退職と退社の違いとは?履歴書を書く前に知りたいマナー

退職と退社の違いとは?履歴書を書く前に知りたいマナー

履歴書の記入というのは、非常に神経を使うものです。普段はそれほど気に掛けないような、ちょっとした言葉の違いにも、敏感になってしまいますよね。

例えば、履歴書を書く際に必ず登場するのが、『退職』や『退社』といった、仕事を辞めることを指す言葉です。

この2つの単語は字面からしてかなり紛らわしく、実際に履歴書に記入するとなると、どちらを選択するべきか迷ってしまう方も、案外多いのではないでしょうか?

たとえ単語1つであっても、転職希望先に提出する重要書類である履歴書に不安要素を残しておきたくはないですよね。

そこでここでは、『退職』と『退社』の違いや、履歴書に記入する際にはどちらが正しいのかということについて、詳しく説明していきたいと思います。

『退社』には2つの意味がある?『退職』と『退社』、ここが違う

『退職』と『退社』という2つの言葉は、印象として非常に似ています。普段の生活の中でも、この2つの言葉をあまり区別せず、混同して使っている人もいるでしょう。

それでは実際のところ、『退職』と『退社』はそれぞれ異なる意味を持つ言葉なのでしょうか?それぞれの正しい意味を見てみましょう。

退職

勤めている職場を辞めること。

退社

①勤めている会社を辞めること。
②その日の勤務を終えて、職場から退出すること。

こうしてみると、いずれも《勤務先を辞めること》という同じ意味を持つ単語であるということがわかりますね。

したがって、仕事を辞めることについて、2つの単語のどちらを使っても間違いにはならないわけです。

ただし1つ注意してほしいのが、『退社』にはもう1つ、単純に《業務終了後に会社を出ること》を指す意味もあるということです。

この複数の意味があるか否かという違いが、『退職』と『退社』を使い分けるにあたっては、見逃せないポイントとなるでしょう。

『退社』と混同しやすいので要注意!『退勤』の正しい意味とは

2つ目の意味の『退社』と紛らわしい言葉として、『退勤』という言葉もあります。

退勤

その日の勤務を終えて、勤め先から退出すること。

こうして意味だけ見てみると、『退社』と『退勤』は全く同じように使える言葉なのでは?と思いますよね。

実際、明確に区別せずに使っている人も少なくありません。しかし、正確に言えば『退社』と『退勤』は、やはり違う意味で使うべき言葉です。

ここで注目してほしいのは後ろにつく漢字の違いです。

『退社』は社とつくだけあって、自分が所属する会社のオフィスから退出することを指しています。一方で、『退勤』は勤務している状態を退く、つまり、場所に関わらず、その日の業務を終えることをすべて含むことになるのです。

例えば在宅勤務の人や、営業職などのオフィス以外でその日の業務を終えることもある人の場合、『退勤』が当てはまることになります。

また、退勤時間と言えば業務を終えた時間ですが、退社時間と言えば、職場を出た時間のことを指します。

したがって、両者には多少のずれが生じることもあるのです。

『退職』と『退社』、『退社』と『退勤』…似ているというか、ほとんど同じ意味だと思っていましたが、少しずつ違うんですね。使い分けが難しそうです…。
それぞれ、後につく漢字の違いに注目すると正しく使い分けがしやすいですよ。些細な違いに感じますが、きちんと言葉を正しく使うのもビジネスマナーの一環です。

すでに帰宅した社員への電話…『退社しました』は誤解を招くかも

2つの意味を持つ『退社』という言葉は、日常の業務の中で使うと思わぬ誤解を招いてしまうことがあります。

例えば、事務所にいる時に、すでにその日は帰宅した社員への電話がかかってきたとしたら、あなたはどう応対しますか?

『○○は退社しております。』と答える方も少なからずいるのではないでしょうか?もちろん、『退社』の意味を考えれば、この応対でも間違いではありません。

しかし、このシチュエーションで『退社』を使うと、場合によっては『退社』のもう1つの意味である《会社をやめる》という方の意味に捉えられてしまう可能性もあります。

社員が帰宅したということを伝えるのであれば、素直に『○○は帰宅しました』と言うか、あるいはより丁寧に『○○は失礼させていただきました』という言い回しを選んだ方が誤解を招きにくいでしょう。

『退社』という言葉をあえて使うのであれば、紛らわしく感じさせないように、『本日は』と一言付け加えることをおすすめします。

業務として電話をしてきた相手の方に対して、すでに帰宅してしまったことをストレートに伝えてしまうのは失礼に思われませんか?
確かに、場合によっては『こちらは仕事中なのに、もう帰ってしまったのか…』と不快に感じさせてしまうこともあるかもしれません。『失礼させていただきました』の方が、より汎用性の高い言い回しと言えるでしょうね。

履歴書に書くなら『退職』と『退社』どっちが正解?

『退職』と『退社』は、いずれも《勤務先をやめること》という同じ意味を持つ言葉であることが明らかになったわけですが、結局のところ、履歴書にはどちらの言葉を使うべきなのでしょうか?

履歴書の見本を見てみると、商品によって『退職』を使っているものもあれば『退社』と記載しているものもある…というように、統一されていないので、余計に迷ってしまいますよね。

基本的には、履歴書を描く際に『退職』と『退社』どちらを選択しても、間違いではありません。

どちらにしても、きちんと正しい意味で言葉を使っていることになります。

ただし、どちらかというと、『退職』という言葉を使うのがおすすめです。複数の意味を持つ『退社』よりも、他の解釈がない『退職』の方が、より適切であると判断できるからです。

そういう意味では、履歴書に書くなら『退職』の方が正解に近いと言えるでしょう。

『退社』の方が字面がすっきりして、読みやすく見える気もするのですが…結局のところ、絶対に『退職』を使わなければならないわけではないんですよね?
公務員や病院など、職種によっては『退社』と書くと不適当なケースもありますよ。『退職』の方が、オールマイティに使えるので、やはりおすすめです。

完璧な履歴書を書くために…言葉の意味は正しく覚えよう

履歴書というのは、転職活動のおいては、個人情報の確認・保管のための書類という意味合いが強いので、選考に大きな影響を与えることはあまりありません。

しかしそれでも、きちんと正しい言葉を選んで丁寧に書くことができていれば、その分、良い印象を与えることはできるでしょう。

『退職』と『退社』、とても些細な言葉の違いですが、見ている人は見ているものです。小さな言葉1つでもおろそかにしないという誠実な姿勢は、時に考え抜かれた自己PRよりもその人の人柄を伝えることがあります。

隙の無い完璧な履歴書を仕上げるためにも、言葉の意味は正しく覚える癖をつけておきましょう。