海外に転職するには?転職活動の進め方や注意事項を解説
海外旅行が好きだったり、海外に興味があったりして「海外で働きたい」と思ったことのある人もいるのではないでしょうか。
でも海外転職するには具体的にどうしたらいいか、わからない人も多いですよね。
海外に転職することを「目的」とするのではなく「手段」として、自分が「その場所で何がしたいのか」を明確にしておくのが成功のポイントです。
この記事では、海外に転職したい人のために、転職活動の進め方や求人の探し方、必要な手続きや注意事項について説明していきます。
海外に行ってから後悔しないためにも、転職の準備をしっかりしておきましょう。
海外に転職する方法は大きく分けて3通りある
日本から海外に転職する場合、どのような方法があるか見てみましょう。
知人の紹介や起業などを除けば、大きく次の3パターンに分けられます。
- 現地企業に現地で採用される
- 日本で企業に採用され、海外駐在員として現地に派遣される
- 日本企業の支店や現地法人※などに現地で採用される
企業が海外進出する際、現地の法律に則って親会社とは別に設立する法人のこと。子会社ともいう。
同じ企業に転職する場合、海外駐在員として日本から赴任するのと、現地で採用されるのとでは、主に次の点で違いがあります。
- 立場や待遇が異なる
- 給与基準が異なる
日本から海外へ派遣される場合は、管理職として現地スタッフの指導などに当たったり、社内外での交渉事を任されたりすることが多いです。
現地で採用される場合は、管理職ではなく「現地スタッフ」という扱いがほとんど。
海外駐在員は日本水準の高い給料、現地採用者は現地水準の比較的安い給料、のように差があるのです。
ビザ取得などの手続きについても、海外駐在員なら会社が行ってくれるので手間がかかりません。
それにせっかく海外に出ても、3年~5年ほどで日本に戻る辞令が出る可能性もあります。
海外への転職にはどんな仕事があるか、どんなスキルが必要かなどについては「海外で仕事がしたい!日本で求人のある職種や必要スキルを解説」の記事をご覧ください。
海外に転職するなら「どの国で」「何をしたいか」を明確に
海外に転職したいなら、まずは自分が「どの国で」「何がしたいのか」を明確にしましょう。
「どこでもいいからなんとなく海外に行きたい」という理由で海外転職をしようとしていませんか?
「なんとなく」では転職先を適当に選んで、準備が不十分なまま渡航してしまうことも。
それでは理想と現実の違いに落胆したり、転職を後悔してしまったりすることになりかねません。
海外転職の目的と場所がはっきりすれば、必要な下調べや心構えなどの準備ができます。それによって想定外のギャップも最小限におさえられるのです。
面接で相手を納得させる答えを用意するという意味でも、「そこで働きたい理由」を決めておく必要があります。
暮らす上では、治安の良し悪しも重要なポイント。「外務省 海外安全ホームページ」で、行きたい国や地域の安全情報をチェックしてみてください。
宗教や文化、食事、生活環境なども調べてから行先を決めることをおすすめします。
もしくは何年も悩みながら努力してやっとそこまでたどり着いたとか、実は今後の不安や悩みを抱えながら過ごしているとか。
「現地で何年働くか」「何年後に日本に帰るか、とどまるのか」なども事前に考えておきましょう。
海外で働く人の書いた、ブログや本も参考になります。希望する国や地域に暮らす人の実情がわかり、「自分もその国でやっていけるか」をイメージしやすいですよ。
海外で働くための転職活動の進め方とポイント
転職活動の進め方は、海外に転職する場合も日本で転職する場合もほぼ同じです。
- 求人や企業の情報を集め、仕事を探す
- 応募する
- 面接を受ける
それぞれのプロセスと知っておきたいポイントについて説明していきます。
海外転職への道その1:転職先を探そう!転職成功のカギは情報収集
海外に転職するなら、まずは「どこで何がしたいか」という希望が叶う仕事を探しましょう。日本での転職と同様、情報収集は成功の大きなカギとなります。
現地在住の知人などの「つて」がない場合、海外の転職先を探す方法は主に次の3通りです。
- 気になる会社のHPで求人情報を探す
- 転職サイトで検索する
- 転職エージェントに登録し、企業との仲介を依頼する
情報が多いほど選択肢が多くなり、希望に沿う仕事が見つかりやすいです。1つの方法だけでなく、あらゆる方法で求人情報を集めましょう。
転職サイトにも運営会社の異なるさまざまなサイトが存在します。国内外の転職情報を網羅した総合型の転職サイトもあれば、海外転職に特化したサイトも。
海外の求人情報が探せる転職サイトの一部を紹介します。
- マイナビ転職グローバル
- dodaグローバル
- エン転職
- Working Abroad(ワーキング アブロード)
