転職の圧迫面接の質問例とは?企業側の意図と最適な対応・対策を紹介

転職の圧迫面接の質問例とは?企業側の意図と最適な対応・対策を紹介

転職活動の中でも、面接は最も重要なステップです。直に自分の思いや熱意を伝えられる貴重な機会を最大限生かそうと意気込む方も多いと思います。ただ、失敗がダイレクトに合否に響いてくるので、緊張感もかなりのものですよね。

そんなただでさえプレッシャーのかかる面接の場で、いわゆる『圧迫面接』というものに遭遇することがあります。

圧迫面接では、文字通り、通常の面接よりもさらに強いプレッシャーを与えるような態度をとられるので、委縮してうまく対応できなくなってしまう人も少なくありません。答えにくい質問をされて、どう対応するべきか迷ってしまうこともあるでしょう。

そこでここでは圧迫面接を行う企業側の意図と、実際に圧迫面接に直面した時の対応や対策について、具体例を交えながら解説していきたいと思います。

感じ方は人それぞれだけど…圧迫面接ってどんなもの?

そもそも、圧迫面接には明確な定義やマニュアルがあるわけではありません。一口に圧迫面接と言っても、企業や面接官によってやり方は様々です。

ただ、一般的には、以下の2つの特徴に当てはまれば、圧迫面接と言えるでしょう。

  • 終始、高圧的かつ否定的な態度をとる
  • ネガティブな質問ばかりしたり、必要以上にしつこく1つのポイントを掘り下げる

圧迫面接では、面接官はあえて意図的にこのような態度・言動をとります。

とはいえ、感じ方は人それぞれなので、一概に『これは絶対に圧迫面接だ』とは言えません。同じ面接官、同じ内容の面接でも、圧迫面接と感じる人と、そうでない人がいることもあるでしょう。

圧迫面接を行う意図とは?企業が知りたい3つのポイント

ではなぜ、わざわざ圧迫面接という手法を用いて面接を行うのでしょうか?企業が圧迫面接をしてくる意図は、大きく分けて3つあります。

  • 想定外の状況で出るとっさの本音が知りたい
  • ストレス耐性を知りたい
  • 柔軟さや臨機応変な対応力を知りたい

面接を受ける側は、想定される質問に対して、ある程度の準備をしていきますよね。しかし企業によっては、準備された回答を建前として嫌い、応募者の本音を引き出したいと考えます。

そのために型どおりの面接ではなく、圧迫面接という受ける側にとっては想定外の要素が大きいアプローチをとるのです。

また、初対面で、しかも面接という重要な局面で威圧的・否定的な態度を取られるというのは、受ける側にとっては大きなストレスになりますよね。その強いストレスのかかる状況下でどのような反応をするのかというのも、圧迫面接ならではのチェックポイントになります。

さらに、圧迫面接では繰り出される答えにくい質問を、どのように切り抜けるかという柔軟さや対応力も見ることができます。

このように、通常の面接ではわかりにくい応募者の本質的な部分を知ることができるという点においては、圧迫面接は企業側にとって有効な手法とされているのです。

もはや圧迫面接ではない!労働省が禁止する面接において不適切な質問

圧迫面接には明確な定義がなく、個々の企業や面接官の判断に任される部分が大きいということもあって、往々にして過激になりすぎてしまいがちです。

中には、圧迫面接を通り越してただの嫌がらせに近くなってしまう悪質なケースも少なからずあります。

そのため、厚生労働省では採用選考の公正さを維持するために、禁止すべき質問を定義した指針を設けています。具体的には、以下のようなそれに質問が該当します。

  • 本人に責任のない事柄に関する質問(家族や家庭の状況、住居とその周辺環境など)
  • 個人の自由権に属する事柄に関わる質問(宗教や思想、趣味など)
  • 特に女性に対しての人生設計に関する質問(交際相手の有無や結婚・出産の予定など)
これらの質問に含まれる要素は本人の適性や能力とは無関係であり、なおかつごくプライベートな領域に踏み込むものです。回答が結果に反映される採用選考にこの類の質問を取り入れることは、重大な就職差別につながります。

圧迫面接の手法としての是非はともかく、その目的はあくまでも応募者の業務に関わる能力を知ることであるべきです。上記のような質問が含まれてくるのであれば、それはもはや圧迫面接とさえ言えなくなります。

ただ、実際には、結婚の予定や家族構成などは不適切な質問であるという意識が低い企業も多く、圧迫面接でも、そうでない場合でも、聞かれることは珍しくないのが現状です。

したがって、それだけで圧迫面接だ!ハラスメントだ!と即断するのは早計かもしれません。とはいえ不適切な質問であることには間違いはないので、答える義務はないということは覚えておくと良いでしょう。

もし業務の適性や能力に関係のない不適切な質問をされたとしても、印象を悪くするのが嫌で正直に答えてしまいそうです。相手の気分を害さずに上手に断るにはどんな言い方をしたらよいのでしょうか?
そもそもが聞いてはいけないことなのですから、ストレートに『申し訳ありませんが、業務と関係のないことにはお答えできかねます。』と伝えてしまっても問題はありません。でも面接官に悪意が感じられなかったり、支障のない質問であれば、正直に答えてしまうというのも無難な方法です。

新卒時とは違う!転職のときの圧迫面接で聞かれるのはどんなこと?

