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「会社が潰れそう」と不安になったらすべきこと、よくある前兆とは

今や、大企業であっても経営が破綻する可能性のある時代。2019年度には、全国で約8,480件の会社が倒産しています。

読者の中にも「もしかしてこの会社、潰れてしまうのでは?」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。

会社がもし潰れそうな状況だとしても、前もって従業員に知らされることはまずありません。

しかし、「会社が倒産しそうだから」とすぐに見切りをつけて退職するのもおすすめできないのです。

この記事では、倒産寸前の会社によくある状況をいくつかピックアップして紹介。また、会社が潰れそうだと思ったときはどうすべきかなどについて解説していきます。

「この会社大丈夫かな?潰れそう?」の判断材料となる前兆

会社が潰れたら、僕たち社員はどうなるんでしょうか?
倒産してしまったら、もう働くことはできませんから転職先を探すしかありません。

とは言え、会社が倒産しそうな状況かどうかは、一般の社員にはまずわかりませんよね。

「〇〇になってきたら間違いなく倒産する」といえる基準もありません。

ただ、次のような状況になっている場合は、経営状態が「危ない」と考えられます。

会社が倒産するかもしれない15の前兆
  • 仕事の量が急激に減った
  • 社長が出社しない日や、外出が増えた
  • 役員会議が増えた
  • 役員がリストラされた
  • 早期希望退職者を募集している
  • 経理部門の長が常にイライラしている
  • 経理の担当者が次々に退職した
  • 取引先への支払いが遅れている
  • 売掛金を早く回収しようとするようになった
  • 納品遅れなどでクレームが多発している
  • 必要な設備投資をしてくれない
  • 給料の支給額が減った、支払いが遅れがち
  • 皆勤手当や住宅手当が廃止された
  • 評価制度が変わり、昇給が難しくなった
  • 社員旅行などの恒例行事がなくなった
当てはまる場合は、すぐにでも会社を辞めた方がいいんでしょうか?
いえ、上のリストに当てはまるものがあるからといって、すぐに会社を辞める必要はありませんし、辞めるのが得策とも言えませんよ。

会社が潰れそう、と思ったらどうしたらいいのか

会社の経営が破綻しそうなのかどうかは、一社員には判断できませんよね。

沈んでいく船に乗っているのは誰だって不安です。そのため「今のうちに退職しようかな」と考えるのもよくわかりますが、本当のことがわからないのに、憶測で退職を決めてしまうのはおすすめできません。

その理由は3つあります。

会社が潰れそう、と思ってもすぐに辞めないほうがいい理由
  • 倒産しない可能性もある
  • 「倒産しそうだから」は転職時の退職理由としてNG
  • 退職後の転職活動はリスクが大きい

いくら従業員の間で噂になっていたとしても、本当に倒産するかどうかはわかりません。

たとえ経営状況が悪くても、例えばグループ企業と合併したり、新たな大口顧客を獲得したり、売れなかった商品がにわかに注目を浴びたりなどして、持ち直す可能性も。

グループ企業であれば、別のグループ会社への転籍を取り計らってもらえるケースもあります。

また、転職するときに「倒産しそうだから」という不確定な理由での退職は、応募先企業に悪い印象を与える可能性が高いです。

面接では必ず退職理由を聞かれます。「倒産した」のならともかく、「会社が倒産しそうなので」などと言えば、「なぜそう思うのか」を問われます。

憶測・事実のどちらだとしても、そのような事情を他社の人間に話すこと自体が、ビジネスパーソンとして品格に欠けると知らせるようなものです。

困難からすぐに逃げ出すような人だ、薄情な人間だとも思われかねません。

「まだ給料が出る今のうちに退職して、余裕を持って転職活動をしたい」という人もいるかもしれません。しかし、とくに30代後半を過ぎている場合、転職先がすぐに決まるとは限らないのです。

とは言え、何もしないで会社が潰れるのを待つだけというのは避けたいところ。

営業担当で業績が悪化していることがわかっているのなら、起死回生のチャンス、腕の見せどころでもありますよ!

