退職するならボーナスはもらえない?辞める前に知りたい支給の条件

退職するならボーナスはもらえない?辞める前に知りたい支給の条件

転職先も決まり、いざ退職…という時に気になるのが「ボーナス」の扱い。

既に転職先は決まっているものの、ボーナスを貰えるなら貰ってから転職したいという方もいれば、退職後に転職活動をするつもりだからその資金として少しでもお金を貰っておきたい…という方もいるでしょう。

正直なところ、退職するとしてもボーナスが貰えるのであればやっぱり貰いたいもの。

ボーナスを上手に貰って退職する方法は?退職を告げるとボーナスはもらえない?など、ボーナスと退職にまつわる疑問を徹底的に解説していきます!

法律上の扱いは?賃金との違いは?今更聞けない「ボーナス」のキホン

ボーナスについてあれやこれや考える前に、まずは「ボーナス」について今一度おさらいしてみましょう。

日本では「ボーナスはもらえるもの」というイメージが強いですが、最近ではボーナスを出さない会社もありますし、前はボーナスがあったのに今はない…なんてこともあります。

まずは今更人にも、そして会社にも聞きづらい「ボーナス」のキホンについて見てみましょう。

日本におけるボーナスは「特別手当」

日本において、ボーナスは「賃金」には含まれません。「賞与」は会社にて一定の基準を満たすことで誰しもが貰える「特別手当」や「恩給」といった扱いですので、ボーナスがない会社であってもきちんと「賃金」を支払っていれば法的に問題ありません。

海外では能力や働きに応じて支給するもので、まさに「(働きに対する)ボーナス」と言えるシステムとなっており、日本のボーナスシステムが少々特殊なようですね。

労働基準法において「ボーナス」の義務は定められていない

意外かもしれませんが、実は日本の労働に関する法律である「労働基準法」において、「ボーナス(賞与)」の支給義務は定められていません。

なので先程も触れましたとおり、ボーナス支給しない会社があっても特別問題はないんです。

また、ボーナスの金額についても特別な定めはなく、厳禁だけでなく現物支給でも法律上の問題は全くありません。

ボーナスについては「就業規則」をチェックする必要あり!

ただし、会社として「ボーナスを支給する」ということを決めている場合、その内容について就業規則で記載する義務があると、労働基準法の第89条にて定められています。

また、先程労働基準法にてボーナスの支給について義務化されていないとありましたが、就業規則にて明確にボーナスについての支給額や計算式が定められている場合や、慣例として年に2回などボーナスが支払われている会社の場合は「支給義務」が発生します。

ですので退職時に限らず、今在籍している会社のボーナスに関する規定が知りたい場合、就業規則の中で「ボーナス(賞与)に関する項目」をチェックする必要があります。

賞与の扱いってちょっとややこしいですね。

就業規則で賞与について規定があれば、支払い義務があるといっていいんでしょうか?

就業規則でどのように規定されているかによりますが、毎年2回定例として賞与を支給する、との定めがあればそこに「支払い義務」が発生すると言っていいでしょう。

逆に「調子がよければ賞与があるかも」という形でしたら支払い義務とはなりませんね。

ボーナスで損をしないための「就業規則」チェックポイント

ボーナスについては会社の「就業規則」にて定められています。

就業規則のボーナスに関する項目について知っておくことで、退職時のボーナスの扱いや、退職日の設定に大きな影響を与えるといっても過言ではありません。

就業規則にてチェックしておきたいポイントはどこなのか、解説を含めてご紹介していきましょう。

「支給日在籍」が設定されていないかチェック!

ボーナスに「支給日在籍」が設定されている場合があります。

これは、例えば査定期間が1月~5月末で、ボーナス支給日が6月30日だった場合、6月30日時点で在籍していない社員に対してはボーナスを支払わない、という規定です。

ボーナスを貰ってから退職したいと考えているのであれば、退職日を6月30日以降に設定、あるいは退職の意向を6月30日以降に伝える必要があります。

後で触れますが、既に退職が予定されている人にボーナスを支給する場合、就業規則にて減額の規定があると満額もらえない可能性もありますので、ボーナスを貰ってから退職の意向を伝える方がいいでしょう。

「支給されない場合」が規定されているかチェック!

就業規則にて、「会社の業績が悪化した場合、その他やむを得ない事由があった場合賞与を支給しない」と規定が定められている場合、(退職に関係なく)ボーナスが支給されない場合があります。

「会社の将来性がなくて心配だから転職したい・退職したい」という方の場合、就業規則にこのような規定があると会社の業績によってはボーナスを支給してもらえないケースがあります。

「退職における賞与の減額規定」がないかチェック!