新卒で就職活動をしていた時に、圧迫面接を経験しているという方も多いと思います。

しかし、転職の時の圧迫面接では、新卒時とは質問の内容が多少異なってくるので注意が必要です。

新卒の時、つまり学生の時に受けた圧迫面接では考え方や志望動機の浅さ、企業研究の不十分さなどがメインのターゲットになります。例えば『うちの会社ではそんな仕事はできないよ。ちゃんと調べてきたの?』というような調子です。

一方で、転職の面接では過去の職歴やキャリアなど、社会人としての経験の部分に突っ込まれるケースがほとんどです。

とはいえ、新卒時と同様に志望動機やその企業の知識の部分を掘り下げられることももちろんあり得るので、その点の対策もおざなりにしてはいけません。

転職の圧迫面接でよくある4つの質問と回答例

圧迫面接について気になるのはやはり、実際にはどんなことを聞かれるのか?そしてそれにどう答えるのが正解なのか?ということですよね。

転職の圧迫面接でよくある4つの質問と、その回答例をご紹介しましょう。

Case1

Q:どうして前職をたったの1年でやめてしまったのですか?長続きしない人は困るのですが…。

A:前職にはもともとは経理事務職の応募で採用されたのですが、人員配置の関係から営業に配属されておりました。
 配属された以上はと、営業として目の前の仕事に全力で取り組んではいたのですが、やはり資格を活かした経理の仕事に就きたいという気持ちが強く、前職では配置換えが難しい状況でしたので、残念ですが退職を決めました。

転職回数が多い、前職の勤続期間が短いなど、職歴のマイナスポイントを追及する質問は転職の圧迫面接ではしばしば遭遇します。

このようなケースでは前職への不満や非難を口にしてしまいがちですが、別の会社とは言え悪口ともとれる話は企業側の立場である面接官にはあまり良い心証を与えません。『この人は会社に不満があるとすぐにやめてしまうのか』と思われてしまうこともあります。

会社に非がある場合でも、それは単なる事実として伝える程度にしておき、キャリア形成のため、新たな環境で挑戦するため…というように、あくまでもポジティブな理由での転職であると印象付けたいところです。

Case2

Q:今まで営業職の経験しかないじゃないですか。全く畑違いの企画職なんて勤まるわけがないでしょう。

A:たしかに企画職の経験はありませんので、慣れないうちはご迷惑をかけてしまうかもしれません。しかし、営業の仕事で培った様々な視点から物事を考え、実行に移す力は、きっと御社の企画職でも活かすことができると思っております。

それまでと職種が変わったり、アルバイトから正社員へというように雇用形態が変わるというのも、圧迫面接のターゲットになりやすいケースです。

この場合、否定に対して『そんなことはありません』というように真っ向から反抗するのは避け、一度は相手の言うことを受け止めましょう。

そのうえで、過去の職種や働き方を否定せず、むしろその経験で培った能力を新しい職で活かすことができると具体的にアピールできることが望ましいでしょう。

Case3

Q:うちの会社は前の勤め先よりも残業や休日出勤が多いと思うよ。楽に働いてきたタイプの人にはやっていけないだろうね。

A:入社させていただくことができたら、できるだけ早く仕事を覚えて戦力になりたいと思っています。ですから、必要とあらば残業も休日出勤も積極的にさせていただきます。

仕事の厳しさ、忙しさをあえて強調して反応を見るというのも圧迫面接のよくあるパターンです。

たいていの場合は、常識の範ちゅうを超えるような勤務状況ではないので、あまりたじろがずやる気と熱意をアピールしましょう。

ただし中には、ブラック企業のような異常な勤務を強いる企業もあるので、一概には言えません。不安な場合は、その場は上記のような回答で受け流しても、面接終了後に一度調べてみた方がよいかもしれません。

Case4

(Case2に続いて…)

Q:営業職の経験が企画職で活かせるなんて思ったら大間違いですよ。未経験の職種に就きたいなんて無謀です。考えが甘いんじゃないですか?