苦難を乗り越え、業績をぐんと伸ばした企業も数多くあるのです。

「会社が潰れるかも」と不安になっても、すぐには辞めずに情報を集めましょう。信憑性が高いと思ったら、仕事をこなしながらも転職活動を始めるのがおすすめです。

情報収集といっても難しいかもしれませんが、上層部と仲のよい上司や経理部門の同僚、よく飲みに出かけている情報通の人などは何か知っている可能性があります。

同業他社に友達がいるから聞いてみようかな。
同業他社の人の場合、逆にこちらから不確かな情報を流すことになってしまいますよ。

噂に信憑性が加わり状況が悪化するおそれがあるので、それはやめておきましょう。

業界内の情報は、転職エージェントが把握している可能性があります。転職を決意していなくても登録できるエージェントは多いので、一度登録してみるのもおすすめです。

ただし、倒産後に辞めるのにはメリットもデメリットもある

「倒産しそう」という不確定要素での退職はおすすめできません。

しかし、会社の経営状況や経営者の人柄などによっては、最後までその職場で頑張り抜くことが、必ずしもよい結果をもたらすとは言えないのが現実です。

ここでは、倒産後に辞めることで生じるメリット・デメリットを見ておきましょう。

倒産後の退職のメリット・デメリット
メリット デメリット
・会社都合の退職なので、失業保険の保障が自己都合の場合よりも手厚い

・希望退職なら退職金が通常より高くなる可能性がある

・最後まで責任を持って業務にあたったことが、転職先で評価される可能性がある

・気持ちがすっきりする、踏ん切りがつく

・給与が全額もらえなかったり、ボーナスが支給されなかったりする

・残りの有給休暇を消化できない

・倒産のバタバタや残務処理に巻き込まれる可能性がある

・転職先がすぐに決まらないおそれがある

・罪悪感や心残りが残る可能性がある

でも、倒産しそうな会社に最後まで残ると「先が読めない人」「デキない人」と見なされるんじゃないしょうか?

倒産の原因が自分にもあると思われるのはイヤですし。

よほどの不祥事を起こさない限り、企業の倒産を1人の社員のせいだと思う採用担当者はいないでしょう。

同業界への転職なら、ある程度の事情を知っている可能性もあります。

失業したときに雇用保険から支給される「失業手当」は、退職の理由が会社都合なら2カ月または3カ月の給付制限がないので自己都合の場合よりも早く受給がスタートできますし、受け取れる期間も長くなります。

経営者が無責任だった場合、自分の財産だけ確保して逃げてしまうケースも。給料がまったく支払われないケースもあります。

しかし、倒産によって給料が未払いとなってしまった場合には、国が未払い分の8割を立て替えてくれる制度「未払い賃金立替払制度」があります。

この制度は、事実上の倒産申請の6カ月前から2年の間に退職した人が対象です。ただしボーナスは対象となりません。

倒産が原因で退職、退職理由・転職理由はどう答える?

会社の倒産を理由に転職する場合、応募先の企業に退職理由をどう伝えればいいのでしょうか。

実際に倒産したかどうかで、状況は大きく異なります。

まだ倒産していないけれど辞める場合

前の章でも少し触れましたが、倒産していない状況で見切りをつけて辞めようとする、あるいは辞めた場合、退職理由を「倒産しそうだ(った)から」とするのはNGです。

自分でやりたいことが別にできた、御社の求人情報を見て自分が役に立てると思った、など、倒産とは関係のない前向きな理由を伝えましょう。

倒産してしまったので退職した場合

実際に倒産した後に辞めた場合には、ありのまま倒産を理由にしても問題ありません。

この場合は退職を自分の意思ではなく、やむを得ず退職した「会社都合」だと受け取ってもらえます。

ただし、具体的に何があったのか、数字的にどういう状況だったのか、倒産の原因などを詳しく説明する必要はありません。

また、退職の理由は「倒産によりやむを得ず」だとしても、転職先には「意欲を持って御社に転職したい」という気持ちをアピールしてください。

「会社が潰れそう」でもすぐに辞めずに上手く立ち回ろう

会社の雰囲気がどこか落ち着かなくなったり、上の方の立場の人たちだけで頻繁に会議が行われていたり。「この会社大丈夫なのかな」と不安に思いつつ働いている人もいるのではないでしょうか。

残念ながら、その会社が大丈夫なのかどうか、一般社員には最後までわかりません。どんな状況でも最後まで職務をまっとうするのが、恩や義理を大切にしてきたこの国の社会人の模範的な姿でもあります。

とは言え、潰れつつある会社と運命を共にするのはイヤだ、という気持ちもありますよね。会社が経営の危機となれば、上司も助けることができません。

まずは社内で情報を集め、状況を探ってみましょう。噂の信憑性が高いと思ったら、辞めずに転職活動を始めることをおすすめします。

 

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