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離職率とは?平均値や計算方法、転職に役立つ調べ方を徹底解説!

離職率とは?平均値や計算方法、転職に役立つ調べ方を徹底解説!

転職活動の基本は、企業の情報を集めることですよね。

労働条件や応募資格など気になる情報も沢山ありますが、その中で「離職率」に注目している人も多いのではないでしょうか。

あまりデータとして公開されないものですが、長く働きたいと思うなら気になるポイントです。

しかし離職率の数字を見るだけでは、ただ「離職率が高いからダメ」という判断しかできません。

離職率は、計算の「対象者」と「期間」によって数字が変わるんです。

当記事では企業データとして知っておきたい「離職率」の知識について解説します。離職率のほか、「定着率」「入職率」などについても見ていきましょう。

まずは基本!『離職率』について学ぼう

「『離職率』という単語を聞いたことがない!」という人は少ないのではないでしょうか。

転職活動をするのであればやっぱり気になりますし、知りたい数字のひとつですよね。

その単語のイメージから「離職した人の割合」であることは大体想像できますが、実はひと目見ただけでは自分が望んでいる「離職率」の情報かどうかはわからないんです。

この章では「離職率の計算方法」と「確認するべきポイント」を解説します。

「離職率」の計算方法はとっても単純

どうして、離職率の数字が自分の望んでいる情報かどうかわからないんですか?
それにはまず、離職率の計算方法を説明する必要があります。
離職率の計算方法
「当該期間に離職した人÷当該期間の在籍者の人数×100」

離職率は一定の期間内に「退職した人(分子)」を「在籍している人(分母)」の人数で割って、「100」をかけたもの。

計算例を見ていきましょう。

ケース別の計算例
【ケース1】
社員200名の会社で、1年の間に5人の離職者がいる場合
「5÷200×100=2.5」離職率=2.5%

【ケース2】新入社員を20人採用、1年の間に5人が離職した場合
「5÷20×100=25」離職率=25%

【ケース3】新入社員を20人採用、3年の間に5人が離職した場合
「5÷20×100=25」離職率=25%

【ケース4】中途入社で5人採用、3カ月の間に1人が離職した場合
「1÷5×100=20」離職率=20%

このように、計算する期間をいつに定めるのか、対象者を誰にするかで離職率は変わります。

一般的には、年度初めからの1年間で離職率を計算することが多いです。

離職率って、定義が決まっているのかと思ってました。
「離職率」には、法的に定められた定義や計算方法はありません。企業によって、離職率の定義は異なるんです。

離職率の『分母』と『分子』をしっかり見よう!

計算例を見てわかるように、提示されたデータの「離職率」は「何を分母として、何を分子としているのか」に注意する必要があります。

たとえば、分母が「会社全体の社員数」なのか「新入社員」のみを対象にしているのかなど。

同じ企業であっても、分母と分子、基準とする期間によって離職率は大きく変わることもあります。

ただ「離職率」という数字を見るだけではなく、「どういった人の離職率なのか」をきちんと知ったうえで判断する必要があるでしょう。

離職率って計算方法は同じでも、どの人たちをピックアップするか、どの期間をピックアップするかで大きく変わるんですね。

どの分母を見るのがいいですか?

自分が知りたい分母がいいでしょうね。

新入社員がどれだけ定着しているのかを見るなら、新入社員の在籍期間、人数のみをピックアップした離職率がいいでしょう。

在籍社員全員を対象とした離職率も、全体的な傾向がわかりやすいですね。

厚生労働省のデータをチェック!離職率の高い業界・低い業界

会社によって離職率が違うことはみなさんご存知のとおりかと思いますが、やはり離職率の高い業界と低い業界が存在します。

どうせ転職するのであれば、「業界的にも離職率が低い業界のほうがいいな」と思う人も多いでしょう。

そこで、厚生労働省の「平成28年雇用動向調査結果」を参考に、離職率が高い業界、低い業界を紹介します。

離職率が高い業界は『サービス業』

厚生労働省の「雇用動向調査結果」によると、離職率が高い業界は次のとおり。

離職率が高い業界トップ3
  1. 宿泊業・飲食サービス業
  2. 生活関連サービス業・娯楽業
  3. サービス業(他に分類されないもの)

人に接する業界はストレスが溜まることも多く、給与も低めであることが多いため、離職率が高い傾向にあるようです。

離職率が低い業界は『電気・ガス・熱供給・水道業』

離職率が低い業界についても、上位3つを見てみましょう。

離職率が低い業界トップ3
  1. 電気・ガス・熱供給・水道業
  2. 建設業
  3. 複合サービス事業

電気・ガス・熱供給・水道業など、生活に欠かせないインフラ業界は離職率が低いです。

『離職率が高い=悪い会社』ではない!