ビズリーチに会員登録すれば、ヘッドハンターからスカウトされることも。レアな求人情報を知ることができるので、キャリアの可能性も広がります。
ビズリーチの特徴や基本情報などについては「ビズリーチで年収アップ!会員制転職サイトのサービス内容について」を参考にしてください。
転職エージェントならキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれるので、海外への転職活動に不安な人も安心です。
転職エージェントを利用して海外転職を成功させるには、自分に合う転職エージェントを選ぶのがポイント。エージェントによって持っている情報も違えば、得意分野も異なります。
JACリクルートメントには海外にもネットワーク拠点があるのもポイントです。各地域に特化した転職サポートを受けられます。
JACリクルートメントは、次の10の国と地域で転職サービスをグローバルに展開。「JACリクルートメント 香港」など希望の地域名を入れて検索してみてください。
シンガポール/マレーシア/インドネシア/タイ/中国/香港/韓国/ベトナム/インド/イギリス
JACリクルートメントについて「JACリクルートメントは高年収や外資系・海外の転職におすすめ!」で詳しく解説しています。
海外の転職先を探すには、ほかにもたくさんの転職エージェントが利用できます。その一部を特徴ごとにまとめてみました。
・doda エージェントサービス
・WORKPORT(ワークポート)
・RGF HR Agent(アールジーエフ エイチアール エージェント)
<タイ>
・ PERSONNEL CONSULTANT (パーソネル コンサルタント)
・Adecco Thailand(アデコ タイランド)
美容師や寿司職人など、業種・職種に特化した求人情報サイトもあります。自分に合った転職サイトやエージェントを探して利用しましょう。
個別相談に乗ってもらえたり、海外での求人状況なども教えてもらえたりしますよ。
海外転職への道その2:応募書類は経験とスキルで即戦力をアピール
海外に転職する際の応募書類も、日本と同じように自分の経験やスキル、職歴などを記載するもの。次の4点が必要となることが多いです。
- 英語のカバーレター
- 英語のレジュメ(職務経歴書)
- 日本語の履歴書
- 日本語の職務経歴書
日本語と英語、両方の書類が必要なのは、採用担当者や採用決定権を持つ人に日本人と外国人の両方がいるから。日本人が見ることがなければ、英語の書類だけでOKです。
応募書類作成時のポイントは次の2つ。
- 「何ができるか」を簡潔にアピールする
- 箇条書きなどで見やすく書く
海外転職ではとくに「即戦力となる人物かどうか」が重要視されるポイントです。
「その会社で自分がどう貢献できるのか」を意識してアピールしてください。
海外転職への道その3:面接を受けよう!練習して臨むのがベスト
海外転職の場合、面接も海外で行われることがほとんどです。なかには一次面接・二次面接を電話や「Skype」などで行う企業もあります。
現地で面接を受ける場合、日帰りという訳にはいきません。在職中に転職活動をする人は、スケジュール調整も必要です。
しかしスケジュールを詰め込み過ぎるのは遅刻やトラブルのもとです。無理なく進められるスケジュールを組みましょう。
でも採用に積極的な企業であれば、会社が交通費や滞在費を負担してくれることもありますよ。
面接でよく聞かれる質問を挙げておきますので、答えを準備しておきましょう。
- あなたのことを教えてください(自己紹介)
- 働く上での強み・弱みは何ですか
- あなたの専門分野は何ですか
- なぜこの国で働きたいのですか
- なぜこの仕事に就きたいのですか
- 今後5年間でどんなキャリアを積みたいですか
- 当社の魅力は何ですか
- 当社があなたを雇用するメリットは何ですか
- 給料はいくらほしいですか
海外へ転職する際に必要な手続きとは
採用が決まったら、入社日に向けて準備をしましょう。海外に住んで働くことになるので、公的な手続きがいくつか必要です。
主に必要な日本の公的手続きは、出発前に日本で行う手続きが3つ、海外で住み始めてから行う手続きが1つあります。
それぞれどんな手続きか見ていきましょう。
就労ビザの申請・取得手続きをする
日本企業の海外駐在員として働くのであれば、社会保険などは継続できることが多いです。
現地で働くのに必要なビザも、会社で申請・取得手続きをしてくれるところがほとんど。
しかし現地雇用の場合は、就労ビザの取得や日本の社会保険などの手続きを自分でする必要があることも。
例えばアメリカなんて広い国だし、バレない気がしますが・・・。
バレたら強制退去となり、二度とアメリカに入国できなくなる可能性があります。
