営業ってどんな仕事?種類と仕事内容、必要な能力や役立つ資格を解説
営業は、自社製品やサービスの良さを伝えて多くの人や企業に売る仕事。営業マンの売り上げは会社の利益に直結し、どんな企業にも欠かせない存在です。
そうは言っても、営業の経験が乏しい人や未経験の人にしてみると、会社の外で営業マンがどんなことをしているのかよくわかりませんよね。
実は「営業」にもいろんな手法やスタイルがあるのです。
そこでこの記事では、営業の仕事内容や苦労、年収、求められるスキルについて詳しく紹介します。
営業職に興味がある人や営業への転職を考えている人はぜひチェックしてください。
営業の種類はたくさんある!手法・スタイル別の仕事内容とは
営業の仕事は主に3つの手法で相手にアプローチ
まずは、営業の主な手法を紹介します。
主な営業手法とは、「新規開拓」「ルートセールス」「カウンターセールス」の3つ。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
営業の主な手法その1:新規開拓
新規開拓営業は、まだ取引をしていない企業に対して営業をかける、もっともスタンダードな営業手法です。
飛び込み訪問、テレアポ、DMといったやり方がありますが、面識のない相手にアプローチする手法のため、断られることが多いというデメリットがあります。
営業の主な手法その2:ルートセールス(ルート営業)
ルート営業では、もともと自社と取引を行っている企業や個人が相手。定期的に訪問し、フォローやセールスを行います。
繰り返し訪問をすることで信頼関係を築いていきながら、相手の現状やニーズを把握して、販促や受注につなげていくのです。
詳しくは「ルートセールスは顧客の信頼が第一!仕事のやりがい、大変さも解説」の記事を読んでみてください。
営業の主な手法その3:カウンターセールス(内勤営業)
カウンターセールスとは、外回りをせず会社や店舗に来た客に商品やサービスを提供するもの。
旅行代理店の窓口、携帯電話の店舗販売、また直接対面せず電話で営業をする「テレセールス」などが当てはまります。
商品・サービスに興味がある人を相手にするという意味では「内勤営業」に近いですね。
「内勤営業ってどんな仕事?向き・不向き・大変なことなどを徹底解明」の記事も参考にしてください。
営業する相手によって違う営業スタイル
営業には、相手が「個人客」(個人営業)か、会社など「法人客」(法人営業)か、での違いもあります。
それぞれの仕事の特徴を見ていきましょう。
「法人営業」の特徴
法人営業は、文字通り「法人」を相手に行う営業のこと。「B to B」「B2B」とも呼ばれます。
「B to B」「B2B」ともに読み方は同じ(ビートゥービー)で、「ビジネス to ビジネス」の略です。
取引する期間が長く、取引金額も高くなる傾向にあります。
取り扱う商品の量が多い、あるいはサービス範囲が広い分、顧客との信頼関係を構築するための高い提案力や交渉力などのスキルが必要です。
・電子部品
・広告
・人材
・ITシステムなど
同じ業界内でも、旅行業のように個人営業と法人営業(修学旅行や社員旅行など)の両方を行う業種もあります。
「個人営業」の特徴
個人を相手にする個人営業は、「B to C」「B2C」とも呼ばれます。これは「ビジネス to コンシューマー(消費者)」の略。「カスタマー(顧客)」としている企業もあります。
「商品を買うか買わないか」を決めるのは目の前にいる顧客なので、初対面からでも契約まで持ち込むコミュニケーションスキルが必須です。
また、1件あたりの取引金額が限られるため、顧客人数を増やす営業活動も必要です。
・自動車
・保険
・不動産
・ネット回線など
対して、個人営業の顧客は一般の人。相手の空いた時間に合わせようとすると、どうしても夜や休日になってしまうので、残業や休日出勤の可能性も高くなりますね。
法人相手の方が取引額が大きくなるため、個人より説得するのが難しい、という人も多いんです。
営業するモノによって異なる営業の種類
さらに、営業が取り扱うモノ(商材)にも「有形商材」「無形商材」という2つの種類があります。
- 有形商材:自動車、住宅、電子部品、衣類
- 無形商材:人材、システム、コンサルティング、広告