A:おっしゃる通りかもしれません。ですが、異なる職種でキャリアを積んできたからこそ、新しい視点を持って仕事に取り組むことができる部分もあると思っています。

このように、どんな返しをしてもひたすら否定をしてくるというのも圧迫面接の常とう手段です。

むやみに否定されると、反抗的な気持ちになったり、逆に返す言葉が見つからなくなったりしてしまうかもしれませんが、この場合も一度は相手の言うことをそのまま受け止めましょう。

そのうえで、否定したい部分はうまく訂正しつつポジティブな返しができるのが理想です。

新卒の時に受けた面接の中で、何を言っても面接官の方が興味を持ってくれない、話をきちんと聞いてくれないということがありました。あれも圧迫面接だったのでしょうか?転職の面接でそのような対応を受けたら、どうしたらよいですか?
このタイプの圧迫面接は転職の面接でもあり得ます。話が終わっても相手が無反応だったら、『何かわかりにくい点などありましたでしょうか?補足させていただいてもよろしいですか?』など、こちらから積極的に話を振ってみるのも1つの方法です。

圧迫面接通ったけど、次に進んでいいの?悩んだら辞退すべきかも…

圧迫面接は、企業の方にどんな意図があれど、受ける側にとってはかなり不快を感じる経験です。もし無事に圧迫面接を通過することができても、このまま次のステップに進んだり、あるいはその企業に入社してしまっていいのかと悩むかもしれません。

これは明確な正解があるわけではないので非常に難しい問題です。

基本的には、圧迫面接はあくまでも面接の手法でしかありません。1つの指標にはなりますが、それだけでその企業全体の考え方や体質を判断することは難しいでしょう。

ただ、1つ知っておいてほしいのは、圧迫面接を行う企業は徐々に減ってきているということです。

圧迫面接は受ける側に過剰なストレスを与える不適切な手法として、避ける企業は増加傾向にあります。ネットによる受験者間の情報共有が進み、特に悪評は拡散しやすいというのもその傾向に拍車をかけています。

したがって、いまだに圧迫面接を行っている企業は、社会全体の風潮からするとやや外れている、あるいは遅れているという見方もできるでしょう。

そういう意味では、圧迫面接を行うような体制の古い企業は合わない、勤めたくないと感じるのであれば選考や内定を辞退するのも1つの道ではあります。

とはいえ、その企業への志望度が強ければ、そう簡単に辞退するという選択をすることもできませんよね。

圧迫面接を受けるとその不快感が強く印象に残ってしまうので難しいかもしれませんが、最終的な判断はできるだけ冷静な状態でするようにしましょう。

圧迫面接?それとも単なる嫌がらせ?気になる判断のポイントとは

面接官の中には、意図的に圧迫面接をするつもりでふるまっているのではなく、ただ単に面接官の人柄が反映されてそう見えてしまうという人もいます。

この圧迫面接と勘違いされやすい面接スタイルは大きく2つのパターンに分けられます。

1つは、応募者の話をより深く掘り下げたりという気持ちから、答えるのが難しい質問を連発しているというパターンです。この場合、質問の内容自体は本人の適性や能力をはかるという面接の意図から大きく外れることはありません。

受ける側としては、答えに窮して『これって圧迫面接なの?』と思ってしまうこともあるかもしれませんが、あえてストレスを与えるという圧迫面接とは根本的に異なります。

一方、意地悪な気持ちから、わざと不快に思うような質問をしたり、答えにくいことを聞き出そうとするパターンもあります。こちらは質問内容が本来の面接の目的から外れた、不適切なものになることがほとんどです。

このパターンは、もはや圧迫面接とも言えない、求職者という弱い立場の人間に対するただの嫌がらせです。

このようなハラスメント性の強い面接を行うような人を面接官に据えている企業というのは、全体的に体質や社風にも問題がある可能性が少なからずあります。

単なる圧迫面接以上に、選考の辞退を真剣に選択肢に入れるべき案件と言えるでしょう。

圧迫面接が原因で選考や内定を辞退する時、はっきりと理由を言っていいものでしょうか?
基本的には、内定や選考を辞退する時には余計なことを言わず穏便に済ませた方が良いですね。ただ、社内の他の人間が状況を把握していない可能性もあるので、あまりにも不適切な内容であれば一言伝えておいてもよいかもしれません。

面接は準備が重要!圧迫面接パターンも想定しておくべし

過剰なストレスを与えられる圧迫面接は、受ける側にとっては非常に嫌なものですし、道義的な問題がないとも言えません。

ただ、その手法自体の是非はともかくとして、聞かれる質問の内容に関しては、実は適切な範ちゅうの圧迫面接ではそれほど非常識なものはありません。圧迫面接で厳しく追及されるのは、たいていの場合、志望動機や職歴などの甘さ・浅さや不安要素が垣間見える部分です。

面接に臨むにあたっては、圧迫面接になるパターンも含めて、事前にあらゆる状況を想定して準備しておくことがとても重要です。

ここを聞かれたら答えにくいな…と思うところこそ、もし聞かれたらどう切り抜けるのかきちんと考えておきましょう。

結局はそれが、圧迫面接の一番の対策になるのです。