき
最後に、赤ちゃんが「新生児/乳児期(0歳~3歳)」であるときの、助産師の仕事内容を紹介します。
- 赤ちゃんの心身状態を観察
- 赤ちゃんの健康ケア
赤ちゃんの異常に早く気づけば、重症化する前に適切な処置やケアができますからね。
助産師が赤ちゃんを観察するポイントは、「妊娠や分娩による影響を受けていないか」「母体の外に適応しているかどうか」など。
赤ちゃんが無事成長できるよう、定期的に心身状態のチェックや、健康管理を行います。
助産師は「母親の妊娠時期」や「赤ちゃんの成長時期」に合わせて、さまざまなサポートをするのです。
【助産師の1日】日勤と夜勤の仕事内容を紹介
助産師の仕事内容は「日勤」と「夜勤」で異なります。
日勤で働く助産師の仕事内容は「出産後の女性や赤ちゃんのサポート」「妊婦の外来診察」など。
夜勤で働く助産師は、夜間の緊急対応に備えながら、妊婦や赤ちゃんのお世話をします。
日勤と夜勤の仕事内容について、それぞれ見ていきましょう。
【助産師の1日】日勤の仕事内容
まずは、日勤で働く「助産師の仕事内容」を紹介しますね。
勤務時間 | おもな仕事内容 |
---|---|
8:30 | ・申し送り※ ・産婦や乳児の様子を把握 |
9:00 | ・産婦や乳児のお世話 ・産婦や胎児の診察 ・分娩準備 |
11:30~13:30 | ・交代で昼休憩 |
13:30 | ・授乳指導 ・退院後の育児指導 ・母親学級の開催 |
17:00 | ・カルテを記入 ・申し送り※ |
朝の申し送りは、夜勤の助産師から日勤の人へ、夕方の申し送りは、日勤の助産師から夜勤の人へ業務内容の引き継ぎを行います。
朝の申し送りが終わったあと、助産師はその日の日勤業務を開始。
午前中は産婦と赤ちゃんのお世話をしたり、外来診療で妊婦の診察をしたりします。
午後は出産後の患者さんに、授乳方法や抱きかたなどの育児指導をするのです。
母親学級を開催して、妊娠中の過ごし方や、出産に対する心構えなどを話すことも。
また、急な陣痛や破水などで病院を訪れる妊婦がきたときに備えて、分娩の準備をします。
夕方にカルテを記入して夜勤の助産師へ申し送りをしたら、日勤の業務は終了です。
おおまかな流れとして参考にしてくださいね。
【助産師の1日】夜勤の仕事内容
次に、夜勤で働く場合の「助産師の仕事内容」を見ていきましょう。
勤務時間 | おもな仕事内容 |
---|---|
16:30 | ・申し送り |
17:00 | ・産婦や乳児のお世話 ・分娩 ・救急外来の対応 |
22:00 | ・院内の見回り ・分娩準備 ・急変患者の対応 |
8:30 | ・カルテを記入 ・申し送り |
夜は赤ちゃんが産まれやすいため、緊急の対応に備えながら産婦や乳児のお世話をします。
休憩中に仮眠や食事をとります。
朝になったらカルテを記入して、日勤の助産師に申し送りをしたら夜勤は終了です。
夜勤の場合も勤務場所によって仕事内容や業務時間が異なるので、おおまかな流れとして捉えてくださいね。
助産師は『命が誕生する瞬間』に立ち会う仕事ができる
助産師は、出産という「命の誕生」に立ち会うことができる、とても魅力的な仕事です。
しかし命に関わる仕事だからこそ、中絶や死産に立ち会うことも。
この章では、助産師として働くうえでのやりがいと、大変なことを紹介します。
まずは、助産師のやりがいについて見ていきましょう。
助産師のやりがいは「命が誕生する喜びを感じられる」こと
助産師が働くことで感じられるやりがいは、次のとおりです。
- 命の誕生に立ち会える
- 自分の手で赤ちゃんを取りあげられる
- 女性の一生を支えられる
助産師のやりがいとして最も大きいことは、「赤ちゃんが産まれる瞬間に立ち会えること」。
出産の現場に立ち会って、元気な赤ちゃんを自分の手で取りあげることができた瞬間、助産師として最大の喜びを感じられます。
助産師には「母子の命を預かるという責任」がある
助産師の仕事には、大きなやりがいがある一方、精神面や体力面で苦労することも。
助産師が仕事中に大変だと感じることは、次のとおりです。
- 生活リズムが不規則になる
- 死産や中絶に立ち会うことがある
- 体力や精神力、責任感が問われる
夜勤がある助産師は、生活リズムが不規則になりやすいので、体調が崩れないように自己管理する必要があります。
また、必ずしもすべての赤ちゃんが無事に産まれるわけではありません。死産や中絶などの、悲しい出産に立ち会う場面もあります。
出産や患者さんの急変など、いつ起こるかわからない緊急事態に備えながら、業務を行う助産師には、大きな責任感や精神力が必要です。
助産師と看護師の仕事内容の違いは『助産師資格』の有無
助産師の仕事内容は「母親の妊娠時期や赤ちゃんの成長期に合わせて、さまざまなサポートを行うこと」だと分かりました。
「同じ病院やクリニックで働く看護師と助産師では、どのような違いがあるんだろう」と疑問に思う人も、多いのではないでしょうか。
この章では、助産師と看護師の「仕事内容」や「取得資格」などを比較しています。
それぞれどのような点で異なるのか、2つの職業の違いを改めて整理しましょう。
助産師 | 看護師 | |
---|---|---|
おもな仕事内容 | ・妊婦や新生児の 保健指導 ・妊婦健診 ・分娩介助 |
・診療補助 |
必要な資格 | ・看護師資格 ・助産師資格 |
・看護師資格 |
性別 | ・女性のみ | ・男性 ・女性 |
助産師は「妊婦や赤ちゃんの保健指導・健康管理」や「妊婦健診」「分娩介助」など、看護師にはできない仕事内容がいくつもあります。
看護師は、医師の指示を受けて医療行為を行いますが、妊婦や赤ちゃんに対する保健指導は行いません。
助産師は「出産をサポートするプロ」の証として助産師資格を取得しているので、妊婦や赤ちゃんに対して医療的な支援・指導ができるのです。
また看護師は「看護師資格」のみ必要ですが、助産師は「看護師資格」と「助産師資格」の2つを取得する必要があります。
助産師資格の取得方法については、「助産師になるには看護師資格も必要!資格取得までの流れを説明」で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてください。
看護師資格の取得方法については「看護師の資格取得方法を解説!看護師になるためのコースはさまざま」で紹介しています。
ただし看護師であれば、男性でも就くことができますよ。
看護師の仕事内容については、次の記事で詳しく紹介しています。
助産師は母子の健康を守る『お産』のプロフェッショナル
助産師の大きな役割は、出産前後の業務を通して、母子の健康を守るためにサポートすることです。
助産師の仕事内容は、妊婦の定期検診や赤ちゃんのお世話など、多岐にわたります。
妊婦の出産や急変時など、大きな緊張感のなかで業務を遂行していくためには、体力や精神力が必要です。
また看護師とは違って、助産師は医師の指示を必要とせずに「母子の健康管理」「分娩介助」などの、医療行為を行えます。
母子の命を預かるというのは、想像以上に大きな責任を感じることですが、お母さんや赤ちゃんの笑顔を見ると「また頑張ろう」と思う人は多いですよ。
助産師は、命が誕生する感動の瞬間に立ち会える、魅力的な仕事なのです。
※記載されている内容は2018年8月現在のものです。
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