ブラック企業の見分け方とは?求人情報でわかる特徴や注意点を紹介
今の職場が辛くても、簡単に転職に踏み切れる人は少ないのではないでしょうか。中には「ブラック企業」もあると聞くと、余計に心配になってしまいます。
しかし、情報収集さえちゃんと行えば、ブラック企業を避けられる可能性も大きいもの。
より自分に合った仕事、働きやすい職場、待遇のいい会社を探すには、ブラック企業の特徴や見分け方を知っておくことが大切です。
そもそも「ブラック企業」とは一体どんな会社なのでしょう?
「転職したと思ったらブラック企業だった・・・」なんてことにならないよう、この記事ではブラック企業の特徴やその見分け方を解説していきます。
ブラック企業って何?あなたの職場もひょっとして・・・
「就職・転職先の会社がもしブラック企業だったら」と思うと、応募や内定の返事をする時に「この会社で本当に大丈夫かな」と迷ってしまうもの。
一旦入社すると辞めたくても辞められない、というのもブラック企業にありがちな特徴なので、見極めが大切です。
まずはブラック企業の定義や特徴について確認しておきましょう。
ブラック企業には明確な定義がない
ブラック企業には、明確な定義はありません。
一般的に「ブラック」だと言われているのは、働く人のことを考えず、社や経営者個人の利益だけを考えるような身勝手な会社。
日本には「労働基準法」などの法律があり、働く人に最低限の権利を保障していますが、ブラック企業はそういった法律すら守っていなかったりします。
ブラック企業にはいくつかの特徴がある
厚生労働省は、一般的なブラック企業の特徴として次の3点を挙げています。
- 労働者に、極端な長時間労働やノルマを課している
- サービス残業やパワハラなどが横行し、コンプライアンス意識が低い
- 労働者を公平に扱わず、不当に差別したりする
(労働者に対し、過度の選別を行う)
いずれも、働きやすい職場とは言い難いものですね。
では、もう少し具体的に見ていきましょう。
ブラック企業には、働く人を尊重しようという気がない
次のような特徴がいくつも当てはまるような会社は、ブラック企業である可能性が高いです。
- 長時間労働が毎日続いている
- 残業は当たり前の状況、しかし残業代は支払われない
- 残業をしているのに、タイムカードの操作などで残業がないことにさせられる
- 賃金の不払いや遅延が続いている、もしくは頻繁に起こる
- 常識ではありえないノルマを課し、達成できなければ叱責する
- 業務過多、あるいは休める雰囲気でないため、有給が取れない
- セクハラやパワハラ、モラハラなどのハラスメントが横行している
- 法的な条件を満たしている労働者に、社会保険への加入をさせない
- 業績などについて、偽装工作や隠蔽工作をさせられる
- 仕事とは無関係な研修に強制参加させられる
- 成績が悪い社員は切り捨てられる
- 気に入らない社員を、嫌がらせや暴言で自主退職に追い込む
- 過労死や自殺者が出ている
- 人がどんどん辞めていく
法律の範囲を超えた長時間労働や、賃金の不払いなど、企業として守るべき法律が守られていない会社は、ブラック企業だと言えるでしょう。
法定時間を超えた分の労働や深夜・休日出勤などには、割増賃金の支払いが必要です。
ただし、小さな会社や新しい会社などの場合、単に「知らなかった」という理由で社会保険に加入させていない、といったこともあります。
ブラック企業は昔からあった?変わってきた「日本の働き方」
「昔は良かった」とか言う人もいますが、昔はブラック企業なんてなかったんでしょうか?
長時間労働や深夜までの残業などは、一部の業界では当たり前のように行われていたこと。
しかし近年では国を揚げて「働き方改革」、つまり労働者の働く環境をよくして「働きすぎ」を防ぎ、多様な働き方のニーズに応えようという動きが活発になってきました。
また、労働市場も「売り手」が有利となったり、SNSで匿名での情報発信ができるようになったりして、労働者側が「この会社はブラックだ」と声を上げることのできる社会になってきたという側面も大きいです。
しかしその分、収入も多く、例えば引っ越しの多いシーズンには「お客さんからのご祝儀だけで食べていけて、給料にはまったく手を付けずに済んだ」と言います。
いつ身体を壊してもおかしくはない働き方ですが、かつては互いにそれを黙認するような時代もあったのです。
ブラック企業は面接までに見分けたい!こんな会社にはご用心
ブラック企業になど、誰だって関わりたくはありませんよね。そのためには、就職・転職活動をする際に自分なりの判断を下す必要があります。
ブラック企業を見分けるコツは、求人情報に掲載されている次のような文章や待遇に注意することです。
- キャッチコピーがキレイすぎる
- 経営者からのメッセージが独特で熱い
- 仕事内容が抽象的でよくわからない
- 若手活躍のアピールがすごい
- 給料などの待遇が良すぎる
- 常に求人広告が出ている
それぞれ見ていきましょう。
キレイなキャッチコピーにはキツイ仕事が隠れている?