行き先によっては、失業率が高く外国人の雇用を受け入れる余地がない、あるいは難民の増加が大きな社会問題となっていることも。
欧米よりアジアのほうが転職しやすいと言われるのはそのためです。
海外転出届を市・区役所に提出する
海外で1年以上にわたって生活する場合には、「海外転出届」を役所に提出します。これはいわゆる「住民票を抜く」手続きです。
ただし海外転出届は義務ではありません。
このあとお伝えする保険や年金にもかかわるので、事情によっては「提出しない」という選択も可能です。
住民税や国民年金、国民健康保険の手続きをする
住民税や年金、社会保険については場合により異なるので、ここでは簡単に説明します。
住民税
住民税については、1月1日に住民登録があるかないか、つまり日本を出発するのがいつかによって納付金額が異なります。
市民税課など、役所の窓口で確認してください。
国民健康保険
住民票を抜くと、国民健康保険も脱退することになります。保険料を納付しなくてもよくなりますが、そのかわり保障がなくなるということ。
現地でケガや病気になったときのために、任意保険への加入を検討することをおすすめします。
脱退するにしても、できるだけ日本で治療を済ませてから行くのがおすすめです。
歯科医の技術が日本より劣ることも多く、歯科以外でも現地での治療は高額です。
国民年金
国民年金保険料については、納付しない、あるいは任意加入の手続きをして納付し続けることのどちらも可能です。
ただし任意加入には国内に協力者(親族)が必要です。
国民保険料を納付しない場合は「未納期間」ができ、将来受け取る年金が減るので、帰国後に追納の手続きをするかどうかも考えておきましょう。
また、行き先の国と日本との社会保障協定の有無や海外派遣の場合の年数などによって、必要な手続きも異なります。
社会保険、年金についても、詳しくは市・区役所や年金事務所に問い合わせてみてください。
海外に住み始めてから在留届を提出する
海外に3カ月以上滞在する場合、最寄りの日本大使館・総領事館に「在留届」を提出する必要があります。
現地で緊急事態が発生した場合、この在留届をもとに安否確認がなされるのです。
在留届には到着日や住所などの記入が必要なので、現地に行ってから提出します。外務省の「ORR net(ORRネット)」でオンライン登録も可能です。
グローバル転職するならおさえておくべき注意点
この章では、転職して海外で働くときの注意点を見ていきましょう。
日本では当たり前でも、海外では通用しないことは多いもの。単なる旅行ならその違いも大したことではありませんが、働くとなると話は違いますよね。
海外へ転職するにあたり、仕事上で注意しておきたいのは主に次の3つです。
- 雇用条件は念入りに確認すること
- 働くために必要なビザなどの条件を確認しておくこと
- 突然解雇されるリスクを知っておくこと
まずは仕事内容はもちろん、休日や給与などの雇用条件や待遇をよく確認しておくことが必要です。
日本でも、転職の際に雇用条件を細かく確認しておくことは重要なこと。「こんなはずじゃなかった」というギャップに悩む転職者も多くいます。
法律や常識、文化の違う海外ではなおさら、想定外のトラブルや待遇のギャップも生じやすいのです。
また、就労ビザについては、取得に数カ月の期間がかかることも多いです。国や地域によっては取得が難しく、却下されてしまうことも。
日本にある転職先国の大使館や総領事館のホームページなどで、必要な手続きや書類、申請にかかる所要期間などの詳細を必ず確認してください。
例えばタイでは、ビザだけでなく労働許可(ワークパーミット)の取得も必要ですし、外国人の就労が禁止されている職業が39種あるのです。
さらに「解雇」についての考え方も、海外と日本では異なります。日本では企業が社員を解雇する際に相当の理由と予告期間が必要です。
しかし海外では、企業の業績不振による解雇だけでなく、個人の能力不足を理由に突然解雇されることもあるのです。
グローバル転職するなら転職エージェントを利用、準備は万端に
まずは「どの国で」「何をしたいのか」という目的を明確にしましょう。
目的がない状態では転職先が決まりにくいだけでなく、せっかくの海外転職が苦い経験に終わる可能性も。
海外の転職先を探すには、転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントなら、仕事の紹介だけでなく応募書類や面接の対策もしてくれますよ。
また海外転職では、雇用条件の確認を入念に行ってください。解雇が日本より簡単に行われることも覚悟する必要があります。
日本を発つ前には税金などの必要な手続きも忘れず行って、現地で困らないようにしてくださいね。
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