離職率が高いと悪い会社、というイメージを少なからず持つと思いますが、一概に離職率が高いから悪いとは言えません。

会社の規模が大きければそれだけ離職する人数も多くなりますし、事業転換や事業を拡大するなどの出来事がきっかけで離職する人も少なくありません。

離職率が低い会社でも平均年齢が高く、今更転職を考えていないような人が多い会社である可能性もあります。

たしかに離職率が高いと気になってしまう部分はありますが、離職率のみで判断するのは早計と言えます。

やっぱり離職率が高い業界は避けたほうがいいのかなとも思うのですが、どうでしょう?
「平成28年雇用動向調査」によると、離職率が高い業界は入職率も高いです。

また離職率が高い業界は、転職しやすい業界とも言えます。

数字だけじゃなく会社そのものを見て考えてくださいね。

離職率だけじゃない!『定着率』や『入職率』も見てみよう

ついつい離職率だけを見てしまいがちになりますが、ほかにも「どれだけ社員が長く勤続しているのか?」などを判断する次のような数字があります。

離職率以外の数字もきちんとチェックすることで、より深くその企業を知ることが可能に。

この章ではこれらの数字の意味や、そこから知ることができる情報などについて解説します。

『定着率』は100%から離職率を引いた数値

「定着率」は一般的な定義があるわけではなく、曖昧な部分があります。離職率と同様に「分母と分子によって数字が変わる」からです。

「入社1年目の定着率」を出すこともできますし、「入社して5年間の定着率」を出すこともできます。

定着率の計算方法と例
【計算方法】
「100%-離職率」

【計算例】
入社5年後の離職率を計算、結果7.8%だった場合
「100%-7.8%=92.2%」定着率=92.2%

定着率には「3年後定着率」といわれるものがあり、その企業での働きやすさを表すひとつの指標とされています。ホワイト企業(優良企業)を見分けるためのデータとして使われることも。

ホワイト企業の特徴や見分け方については、次の記事をご覧ください。「3年後定着率」についても説明しています。

どれだけ新人や中途採用をしているかわかる『入職率』

続いては「入職率」の説明に入りましょう。

「入職率」とは、一定の期間に新規で雇用した労働者の割合を示す数字です。この数字が大きいと、それだけ多くの人間を採用していると言えます。

計算式は「離職率」とほぼ同じです。

入職率の計算方法
(一定期間の)増加労働者数÷在籍労働者数×100

入職率も期間が定められていないため少々曖昧で、たとえば新人が多く入社してくる4月から5月にかけての1ヶ月間ですと、他の季節に比べてかなり入職率が高くなります。

そのため入職率を見る場合、1ヶ月という期間ではなく1年や半年といった長めの期間から算出された数字を見るほうがいいでしょう。

転職活動においては、1カ月単位の入職率は参考にしづらいです。

社員の平均的な勤続年数がわかる『平均勤続年数』

「平均勤続年数」は、現在その会社に勤務している社員の勤続年数を平均したもの。

平均勤続年数の計算例
従業員5人の会社で、勤続年数がそれぞれ「10年・7年・4年・3年・1年」の場合

「(10+7+4+3+1)÷5=5」平均勤続年数=5年

平均勤続年数が長いほど、長くその会社に勤めている人数が多く、逆に短ければ長くその会社に勤めている人は少なめということがわかる数字です。

となると「やはり数字が大きいほうがいい会社なのでは?」と思ってしまいますよね。しかし長ければいいというわけでもありません。

どういうことですか?
たとえば事業拡大によって人材が不足し、積極的に雇用している会社であれば転職者や新規採用が多いため、どうしても平均勤続年数は短くなります。

また平均勤続年数が長いということは、それだけ上層部が固まっているという場合も。転職しても大きな仕事を任せてもらえなかったり、なかなか昇進しにくい可能性もあります。

平均勤続年数は「離職率」「社員の平均年齢」など、他のデータとあわせて総合的に判断するために使いましょう。

離職率だけじゃなくて、他にも色々と見る数字ってあるんですね。

この数字をどう活用したらいいですか?