「有形商材」は文字通り、形のある商材です。目の前に商品を置いてメリットや取扱方法を説明できるので、商品の良さを顧客に伝えやすいという特徴があります。
一方「無形商品」は、サービスなど「形を持たない」商材です。商材のメリットや魅力を伝えるには、営業マンのアピール力、ヒアリング力、交渉力などが問われます。
ソフトなどの有形商材とシステムやWeb制作といった無形商材の両方を取り扱います。
営業が「辞めたい」と思う原因とそれぞれの対処法を紹介
企業や個人に商材を売ることは、想像以上に大変な仕事です。
そのため、営業の仕事が体力的・精神的につらくて退職してしまう人や、常に「辞めたい」と思い悩む人が多いのも事実です。
営業職に就いた人が「辞めたい」と思う、主な原因とその対処法を表にまとめました。
辞めたい原因 | 対処法 |
---|---|
「売れない」 「契約が取れない」 |
・営業トークを見直す ・売れている人にアドバイスをもらう |
「顧客との会話が苦手」 「コミュニケーションスキルに自信がない」 |
・HPを見るなど取引相手について知る ・取引先の企業や担当者を褒める ・業界の話題など会話の「ネタ」を用意する |
「ノルマが厳しい」 「上司のプレッシャーがきつい」 |
・「PDCAサイクル」を取り入れる ・何をすれば達成できるか、具体的に書き出す |
「残業が多い」 「勤務時間が不規則でつらい」 |
・業務内容や時間の使い方を見直す ・上司に相談する |
ただガムシャラに売り込もうとするだけではダメ、ということなんです。
日々計画と実行、反省を繰り返してらせん状に上がっていくイメージを描いてみてください。
ノルマや数字に対する漠然とした不安は、やるべきことを明確にして解消しましょう。
営業の気になる年収や給料事情ー「インセンティブ」がカギ
営業職全体の平均年収・給料については、政府が統計をとっていないので残念ながら紹介できません。
職種 | 給料 | 年収 |
---|---|---|
自動車外交販売員 | 339,100円 | 5,005,200円 |
保険外交員 | 305,900円 | 4,225,900円 |
※年収は「きまって支給する現金給与額」×12カ月分+年間賞与その他特別給与額にて算出
それなのに、お給料は車の営業マンより低いんですね。
営業には、頑張りが成果につながる「インセンティブ」が支給されることが多いので、人によって収入の差がつきやすいですよ。
インセンティブとは、営業成績やノルマ達成率に応じて基本給とは別にもらえる給料のこと。営業の場合、事務などのように完全固定給というケースは少ないです。
インセンティブの有無など、給与形態については求人情報に書かれているはずなので、必ずチェックしてください。
未経験で営業に転職する場合の3つの注意点
営業の仕事をするのは初めて、という人に、求人情報でチェックすべきポイントを3つお伝えします。
- どんな営業をするのか(営業手法、スタイルなど)
- 基本給のほかにどんな「手当」がつくのか
- インセンティブや歩合の制度があるか
必ず確認しておきたいのは、どんな営業手法、スタイルなのかということです。
上でも述べましたが、一般的には個人営業より法人営業の方が難易度が高いと言われています。また、新規開拓よりもルート営業の方がハードルは低いと言えます。
営業にもいろいろな種類があるので、「その会社の営業」をできるだけ詳しく把握しておくことが転職成功のコツです。
「どんな場所でどんな人を相手にどんな営業をするのか」を明確にしておきましょう。
また、基本給のほかに支給される「手当」もしっかり見ておきましょう。
「通勤手当」「住宅手当」「家族手当」「役職手当」など会社によってさまざま。営業の場合は「営業手当」がつくケースも多いです。
「営業手当」とは、食事代など営業活動中の出費を想定して会社が営業社員に支給する手当です。
基本給は同じように見えても、これらの手当の有無でもらえる給料の合計に大きく差が出る可能性もあります。
ただ、注意すべきは営業手当に残業代をみなしで含めている企業があるということ。
残業代は別で支給されるかどうか、忘れずに確認しておきましょう。
時にはインセンティブ制度はあっても、目標達成のハードルが高いせいで、「実際に支給されることはめったにない」なんてことも。
