時短勤務とは?だれでもわかる「短時間勤務制度」の法律と基礎知識!

時短勤務とは?だれでもわかる「短時間勤務制度」の法律と基礎知識!

産休や育児休暇を取れる期間が終わったら、いよいよ仕事復帰です。とはいえ、小さな子どもを育てながら働くのは、かなり大変なことですよね。また、介護が必要な家族がいる場合も同様です。

そんな方々が少しでも楽に仕事と育児や介護を両立するために、『育児・介護休業法』という法律によって、会社は時短勤務などの措置を行うよう定められています。

今回は、この時短勤務とはどんなものなのか、時短勤務の対象にならない人はどんな人なのか等、知りたいポイントを分かりやすくご説明します。仕事と育児・介護の両立にお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね!

時短勤務って何?基本的な概要を知っておこう!

時短勤務とは、元々の労働時間よりも勤務時間を短くしたり、残業をなくしたりする働き方やその制度を指します。まずは、そんな時短勤務について、概要を知っておきましょう。

時短勤務の実際

時短勤務と言っても、実際には様々な形があります。

  • 所定労働時間を短縮する
  • 出勤時間を遅くする
  • 退勤時間を早くする
  • 日ごとに出勤時間や退社時間を変えられるフレックスタイム制

後にご説明するように、一般的には7.5時間~8時間程度の所定労働時間を、6時間に短縮することが時短勤務の典型例です。

しかし、それが難しい場合は、出勤時間や退社時間を変更したり、フレックスタイム制にしたりすることで、仕事と育児や介護の両立をしやすくすることも時短勤務に含まれます。

会社独自の制度があることも

次章で時短勤務に関する法律(「育児・介護休業法」)についてご説明しますが、これは国が定めたいわば最低限の制度であり、労働者が希望した場合は、この法律で定められている範囲内の時短勤務を会社側が拒否することはできません。

しかし、法律で定められていること以上に労働者にとって有益な時短勤務制度を、会社独自で定めて導入しているところもあります。

まずは、会社の就業規則を確認したり、担当者にどのような制度があるのか聞いてみたりすることをおすすめします。

時短勤務には、法律上の制度と、最低限それを含んだ会社独自の制度との2種類があると考えられるんですね。

いわゆるマタハラのようなことが、時短勤務をしている人にも起こり得ますよね。時短勤務をするのが心苦しい人も多いと思いますが、何か対策はありますか?

平成29年10月1日施行の改正育児・介護休業法では、マタハラ等の防止措置義務が新たに付け加えられました。

時短勤務についても、それによる不利益や嫌がらせがないよう会社が気をつけなければならないわけです。

法律も会社も変わっていきますから、今後はもっと気兼ねなく時短勤務できる世の中になるはずですよ。

時短勤務に関する法律をチェック!「育児・介護休業法」とは?

時短勤務について概要をご紹介しましたが、次はそれに関する法律を見ていきましょう。

実は、「時短勤務」という言葉は法律用語にはなく、法律の中では「短時間勤務」「所定労働時間の短縮」などと言われていますが、意味としてはどれも時短勤務と同じです。

3歳までの育児に関する短時間勤務

先にも触れたように、時短勤務は「育児・介護休業法」によって定められた決まりのひとつです。育児や介護をしながらでも、無理なく仕事が続けられるようにするための制度です。

同じ時短勤務でも、育児と介護では少し内容が違いますし、同じ育児でも子どもの年齢によっても差がありますので、まずは3歳未満の子の育児をする人のための時短勤務が法的にはどのような内容になっているのか、その概要を見てみましょう。

・事業主は3歳未満の子を持つ労働者のために短時間勤務制度を設けなければならない
・短時間勤務制度は、1日の労働時間を原則6時間にするという規則を含む
・短時間勤務が難しい場合は、それに代わる以下のような措置を取らなければならない
  ①フレックスタイム制
  ②始業・終業時刻の繰り下げ・繰り上げ
  ③保育施設の設置運営等
・労働者からの請求があった場合、残業をさせてはならない
・事業主はこれらの制度があることを対象となる労働者に知らせる努力をしなければならない
・事業主は、未就学児を持つ労働者が育児に関する目的で取得できる休暇制度(子の行事のための休暇等)を作る努力をしなければならない

子どもが3歳までの時短勤務やそれに代わる措置は、どの会社でも利用できることが法律によって決められています。

一番下にあるような、子どもの行事など、家族の時間を過ごすための休暇がとれる制度を作る努力義務も、平成29年10月1日施行の改正育児・介護休業法からつけ加えられました。

3歳~小学校就学前の育児に関する短時間勤務

では次に、3歳から小学校就学前までの子どもを持つ人について、法律上どんな時短勤務が可能なのかを見てみましょう。

・事業主は、3歳から小学校就学前までの子を持つ労働者のためにも短時間勤務制度等、必要な措置を取る努力をしなければならない
・事業主は、1か月につき24時間、1年で150時間を超える残業をさせてはならない

