逆マタハラとは。あるあるな迷惑行為、しわ寄せ…上手な対応を紹介

妊婦に対する嫌がらせ、マタハラ。それが話題になる一方で、妊婦や育児中のパパママの周囲が苦しむ「逆マタハラ」も注目を集めています。

「同僚が妊娠を言い訳にワガママ放題している」

「時短勤務の社員の代わりに、自分が長時間残業している」

こうした事態に周囲が悩まされ、ときには「辞めたい」と考えるケースが問題になっているのです。

この記事では、「逆マタハラ」とは何なのか、具体的な事例や逆マタハラをする社員の特徴について解説します。

逆マタハラを解決するための対策、相談するべき相手についてもご紹介しますので、今悩んでいる人も今後の参考にしたい人も、ぜひ読んでみてくださいね。

「逆マタハラ」とは妊婦・子育て社員の周囲がこうむる迷惑行為

働く妊婦や子どもの親が、職場の上司や同僚から嫌がらせを受ける「マタハラ」。近年の社会問題になっていて、平成29年にはマタハラ防止措置が企業に義務付けられました。

その一方で、「逆マタハラ」という新たな言葉が最近注目を集めています。

「逆マタハラ」とは、妊娠・出産・育児を行う社員の周りの人がこうむる、職場内の迷惑行為や過剰な負担などの問題です。

たとえば、妊娠中の人が同僚や上司・部下に対して礼儀をわきまえない非常識な言動をすること。

もしくは、誰かが育児休暇や時短勤務を利用するためのしわ寄せが、他の社員の大きな負担になってしまうことが「逆マタハラ」と呼ばれています。

職場内に逆マタハラが発生してしまうと、人間関係が悪くなり、仕事の効率も落ちてしまいます。

逆マタハラには、大きく分けて2種類のタイプがあります。順番に、具体的な例を見ていきましょう。

逆マタハラのタイプ1:妊婦や育児中の社員の問題行動

1つめは「妊婦や育児中の社員が、傍若無人な振る舞いで周囲に迷惑をかける」というパターンです。

具体的な問題行動として、たとえば次のようなものがあります。

問題行動とは、たとえば……

・妊娠や育児を理由に、やりたくない仕事を人に押し付ける
・「妊婦なんだから気遣って」と当然のように要求する
・何かと、妊娠や育児についての自慢や愚痴ばかり言う
・子どもがいない人をバカにする
・ミスや無断欠勤を責められても「妊婦だから」と開き直る
・フォローに対する感謝がない
・わざと保育園に落ちるような行為をし、不正に育児休暇を延長している