たとえば離職率・入職率ともに低く、かつ平均勤続年数が長い会社は、一度入れば安定して勤務し続けられるいい環境でしょう。

しかし中途採用や新規入社は厳しいと言えます。

このように複数のデータを総合的に見て、どのような傾向(成長)の会社かを知るために活用するのがおすすめです。

面接で離職率を聞きたい時のポイントを紹介!

転職を考えている、転職活動を行っている人の中には「転職を決意した要因は人間関係」という人も少なくないでしょう。離職率が低ければ、それだけ人間関係が円満な会社と捉えることもできますから、離職率は気になりますよね。

しかし企業データとして離職率が公表されていない場合、面接などのタイミングで聞くしかありません。

「でもそんなこと聞いてもいいの?聞いたら落とされない?」と不安になるのもまた事実。

そこで、この章では「面接における離職率の質問」について知っておきたいポイントを紹介します。

面接で離職率を聞くのは『NG』ではない!でも直接的な質問は避けて

面接で離職率について聞くこと自体は「NG」ではありません。実際に面接で聞いている人もいるようです。

しかし、直接的に「離職率はいかほどなのでしょうか」と質問した場合、面接官の印象は悪くなる可能性が高いです。

面接はあくまで「会社側が職務・業務を任せるにふさわしい人物か」を見るための機会として設けられているもの。もちろん、面接を受ける側も会社を見極める大切な機会でもあります。

そのため離職率であったり、年収や給与、福利厚生に関する質問を直接的な言葉でしてしまうと、「この人はうちで働きたいというよりも、労働条件がいい会社で働きたいだけなのでは?」という印象を与える可能性も。

もちろん労働条件は大切ですし、「本当に求人情報どおりの条件か?」など気になる部分も多いと思います。しかし直接的に聞くことで、自分の印象をマイナスにしてしまうのはもったいないです。

離職率についての質問は言い方を変えて『ポジティブ』に!

とはいえ、「聞かずにモヤモヤしたまま面接を終わらせるのも嫌!」という気持ちもよくわかります。

離職率について質問するのはNGではないのに、印象が悪くなるのは納得できません!
離職率について知りたい場合は、違う切り口で離職率を想像できるような質問をしてみましょう。
質問の例
「少しでも早く、社員の皆さまに追いつきたいと思っているのですが、何年くらいのキャリアを積まれているのでしょうか?」

入社何年目で活躍しているのか、どれくらいのことを任されるようになるのか想像させるような質問をしつつ、在職年数も想像できるような質問となっています。

ほかには「社内にてコミュニケーションを円滑にするために何か取り組んでいることはありますか?」といった質問もいいでしょう。

これは在職年数や離職率を判断する質問とは少々離れています。しかしコミュニケーションに対する取り組みを行なっているということは、それだけ定着率を上げようと考えていると言えます。

うーん。離職率については、やっぱり聞きづらいです・・・。どうにかなりませんか?
それなら、転職エージェントを通して転職活動するのがおすすめです。担当のキャリアアドバイザーは詳しい企業情報を知っていますし、聞きにくい質問を代行して聞くこともあります。

おすすめの転職エージェントについては、次の記事をご覧ください。

面接時で聞くのが怖い…という時は内定後に!

面接時は婉曲表現を使い聞いてみたものの、やっぱりはっきり知りたい!という場合は内定後に聞くのがいいでしょう。

ただ会社によっては離職率を教えてくれないところもあるので、注意が必要です。

離職率でなくとも、平均の勤続年数を聞くという形でも十分ほしい情報は手に入るかと思います。平均勤続年数が短ければ、離職率が高いというように推測することが可能です。

たしかにハッキリ離職率について質問されるといい気分にはなりませんね。

条件面で悪印象になりにくい言葉や文章ってあるんでしょうか?

自分のことではなく、面接先の会社で働いている社員のモデルケースを聞くのが一般的ですね。

「自分と同じくらいの年齢の社員は、どれくらいの年収になるか?」という聞き方ですと失礼になりにくいです。

あくまで数字!離職率に囚われずに考えて

離職率はどのような企業か判断する材料として有効なものであることは間違いありません。

しかし離職率が高いから居心地が悪い会社とは言えませんし、そもそもの離職率の算出方法も企業によって違います。

数字だけを見ていると、「本当に自分が行きたかったと思える企業に行けなかった・・・」なんてこともありえます。

あくまでデータのひとつとして考え、他のデータとも合わせて企業を判断するようにしましょう。

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