秘書の給料は一般事務よりも高い？実務経験とスキルで高収入を狙おう

企業の社長や重役のもと、重要な書類を扱ったりスケジュールの管理をしたり、細々とした身の回りの世話まで幅広くこなす秘書。

一流企業などでテキパキと働く姿から、秘書は高収入だというイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。

秘書の給料に関しては政府統計などがされていないことや、秘書業務に加えてさまざまな仕事をこなしている人も多いことから、秘書としての平均給料を算出するのは難しいもの。

この記事では、秘書を募集している求人情報から、およその相場を見ていきます。より高い給料を得るために必要なポイントも紹介するので参考にしてください。

秘書の給料・年収の相場は？未経験での入社時は350~400万円

秘書の求人情報を見てみると、入社時の給料の相場は22万円から25万円ほどでした。

賞与が年2回、約4カ月分の実績があるという企業が多く、その例で計算すると秘書の年収は約350万円～400万円です。

ただし応募時すでに秘書としての経験があれば、より高い給料が見込めます。

求人情報から数件の例を見てみましょう。

業種・職務	月給　※カッコ内は必須条件
IT関連会社の社長秘書	20万円～50万円
不動産会社の役員秘書	22万円以上
ネット通販会社の社長秘書	22.4万円
メーカーの社長秘書	26万円以上（秘書または総務経験必須）
学校法人の秘書	28万円～38万円（3年以上の経験必須）
不動産会社の役員秘書	30万円～40万円（宅建資格必須）
メーカーの社長秘書	35万円~37万円（役員以上の秘書経験5年以上、秘書検定1級または準1級必須）

秘書経験のほか、業務関連の資格があれば資格手当が付きます。また、固定残業制を取っている企業も多く、その場合には一定時間の残業代が含まれるため、より高い給料設定です。

では、地方での秘書の給料例も見ておきましょう。

職務／地域 業種	月給　※カッコ内は必須条件
役員秘書／青森市 メーカー	18万円～25万円（秘書経験または営業・総務などの経験必須）
社長秘書／浜松市 メーカー	20万円～25万円（PC・英語力・普通免許必須）
秘書・庶務・広報／神戸市 電気通信事業	18万円～25万円
会長秘書／広島市 リサイクル関連企業	23万円～35万円
秘書／福岡市 貿易関連会社	20万円～25万円（普通免許必須）

地方では、「秘書業務」だけでの募集は東京よりも少なく、一般的な事務や広報など別の仕事を兼務するケースが大半。また、正社員よりも派遣社員など非正規での募集が目立ちました。

秘書は人間性も重視！未経験なら特に磨いておくべきスキル

秘書には、一般事務よりも高い「ヒューマンスキル」が必要とされます。

「未経験OK」とされている求人でも、人あるいは社会人としての人間性を見られますし、一般的なビジネススキルも不可欠です。

どんな企業でも、秘書には次のようなスキルを求めています。

• コミュニケーションスキルが高い
• 臨機応変に対応できる
• 気配りができる
• 面倒見が良い
• 自ら進んで行動できる
• マナー、身だしなみがきちんとしている
• 正確でスピーディーに仕事ができる
• キャリアアップへの意欲がある
• 基本的なPCスキル（Word、Excel、PowerPoint）がある

秘書の仕事は、指示を待っているだけでは務まりません。今そこで何をすべきか、自分で判断して先に動ける人が歓迎されます。

秘書は未経験でも営業サポートや総務などの経験があるなら、秘書との共通点を見つけてアピールしましょう。

また、一般事務と異なる点としては、学歴を「大学卒、大学院卒」に限定している求人が目立ちました。

「未経験OK」とは言え、やる気だけでは認められない人材重視。入社へのハードルは決して低くはありません。

秘書の経験あり・高い英語スキルなら外資系などで高収入も可

5年以上の秘書経験があり、加えてハイレベルの英語力もある人なら、「バイリンガル秘書」としてより高い収入を狙えます。

外資系企業の秘書に絞って求人情報を見てみると、年収例は入社時で400万円～550万円、高いところでは年収600万円スタートという求人もありました。

外資系企業や法律事務所、コンサルティング会社などでは、求められるスキルが高い分、秘書の給料も高い傾向にあります。

海外の拠点や取引先との電話やメールのやり取り程度であれば、そこまで高い英語力がなくてもこなせる人もいます。

しかし、経営会議の通訳をしたり、議事録を英語で作成したりするケースでは、ネイティブレベルの英語力が必要です。

秘書の転職で気をつけておきたい求人のチェックポイント

求人情報を見ていると、企業によって給料が異なるのはもちろんのこと、職務や待遇などもさまざまだということがわかりました。

働きやすさは、仕事の内容や待遇などによって大きく異なります。

求人を探すときには、次のことに注目してください。

注目ポイント	内容
仕事の内容	秘書業務だけor 総務や広報など多職種の兼務
仕事の範囲	役員の出張・外出への同行の有無
ボスとなる人の人数	1人につく or 複数の役員につく
同僚の人数	秘書室などグループ体制 or 社に1人 など
残業	あり or なし、ある場合は何時間くらいか
給料	固定残業代が含まれるか、含まれる場合は何時間分か
キャリア	秘書以外の業務へのジョブローテーションがあるか

「秘書」で求人検索をしてみると、「秘書」だけの業務でない求人が多数表示されます。

なかには、秘書でなく「総合職」として、あらゆる業務を任されるケースもいくつかありました。

秘書の仕事だけに専念したい人は、担当業務の名称や、将来的に別の仕事を任される可能性についても確認しておきましょう。

また、特に社長など企業トップにつく秘書の場合は、求人情報だけでなく、その企業の公式サイトを必ず確認して、どんな人物なのかも見ておくことが重要です。

秘書の求人は、「doda」や「リクルートエージェント」など大手の転職サイト・転職エージェントで探せます。

ある程度の秘書経験や英語のスキルがあるなら、バイリンガルのスペシャリスト向け転職サイト「ROBERT WALTERS（ロバート・ウォルターズ）」がおすすめ。

「リクルートダイレクトスカウト」「KOTORA（コトラ）」などハイクラス向けの転職エージェントでも、より高収入の仕事が見つかる可能性が高いです。