ボーナスの支給規定において、労働基準法などで法整備されているわけではありません。

ですので、「退職が決まっている人に対して支給するボーナスを減額することが出来る」という規定を定めることも実は可能です。

どれくらい減額するかは就業規則に依る所ではありますが、これまでの判例を見るかぎり減額するとしても上限2割と言ったところで、それ以上の減額が行われる場合は差額を請求できる可能性があります。

ボーナスには賃金の後払い(ボーナスで年収を調整)、過去の貢献や成果の配分、将来性の評価(動機づけ)という3つの役割を持つと言われています。

そのうちの「将来性(将来的に自社に貢献してくれるであろう可能性)」の査定が低くなるため、2割程度が減額される可能性があるというわけですね。

また、ボーナスを貰った後の一定期間内に退職することで一定金額を返還しなければならない、という規定があるケースもありますので「賞与支給日」以降の規定もあるかあわせてチェックしたいところです。

就業規則に賞与の記載があればそれに従う必要がある、というわけですね。

記載がなければ減額せず満額でもらえたり、必ず支給されるのでしょうか?

基本はそうですが、減額の規定がなくとも個人的な話し合いの中で減額する旨を言われるなどはあるかもしれません。

規定にないから絶対に大丈夫と言いづらいのが実情ですね…。

ボーナスは貰える?減額?退職とボーナスの疑問Q&A

ボーナスをしっかり貰うには「就業規則」のチェックが不可欠ということがわかりました。…が、就業規則に記載されていない「この場合はどうなの?」と疑問に思うシーンが結構あるんですよね。

そこで最後のこのトピックでは、「退職・転職とボーナスに関わる疑問」をQ&A形式で回答していきたいと思います。

ボーナスを貰った後退職届を提出したら、返還を求められる?

就業規則にて「ボーナス支給後○ヶ月以内に退職した場合は賞与の一部を返還する」という規定がある場合、その規定にならって返還しなければならないでしょう。

しかし規則で定められていないのであれば変換する義務はありませんし、全額の返還を求められることもないと思います。

とはいえボーナスを貰った直後の退職は心証も良くないですから、規定も合わせて失礼にならないタイミングで退職届を出したいですね。

有給消化中にボーナス支給日が来たけど貰えるの?

退職前の有給休暇の消化中にボーナス支給日が到来!というケースも少なからずあるでしょう。

有給休暇で休んでいるとはいえ、在籍していることには変わりありませんから問題なくボーナスを貰うことが出来ます。

ただ、有給消化をしている=退職を前提としているため、査定が低くなり、満額よりも少ない金額になる可能性があることは覚えておきましょう。

前の会社と転職先両方から上手くボーナスをもらうには?

退職し転職するなら、上手くボーナスを両方から貰いたいですよね。

まず現職はボーナスの減額を防ぐため、ボーナスを貰ってから退職届を出しましょう。

そこで重要になるのが「査定期間」です。多くの会社では毎年6月と12月というように年2回ですが、査定期間は会社によって少々違うことがありますので、しっかりと就業規則をチェックしましょう。

転職先の会社の査定期間が「4月~9月」「10月~3月」だった場合、4月に入社するのと6月に入社するのでは査定期間が2ヶ月変わりますのでボーナスに影響が出てきます。

なので上手にボーナスを貰うのであれば、

  • 現職はボーナスを貰ってから退職届を提出
  • できるだけ転職先の査定期間が長くなるタイミングで入社

となります。上記の例の場合、6月にボーナスを貰ってから退職届を出し、できるだけ早く(7月か8月)に入社することで転職先でもボーナスを貰えることが出来ます。

どうせなら沢山ボーナスを貰いたいですもんね!

本文のQ&A以外に気をつけることってあるでしょうか?

ボーナスを貰うことにこだわりすぎて転職までの期間を延ばしたり、引き継ぎを慌てて雑なものにするなどは絶対に避けたいことです。

社会人として責任ある行動を取る上で、計画的に転職することが大切ですよ。

就業規則は必ずチェック!その上で責任ある行動を

ボーナスは、査定期間きちんと働いていたのであれば、退職するとしても当然ながらもらう権利があります。

ですので必ず就業規則をチェックして、「ボーナス支給日に在籍している必要があるか」をはじめ、減額や返還などの規定があるかも合わせてチェックしましょう。

しかしボーナスを貰いたいがために転職先への入社日を先延ばしにしたり、退職届を出してから退職日までの期間が極端に短いというような、今在籍している会社及び転職先に迷惑をかけるような行為は避けましょう。

特に転職先への入社日を引き伸ばしにしていると、希望する入社日に入社出来ないのなら、と不採用になってしまうことも。

自分の働いてきた分ですからボーナスを貰うことは正当な権利ではあるものの、ボーナスに固執することは避け、責任を持って行動することを忘れないでくださいね。