こうした迷惑行動や不正行為を行う社員は「お妊婦様」「モンスターワーママ」などとも呼ばれています。

本人にワガママを言っている認識はなくても、一緒に働く周囲の人のモチベーションを奪い、職場全体の士気を下げてしまう重大な問題です。

逆マタハラ(=迷惑行為)をする社員の特徴

このタイプの逆マタハラを行う社員には、いくつか特徴が見られます。

特徴1:フォローする側への配慮がない

仕事のフォローをしてもらっても、「ありがとう」という感謝や「せめて少しでもやりやすく」といった段取りなどの配慮がないのが特徴的です。

むしろ「妊婦なんだから気遣われて当たり前」「制度があるんだから使うのは当然の権利」という態度をにじませたり、独身やベテランを見下すような言動をしたり……。

そういう人に対しては、周囲も気持ちよくフォローすることは難しくなるでしょう。

特徴2:引き継ぎが不充分

産休や育休に入る際、自分の仕事を肩代わりする人に対して、充分や引き継ぎをせずに長期休暇に入ってしまう人もいます。

残された側は、慣れない仕事を手探りで肩代わりしつつ、自分の仕事もいつもどおりこなさなければならず、消耗の度合いが大きくなります。

特徴3:妊娠・子育てを言い訳に使う

うっかりミス、遅刻や欠勤、やりたくない仕事を誰かに押し付けるときの言い訳などに、「妊娠中だから」「子育て中だから」と切り札のように言う人もいます。

妊娠や子育ては、確かに負担のかかることです。つわりや寝不足、体調不良で苦しむ人も多いでしょう。

周囲から見れば「本当に調子が悪いのか、それとも言い訳しているだけなのか」の判断がつきづらく、黙って受け入れるしかない状況に悶々とし続けるケースもあります。

また、無断欠勤の注意など正当な要求をされたときに「マタハラだ!」と騒いで、わざと問題をすり替えようとする人もいます。

これは、誠実に働いている他の妊婦や時短勤務者にも迷惑をかける行為であり、非常に悪質な逆マタハラと言えるでしょう。

逆マタハラのタイプ2:人手不足によるしわ寄せ

逆マタハラの主なタイプの2つ目は、人手不足によるしわ寄せです。

出産・育児で休む人や時短勤務で働く人のために、他の社員に大きな負担がかかるパターンで、当事者というより会社の体質に問題があると言えます。

具体的には次のようなケースが挙げられます。

人手不足によるしわ寄せとは、たとえば……

・時短勤務者の代理業務で残業が増え、自分のプライベートがなくなった
・明らかに人手が足りないのに、人員が補充されない
・同じ人が育休・妊娠を繰り返し、長期間休むことで仕事に支障が出ている
・育児中の人が優先的に休みをとれることに、納得がいかない

たとえ妊婦や時短勤務をしている本人に落ち度がなくても、フォローする側の負担があまりに大きければ、やはり不満が沸き上がってきます。

残業が増えてプライベートが侵食される……という物理的な負担だけでなく、「自分ばっかりこんなに働いて」とモヤモヤしたり、「給料も評価も上がらないのに」という虚しさが生じたりと、精神的な負担も大きなものになります。

子育てが大変なのはよく分かるけど、仕事のフォローも正直、楽じゃないですよね。
しかも、そんな不満を抱く自分に罪悪感を感じたりもして、落ち込んでしまうんです……。
人手不足のまま放置されたら、フォローする側のメンタルにも、職場の人間関係にも、悪影響が生じますよね。

このタイプの逆マタハラは仕返しのためのマタハラを生んでしまうケースもあり、その点でも注意が必要です。

「資生堂ショック」とは?逆マタハラ議論の引き金にも

ここでご紹介したい実例が、「資生堂ショック」です。

化粧品の製造・販売を行う資生堂は、1990年代からいち早く時短勤務制度を導入するなど「女性の働きやすさ」にこだわる姿勢で有名な会社です。

資生堂には、化粧品売り場の販売員である「ビューティコンサルタント(=BC)」という職種があり、その多くが昔から出産・育児のための制度を活用してきました。

制度では、通算5年にわたる休職と育児中の時短勤務が認められていましたが、時短勤務の社員が仕事を終える午後5時は、ちょうど売り場が賑わい始める時刻です。

忙しい時間帯の負担が他のBCたちに重くのしかかり、大きな問題とされていました。

そこで資生堂は、育児中の女性社員(BC)に対して、会社と相談した上で土日勤務や遅番勤務を積極的に行うよう、促したのです。

この流れは「産まない女子VS産んだ女子」という不幸な対立構図を象徴する出来事として、「資生堂ショック」と呼ばれ話題になりました。

世間では、さまざまな立場の人から多くの声があがり、SNSなどネット上を中心に大きな議論を巻き起こしたのです。

資生堂ショックをきっかけに「自分の職場はどうだろう?」と、逆マタハラについて考えるようになった人も多いのではないでしょうか。

逆マタハラ問題の対策は?企業と社員にできること

逆マタハラ問題は、個人間での話し合いではどうにもできないケースも多いもの。これを根本的に解決するためには、雇用主である会社側が対策を行う必要があります。

会社側に求められる対策は、具体的には「人員の補充」と「制度の改善」です。

制度の改善とは、たとえば「フォローする側の社員も休暇を取りやすくする」「貢献している社員に対し、ボーナスや評価UPといった見返りを用意する」など。

職場全体に「不公平感」が漂わないような仕組みづくりが大切です。

ただし、会社側の対応を待っているだけでは、状況が変わらないことも事実です。

人手不足の解消や制度の改善のために声を挙げつつ、別の角度からできることも実践していきましょう。

個人で行える対策としては、次のような対策が考えられます。

フォローする側ができる対策

残ってフォローする側が逆マタハラをできるだけ避けるための対策としては、次のものが挙げられます。

1.冷静に課題を把握する

裏で愚痴ったり陰口を言うのではなく、冷静に、客観的に課題を把握することが大切です。

現状の何が問題で、どのように変われば問題が解決するのか。その変化を起こすためには、何をどうしたらよいのか。こうしたことを筋道立てて考えてみましょう。

上司に問題を報告するときも、感情的になれば「単なる当事者同士のトラブル」としてはねつけられてしまうことがあります。あくまでも仕事の相談として、冷静にを説明するのが解決への近道です。