求人情報にこのような言葉が多用されている場合、事実かどうか怪しかったり、実は過重労働だったりする可能性があります。
努力、根性、やりがい、熱意、やる気
ノルマ無し、稼げる
アットホームな職場
求人票や求人情報では、よい人に来てもらえるよう、企業はさまざまな魅力的な言葉を使ってアピールします。そこに書かれている美辞麗句を鵜呑みにするのは危険です。
キレイな言葉の陰に、キツイ仕事が隠されている危険があります。やたらと「努力」や「根性」を強調するような会社では、厳しいノルマが課されるかもしれません。
こうした「体育会系ガンバリ精神」が、入社後に過酷な労働の正当化として使われることも多いのです。
「アットホームな職場」は、少人数で何でもかんでもやらされたり、プライベートにもずけずけ踏み込まれたりする可能性が。
同族経営などの場合、その経営者家族のモラル1つで労働環境が大きく違ってきます。
経営者からのメッセージが熱すぎる・独特なのはワンマンの危険性も
優秀な人材を募集するため、経営や仕事への熱い思いを求人情報などに掲載する企業もあります。
だからといって一概にブラックと決めつけることはできませんが、自分の思いだけを強く語り、社員への思いやりや配慮が感じられないようなケースは要注意。
特に「具体性のない理念」や「壮大すぎる夢」、甘い言葉の多用は怪しいと考えましょう。
理念だけは立派だけど、中身が伴わず何もしてくれない、という経営トップもいます。
ワンマン社長で社員の意見は受け入れてもらえないなど、働きやすいとは言い難い環境である可能性も。
しかも、その力を恐れて誰も指摘できず、社員が我慢を強いられているケースも多いんです。
仕事内容が抽象的でよくわからないのも要注意
求人情報の中には、「それらしい言葉」が並べてあるものの、何度読んでも仕事の内容がよくわからない、何をしている会社なのかもよくわからない、といったものが紛れています。
どんな仕事をするのか明確にわからなければ、自分に合っているのかの判断もできません。
その会社が信頼できる会社かどうかもわかりませんし、将来性も読めません。
仕事内容を具体的に書くと応募者が集まらないような仕事だったり、書けないような仕事だったりする可能性もあります。
若い人の活躍をアピールする会社には使い捨ての危険性も
次のような言葉で、若い人の募集を増やそうとする企業もあります。
「新人の昇格が早い」
「年功序列廃止」
若者が活躍できると聞けば、活気のある職場で、景気のよさそうなイメージです。
しかしこのような言葉のウラには、教育やサポートもないまま現場に放り出され、難しい仕事を押し付けられ、できなければ使い捨て・・・といった図式が隠されているおそれも。
給料が不自然に高い会社には気をつけるべし
転職の条件で最も気になるのは給料ですよね。収入が高いのは大歓迎ですが、不自然に高い場合はむしろ怪しむべきです。
どの職種にもおよその給与相場があります。これを大幅に上回る月収や年収には、まずウラがあると思って間違いありません。
例えば、求人情報には残業代や歩合が上乗せされた金額が大きく表示されていて、通常では届かないレベルの年収例が書かれている、なんてことはザラ。
いつ見ても求人情報が掲載されているような会社も要注意
年がら年中、求人広告を出している。これこそ、入った人がすぐ辞めざるを得なくなる会社=ブラック企業の典型といえる特徴の1つ。
こういった会社には、おそらくこれまでに挙げた「仕事内容がよくわからない」「給料が他社に比べてとても高い」など、複数のブラック条件が当てはまるのではないでしょうか。
常に人が足りないということは、入っても辞めてしまう、それなりの理由があると考えるのが自然です。
際限なく社員を募集し増やしている巨大成長企業、というのも「絶対にない」とは言い切れませんが、まずないでしょう。書いてある高待遇を自分も簡単に得られるとは思わないのが得策です。
具体的に質問してもはぐらかされたり、求人情報の内容と話が違っていたりする場合は注意しましょう。
