第二新卒っていつまで?20代なら知っておくべき定義やデメリット
求人情報でよく見かける「第二新卒歓迎」の文字。従来の転職市場では即戦力となる経験者が優遇されるのが当たり前でしたが、近年は第二新卒を積極的に採用する企業も増えてきました。
でも「第二新卒」の定義とは何なのでしょうか?いつまでなら「第二新卒」の枠に応募できるのでしょうか。
この記事では、第二新卒の定義と同じく20代に使われる「既卒」の定義、メリット・デメリットについて説明します。20代の人はぜひ参考にしてください。
20代の転職でよく聞く「第二新卒」「既卒」とはどんな人?
ではさっそく「第二新卒」の定義から見ておきましょう。
「第二新卒」とは、「新卒入社後3年以内に退職・転職する人」を言う
「第二新卒」は法律で決まった言葉ではないので、厳格な定義はありません。
一般的には、大学を卒業してすぐ正社員として就職した後、1年~3年ほどで退職、転職先を探す人のことを「第二新卒」と呼びます。
年齢で言うと、大学を卒業するのが22歳として、25歳までが当てはまることになります。しかし浪人や留年、院卒などのケースもあるので、年齢でなく卒業からの年数で考えるとよいでしょう。
次にもう1つ、20代の転職でよく聞く「既卒」の定義も見ておきましょう。
「既卒」とは、大学を卒業後、正社員として働いた経験のない若者のこと
既卒にも厳格な定義はありませんが、大学を卒業したものの就職せず、正社員としての社会人経験がない人を「既卒」と呼ぶのが一般的です。
無職に限らず、パート・アルバイトなど非正規の雇用形態で働いたことのある人も「既卒」に含まれます。
「既卒」も第二新卒同様、概ね卒業後3年以内、もしくは20代の若手というイメージ。30歳以上になると、転職市場でいう「既卒」からは外れると考えましょう。
1年未満での退職、3年超での転職はどういう扱い?
「第二新卒」の定義は、おおむね卒業後3年以内の求職者。
ただし、新卒入社後1年未満で離職した場合には、1年以上の第二新卒者とは異なる見方をされる可能性が高いです。
また、4年以上の経験を経て転職する場合は、第二新卒ではなく、ある程度の経験を持った求職者として、通常の中途採用の対象となります。
第二新卒に求められることやメリットについては、この後の章で解説していきますね。
第二新卒や既卒で「新卒枠」に応募することは可能?
「新卒から大して長い時間は経ってないし、新卒枠の求人にも応募できないかな」と思う人もいるでしょう。
会社によって異なりますが、新卒枠で第二新卒や既卒の人の応募を受け付ける企業もあります。
募集資格の欄に、「◯◯年3月卒業見込みの方、あるいは卒業後3年以内の方」などと記載があるかどうかチェックしてください。
その要請に基づき、卒業後3年以内の若者を受け入れる企業も多くなっているのです。
第二新卒者の転職理由と、早期退職を防ぐための対策
入社後1年~3年で職場への不満が爆発しそうだったり、仕事が辛かったりして転職を考え始める人もいるでしょう。
実際、若い年齢層の早期離職が問題となっているくらいです。しかし、できるならより長く安定して働きたい、という人も多いですよね。
この章では、第二新卒となった人の転職理由や、早期離職をしないための対策を紹介します。
第二新卒の退職理由
第二新卒と呼ばれる人の退職理由には、次のようなものがあります。
- やりたい仕事と違った
- 自分はこの仕事に向いていないことがわかった
- 給与が低い
- 残業が多くて自分の時間が取れない
- 職場の人間関係が悪い
- 会社の社風や経営方針が自分に合わない
- 他にもっとやりたいことを見つけた
多くは何らかの不満によるものですが、中には前向きな理由で転職する人もいます。
3年も我慢できずに辞めるなんて軟弱なヤツだな。
だいたい、あなたのようなパワハラ上司も第2新卒を生む原因の1つでしょう。
早期退職を避けるにはどうすればいいか
入社3年以内で辞めてしまう人が増えたとはいえ、転職市場では経験者が優遇されるという点は変わりません。自分にとっても、長く働く方が生活も安定しますし、転職活動にエネルギーを使う必要もなくなりますよね。
「入社してまだ3年も経ってないけど辞めたい」と思い始めたら、次のことを試してみてください。
- 辞めたい理由を明らかにして、解決策を考える
- 悩みや不満を1人で抱え込まず、誰かに相談する
- 趣味など、プライベートを楽しめる何かを見つける
- 転職活動を始めてみる
それぞれもう少し詳しく説明します。
辞めたい理由を明らかにして、解決策を考える
まずは辞めたい原因、つまり「現状の何が不満か」をはっきりさせましょう。
別の部署に移ることで解消できるなら、上司に異動を願い出てみてください。理由に納得してもらえれば、担当を変えてもらえる可能性も高いです。
がんばりに対して給料が低いと思うなら、給料を上げる交渉をするのも1つの手です。ただしその際は、上司を納得させる材料が必要。自分がどんな成績で会社に貢献しているか、給料をアップすべき根拠を示せなければ難しいです。
悩みや不満を1人で抱え込まず、誰かに相談する
1人で不満を抱えると、負の感情はどんどん大きくなるもの。誰かに話して発散するのも効果的ですよ。共感してもらうだけでも少し心が和らぎます。
また、違う環境の人と話をすることで、意外にも「自分は恵まれているんだ」と感じることもあります。
趣味など、プライベートを楽しめる何かを見つける
精神的に、いつも仕事に追われるような感じがしているなら、休日にリセットできる趣味や楽しみを見つけるのがおすすめです。気持ちを切り替えることで、「仕事は仕事」と割り切れると楽になりますよ。