短時間勤務制度等は、具体的には時短勤務やフレックスタイム制など、3歳未満の子を持つ場合と同じです。

しかし、3歳未満の子を持つ人についての時短勤務が事業主への義務であるのに対し、3歳~小学校入学前までの子どもがいる労働者に関しては努力義務となっています。なので、会社によっては子どもが3歳を超えると時短勤務ができなくなるケースもあります。

また、3歳までの子を持つ労働者が希望すれば、会社は残業自体させてはならなかったのですが、3歳を超えると、時間に制限はあるものの、残業そのものが禁止というわけではなくなります。

介護に関する短時間勤務

では次に、家族内に介護を要する人がいる場合の時短勤務について、法律的にはどうなっているのか見てみましょう。

・事業主は介護を要する家族を持つ労働者に対して、連続する3年間以上の期間、以下のいずれかの措置を講じなければならない
  ①所定労働時間の短縮措置
  ②フレックスタイム制度
  ③始業・終業時刻の繰下げ・繰上げ
  ④労働者が利用する介護サービス費用の助成またはそれに準じる制度
・その措置は、2回以上利用ができるものにしなければならない
・介護が終了するまで残業が免除される

以前はもっと限定的な制度だったのですが、介護に関しては要介護者の年齢に制限がないですし、要介護人口の増加という背景もあり、平成29年10月1日施行の改正育児・介護休業法により、上記のような内容に変わりました。

時短だけでなく、途中に介護休業をはさむなど、休業制度と組み合わせて利用することも可能です。

時短勤務をするのは女性というイメージですが、法律の中に女性と限定する文言はないですね。男性もこの制度を利用できるのですか?

それから、時短勤務になると、お給料はどうなるのですか?それについても、法律で決まっているのですか?

もちろん、男性も時短勤務が可能です。男性も当たり前に育児をする世の中になるよう、国も政策に力を入れています。

しかし、法律上はお給料に関しての定めがなく、時短勤務中は減給となる会社がほとんどですので、家族での話し合いも必要ですね。

要注意!短時間勤務制度を利用できない人とは?

お話してきたように、育児や介護をしながら働く方は、短時間勤務制度を利用できることが法律で決められています。しかし、一定の要件を満たさない人は、短時間勤務ができないことがあります。それは、どんな人なのでしょうか?

短時間勤務制度を利用できない人

以下の方々は、3歳未満の子どもや要介護の家族がいても、法律上は時短勤務ができないことになっています。

  • 日雇い労働者
  • その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
  • 事業の正常な運営を妨げる場合

正社員はもちろん、派遣やパートの方も短時間勤務制度を利用できますが、週に3日以上の勤務を継続して1年以上続けていることが条件となります。

もちろん、会社独自の制度があればその限りではないのですが、法律的には上記に当てはまる方は短時間勤務をさせてもらえなくても文句が言えない状況です。

また、育児中の短時間勤務について、以前は法律上の親子関係がある実子か養子を持つ人に限られていましたが、平成29年の法改正により、特別養子縁組の監護期間中の子や、養子縁組里親に委託されている子なども対象になりました。

請求をすることが前提!

育児休業や時短勤務などの制度があることを労働者に知らせる努力義務も、平成29年の改正法から新たに設けられましたので、会社にもきちんと労働者に説明し、時短勤務の希望があるかどうか確認する責任があります。

しかし、育児・介護休業法には、短時間勤務やそれに代わる措置を講じる義務について、「労働者が請求した場合」という言葉が付け加えられています。

したがって、会社側としては、要件を満たしている人に関しても「労働者からの請求がなかったから時短勤務させなかった」という逃げ道もないことはないのです。

ですから、時短勤務を希望する場合は、自分から会社側にそれを伝えることが前提となります。希望を伝えてもすぐに時短勤務に入れるとは限りませんので、前もって話し合いを持つようにしましょう。

「育児・介護休業法」という法律で、育児と介護に関する内容がひとまとめになっていますが、制度としてはそれぞれ別に定められていますよね。

晩婚化の影響もあって、育児と親の介護を一気にやらなければならない人も多いようですが、そんな時はどうすればいいのでしょうか?

育児と介護を同時にしなければならない、いわゆるダブルケアに悩む方も増えていますが、法律の中にはダブルケアに関する記述はありません。

しかし、会社との話し合いで介護の時短と育児の時短を重複して利用できるケースもあります。まずは、会社に相談してみましょう。

3歳未満の子か要介護の家族がいればどの会社でも時短勤務が可能!

「育児・介護休業法」により、会社は3歳未満の子や要介護家族のいる労働者からの請求に応じて、短時間勤務かそれに代わる措置を取らなければならないことが定められています。

勤務時間を短くしたり、フレックスタイム制などを導入したりして、仕事と育児や介護の両立をしやすくする義務が、すべての会社にはあるというわけですね。

ただし、法律上は週3日以上・継続して1年以上の勤務等の条件がありますし、会社独自の時短制度があるケースもありますので、仕事との両立を目指したい方はぜひとも自分から会社側に相談してみましょう。