インセンティブ制度があるかどうかはもちろん、ある場合はどういう時に支給されるのかもチェックしてください。
一概には言えませんが、避けたほうが無難ですね。
「営業職への転職は未経験からでもOK!業界選びのポイントなど解説」の記事も参考にしてください。
40代の人は「未経験から営業に挑戦する際の重要ポイントとは?40代でも転職成功」の記事もぜひどうぞ。
営業への転職の際に持っていると有利になる資格・経験
営業職に就くのに「これがないとダメ」という資格はありませんが、持っていると有利な資格や強みになる経験はあります。
営業への転職にあると有利な資格6選
まずは資格について見ていきましょう。
営業士
「営業士」は、業界を問わず、営業職全般に役立つ資格の1つ。
営業の基礎的な知識からマーケティング、マネジメントの応用知識まで身につけることができます。この資格が肩書として役に立つことは少なくても、資格取得のための勉強が自分の役に立つのです。
セールスレップ
「セールスレップ」とは、企業に代わって営業活動を請け負う人のことを言います。企業に所属する営業職の人にも役立つ知識が学べます。
販売業務の基礎知識や専門知識はもちろんのこと、販促やマーケティング、コンサルティングなどのスキルを網羅するものです。
次からの資格は、「営業」そのものでなく取り扱う商品やサービスに関するもの。自分の関わる業界についての知識が豊富であるほど、セールストークにも説得力が加わります。
ITパスポート
「ITパスポート」は、IT関連の国家資格「情報処理技術者試験」の一部で、IT業界ビギナー向けの資格です。
ITに強い営業マンはIT業界以外でも重宝されるので、持っていると転職時に有利です。
宅地建物取引士
「宅地建物取引士」は、建築業界・不動産業界・金融業界で営業をするのにおすすめの国家資格。「宅建」という略称で聞いたことがある人も多いですよね。
不動産会社の場合、5人に1人の割合で設置することが義務付けられているので重宝されます。
ファイナンシャル・プランナー
不動産業界・保険業界・金融業界に欠かせない知識の証明となるのが「ファイナンシャル・プランナー」の資格です。
人生のプランに合わせた保険の見直しができる、年金や金融商品についての豊富な知識があるなど、この資格を持っていると客からの信頼度も高まります。
「営業の仕事・転職に有利な資格とは?業界別のおすすめ資格も解説」の記事も参考にしてください。
今からじゃ、もう取る時間もなさそうです。
まずは自己分析です。長所や得意なこと、培ってきた経験などをノートに書き出して、自分のアピールポイントを探してください。
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 「販売」や「接客」の経験
そのためには相手との間の壁を取り払い、相手の本音とニーズを引き出す「コミュニケーション能力」、相手のニーズに合わせて商品を売り込む「提案力」が求められます。
また、営業は常にクライアントを中心に動く仕事なので、直接お客さんと顔を合わせてモノを売る「販売」や「接客」の経験を歓迎する会社は多いです。
営業は人の入れ替わりが多い仕事でもあります。「営業が辛くて辞めたい!仕事のお悩み別対処法と転職の注意点を解説」の記事も参考にしてください。
より自分に合った仕事を探すなら、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
営業への転職を成功させるコツは自分に合った営業職を見極めること
営業は、どんな会社にも必要な仕事。そのため求人も豊富に見つかりますが、営業の仕事を離れてしまう人もたくさんいるという現実があります。
ストレスや壁にぶつかりやすい営業への転職を成功させるには、自分に合った営業職かどうかを転職前にしっかり見極めることが重要です。
営業には、企業が相手だったり個人が相手だったり、新規の飛び込みだったり顧客のフォローだったりと、さまざまな種類があります。
気になる企業や求人があったら、できるだけたくさんの情報を集めて、実際に自分が営業している様子を具体的にイメージしてみてください。
わからないことや不安をひとつひとつ解消して、転職成功を目指しましょう。
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