2.仕事のやり方を見直す

簡単なことではありませんが、忙しいときこそ効率化のチャンスにもなります。

仕事の手順全体を見直して、不要な業務があれば省略したり、それぞれの業務に優先順位をつけたりして、効率アップを図りましょう。

業務内容や環境的に可能であれば、リモートワークを上手に取り入れるのも一つの手です。

3.視点を変えてみる

自分の精神的なストレスを減らす工夫として、「ある程度はお互い様」というように視点を変えてみるのも有益です。

もちろん、大きすぎる不満を無理やり抱え込む必要はありません。ただ、ちょっとした頼み事も「私には関係ない」とはねつけてしまっては、自分に何かがあったときに誰も助けてくれなくなってしまいます。

もしも将来、自分が長期休暇をとることになったとしたら……と想像してみて、「お互い様だな」と思えたら、その感情を大切にしましょう。

自分が加害者にならないための対策

では次に、自分が妊婦や育児を行う立場になったとき、逆マタハラの加害者にならないためにはどうしたらよいのかを考えていきましょう。

1.感謝を言葉と態度で示す

妊娠中や子育て中は、自分や家族のことで頭がいっぱいになってしまいがち。でもせっかく手助けしてくれたのにうっかり感謝を伝え忘れたら、相手も気分が良くありません。

感謝を言葉と態度できちんと示すだけでも、「フォローして良かったな」と気持ちよく感じてもらえるもの。うっかりしがちだからこそ、意識して感謝を伝えましょう。

2.できるだけ相手の負担を減らす

仕事を引き継ぐ際は、できるだけ進めやすい状態に整えて相手の負担を減らしましょう。

自分の仕事内容を見直して手順を分かりやすく書き出したり、複雑な作業はとくに丁寧に説明したり、自分で行うとき以上にやりやすく整備する心遣いが大切です。

相手も仕事を抱えた中でフォローしてくれている、ということを忘れてはいけません。

また、もしも今後相手が助けを必要としたときには「自分が進んでフォローを申し出る」という、長期的な恩返しも心に置いておきましょう。

3.話題選びにも気遣いを

妊娠や結婚に関する話題は、デリケートなものです。話を聞いてくれている相手の事情は、なかなか分かりませんよね。

たとえば、子どもが欲しくても様々な事情で持てない人もいます。そんな人に行き過ぎた妊娠自慢をしてしまったら、人間関係が悪化するのも当たり前です。

相手がどんな事情や思いを抱えているのか分からないことを常に忘れず、話題選びにもちょっとした気遣いを心がけましょう。

逆マタハラの相談先は?上司や社内・社外の専用窓口が◎

悩みは、一人で抱え込んでもなかなか解決しません。では、実際に逆マタハラを受けて悩んでいるとき、誰に相談したら良いのでしょうか?

相談先1:職場の上司

まず最初に検討したいのは、信頼できる上司です。きちんと話を聞いてくれそうな上司がいるなら、現場を実際に知っているその人にまずは相談してみましょう。

その際は、あくまでも冷静に客観的に、問題点や解決法を話すことを意識してください。

相談先2:社内の相談窓口

ある程度の規模の会社なら、社内に労働問題専用の相談窓口が設けられている場合もあります。

上司では解決しない問題については、こうした社内窓口に相談するのも良いでしょう。

相談先3:外部の相談窓口

社内の人やシステムが信頼できない、改善が見込めない……というときには、外部の機関を頼ることをおすすめします。

職場が置かれている都道府県の労働局、もしくは労働基準監督署が設置している「総合労働相談コーナー」に相談してみましょう。

直接行くのが難しい場合も、電話で相談できるので安心です。

逆マタハラの解決がどうしても難しいようなら、企業の体質に問題があるのかもしれません。そんなときは転職も視野に入れ、自分の心身を守っていきましょう。

2種類の逆マタハラ。対策を知ってもっとも良い選択を

逆マタハラとは、妊婦や育児中の周囲のうち、職場の人々がこうむる迷惑行為や問題のことです。

逆マタハラを大きく分けると「妊婦や育児中の人の問題行動」と「職場の人手不足によるしわ寄せ」の2種類があります。

どちらもフォローする側が苦しい思いをする上、放置しておけば離職や人間関係の悪化、職場全体のモチベーションダウンに繋がります。

ご紹介した対策を実践した上で、どうしても問題解決が見込めなければ、転職を視野に入れることも検討しましょう。

外部の相談窓口も活用しながら、自分のために最も良い選択をしていきましょう!

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