「犬を飼いはじめて癒やされた、この子のために頑張れる」という人もいますし、「高級ブランドのジュエリーを買うために辛い仕事にも耐えている」「お金を貯めて旅行に行き、ストレスを発散する」という人もいます。
会社だけの世界にとどまらず、他の世界にも目を向けてみるのをおすすめします。
転職活動を始めてみる
実際に転職活動を始めてみるのも1つの方法です。
求人情報で、自分に合いそうな仕事、応募できそうな仕事、希望条件を満たす仕事や職場がどれくらいあるかを見てみましょう。待遇などの相場も見てみてください。
求人の応募資格から、現在の自分の市場価値が見えてきます。待遇の相場は、自分の置かれた環境が退職に値するかどうかの判断基準になります。
もっと良い職場がたくさんあり、自分は応募資格に見合っていて企業からのニーズも高い、という場合は、転職するのが正解かもしれません。
ただし、待遇に関しては、求人情報には良いことしか書いてない場合がほとんどです。簡単に高収入が稼げる、というような甘い言葉を鵜呑みにしないでくださいね。
転職エージェントを利用して、自分に合う求人を紹介してもらうのが早いかもしれませんね。
体調を壊した、精神的にも疲弊して生活に支障が出始めた、といった場合は、転職先を探す前に休養して健康を取り戻しましょう。
第二新卒での転職に、企業が期待するもの、求めるものとは
「第二新卒歓迎」として20代前半の若者を募集する企業が多いのはなぜでしょうか。
企業側が第二新卒者に求めていることをまとめてみました。
企業が第二新卒を採用する理由・目的
- 早期離職した若手社員の補充
- 社内の雰囲気を若返らせたい、勢いを良くしたい
- 教育にかける時間やコストを削減したい
- 若年層ならではの適応力や柔軟性に期待している
- 若さからくるエネルギー、働く意欲に期待
第二新卒が増えているということは、若手不足に陥る企業も増えているということ。それを補充するために、第二新卒を積極採用するという企業も多いです。
また、第二新卒者は前職で社会人経験があり、ある程度のビジネスマナーは身についていると考えられます。一から社会人教育をする手間とコストが省けることも、企業が第ニ新卒を採用するメリットです。
一方で、3年以内で離職していることにより、前職の社風や仕事のやり方に浸りすぎていないこともポイント。若者ならではの、仕事や環境に対する柔軟性や適応力も期待されているのです。
第二新卒で転職することにはメリットもデメリットもある
「第二新卒歓迎」とうたう企業が多いからといって、安易に退職するのはおすすめできません。第二新卒のメリットとともに、デメリットについても知った上で検討しましょう。
第二新卒のメリット
まずは、第二新卒で転職することのメリットから見ていきます。
- 年収や待遇がアップする可能性が高い
- 未経験の業種や職種にも挑戦しやすい
- 将来性に期待してもらえる
転職の目的として、給料アップを目指す人は多いです。その点でいうと、年齢が若い方が、転職後に給料が上がった人の割合が多い傾向があります(厚生労働省「平成27年転職者実態調査」より)。
また、第二新卒の若さなら未経験の職種にも挑戦しやすい上、入社後の環境に慣れやすいメリットがあります。
さらに、若さゆえに将来性もあるので、意欲を見せればポテンシャル(可能性)に期待して採用してもらえる可能性も高いです。
第二新卒のデメリット
良いこともある第二新卒の転職ですが、無視できない大きなデメリットもあります。
- 「またすぐ辞めてしまうのでは」と疑われる
- 社会人としての基礎知識やマナーがないと厳しい
- 昇進や退職金で新卒社員と差がつくことがある
第二新卒の最大のデメリットは、「前例」があるために「自社にも定着しないのでは」という懸念を持たれること。
そうなると、転職先が決まるのに時間がかかるおそれがあります。
また、上の章で述べたように、企業が第二新卒を歓迎する理由の1つが「社会人としての基礎的な知識やマナーが一通り身についており、教育コストがかからないこと」。
新卒採用でなければ、初歩的な研修は行われないのが普通。入社時には「わかっていて当然」と見なされているので、できないと新卒よりずっと厳しい評価が下されます。
まず面接で、社会人としてのマナーや振る舞いができていなければ不採用となるでしょう。
さらに新卒で定年まで勤めあげる人と比べると、勤続年数が短い分、昇進や昇給、退職金の額などで差がつくこともあり得ます。
まだ辞める前なら、こうした点を踏まえてもう一度じっくり考え直してみましょう。
すでに辞めたなら、転職目的を明確にして、自分が何をしたいのか、何ができるのかをまとめてみてください。応募するときには、企業のニーズに自分が合うこと、働く意欲が十分にあることをアピールして、内定を勝ち取りましょう。
第二新卒は新卒入社後3年まで!メリットもあるが安易な退職はNG
既卒は第二新卒と違い、正社員として働いた経験がない人のことを言います。
第二新卒の最大のメリットは、未経験でも企業から歓迎される要素があること。企業は第二新卒者に、新たな環境に適応できる能力や将来性に期待して採用をするのです。
ただし第二新卒には、社会人としての基礎ができていることが当然とされます。マナーに自信がない人は、この機会に見直しておきましょう。
忍耐力がないと疑われるリスクや、出世やお金の面で損をする可能性もあるため、安易に退職して第二新卒者になることはおすすめできません。
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