即決で内定が出たり、こちらが迷っているのに返事を急がせるというのもよくない兆候です。ブラック企業は常に人手不足なので、「早く採用を決めたい」と面接官も焦りがちになっています。
採用担当者がたまたま話ベタだったりせっかちだったりする可能性も捨てきれませんが、ちゃんとした会社は、応募者への対応も誠実にしてくれるものです。
ブラック企業は数値にも表れる!?客観的なデータも参考に
転職で絶対に欠かせないのが、客観的なデータ収集、情報の収集です。
就職・転職サイトにある求人情報にも、月給や福利厚生などについての情報は書かれています。しかし、当事者からの情報だけを鵜呑みにするのは危ない、というのはこれまで述べた通りです。
そこで参考にしたいのが「就職四季報」。
「就職四季報」は、東洋経済新報社が発行する情報誌です。そこには、次の2つの重要なデータが掲載されています。
- 3年後離職率
- 平均勤続年数
これこそ「若者の使い捨て」や「人が定着しない職場」かどうかを知ることのできる客観的なデータ。ブラック企業を見分けるための数字と言えます。
先にも述べた通り、入社した人が次々と辞めていく入れ替わりの激しい職場こそ、ブラック企業の大きな特徴です。
ただし、離職率や平均勤続年数は業界や職種によっても異なります。厚生労働省のサイトにある「職種別離職率」もあわせてチェックするのがおすすめです。
お金はかかりますが、ブラック企業を避けるためなら納得できる出費ではないでしょうか。
前年度版や前々年度版なら、古書店で数百円程度でも購入できます。しかし会社の状況は変わる可能性もあるので、最新版を見る方が安心です。
お金をかけたくないなら、図書館を利用する手もあります。分館には前年度分しかないことも多いですが、大学図書館や中央図書館などでは最新版を閲覧できます。
厚労省が公開する「ブラック企業リスト」は氷山の一角かもしれない
厚生労働省が公開している「ブラック企業リスト」を見たことのある人も多いのではないでしょうか。
このリストには、次のような企業が掲載されます。
・違法な長時間労働や過労死が複数の職場で起きた企業で、経営トップが指導を受けたもの
これに関して、働く現場からは「労働局に摘発されるだけまだマシ」という声も。つまり公表されるのは、その違法性が労働局に見つかり、明るみになった企業だけ。
表に出ないブラック企業、より悪質なブラック企業が、このリスト以外に数多く存在するということなのです。
転職を考えるなら、自分自身でしっかりと情報収集をし、ブラック企業の被害に合わないよう、自衛しましょう。
具体的にはどうすればいいんですか?
企業側の出す情報だけを鵜呑みにせず、多方面からリサーチして、客観的な視点で応募するかどうかを決めましょう。
ブラック企業を見分けるには何より情報収集をしっかりしておくこと
ブラック企業で酷い目にあったという話は、決して珍しくなくなってきています。
苦労して転職に成功したと思ったら「ブラック企業だった」なんて、是が非でも避けたいもの。しかし、誰にでも起こり得ることなのです。
求人情報など、企業側が提案する「うますぎる話」には、裏があると疑ってかかるくらいがおすすめです。
転職先の候補が見つかったら、この記事で紹介した特徴に該当しないかをチェックし、四季報などの客観的なデータで裏付けを取るのが賢いやり方。
転職して後悔することのないよう、しっかり情報収集してくださいね。
- DODA 第二新卒歓迎!働きながら業界トップレベルの技術を学ぶモノづくりエンジニア募集
- リクナビNEXT 約8割が未経験からのスタート!大手商社でグローバルに活躍できる人材を募集中!
- マイナビ転職 女性の働きやすさ抜群!有給消化率98%の有名メーカーで事務スタッフを募集中
- エン転職 フレックス制で自由な社風!未経験者OK!平日夜・土日面接OK
- @type 残業月20h未満/年休125日/定着率95%【入社祝金アリ】
会社を経営し、人を雇うのなら、そのくらいは当然知っておくべきです。