退職時の引き継ぎの流れとポイント!引継書を作成し円満に退職しよう

退職時の引き継ぎの流れとポイント!引継書を作成し円満に退職しよう

転職及び退職が決まればそれで終わり!…というわけには行きません。

円満に退社したいと思うのであれば、一番大切なポイントである「引き継ぎ」をきっちりと行う必要があります。

引き継ぎひとつで退職するあなたへの印象や円満度が変わるといっても過言ではありませんし、きちんと引き継ぎを行えば退職後、前の会社から業務についての質問が来ることもなく安心して新しい環境に身を置くことが出来ます。

立つ鳥が跡を濁さないためにも、「引き継ぎ」の重要性や一連の流れ、気をつけておきたいポイントをしっかりと把握しておきましょう。

どうして「引き継ぎ」は大切?その理由とは

当然のように退職の際に行われる引き継ぎですが、正直「引き継ぎ作業は面倒」と思う方も多いですよね。

実際「引き継ぎ」は後任者だけでなく会社にとってもなくてはならない大切なもの。しかしながら「面倒だからしなくていいならしたくない!」という方は多いのではないでしょうか。

そこで、まずは引き継ぎの価値や義務などについて考えてみたいと思います。

退職するなら後任への引き継ぎは「義務」なの?

一般社会では退職するなら引き継ぎを行うことは義務のように語られています。

しかし「退職の自由(憲法22条1項)」の法律があるため、会社の就業規則によって「退職の際、引き継ぎすることを義務とする」ことは出来ません。

なので極端な話、退職を決めて引き継ぎをしないことも出来るんです。

しかし一切の引き継ぎをせずに退職すると、後任者が手順や関係者などプロジェクトの概要も含め何もわからず、仕事が停滞するなど会社に多大な迷惑をかけることになってしまいます。

加えてあなたの印象も「退職するとなったら何も残さない人なのか」とかなりの悪印象になりますし、転職後も携帯電話などにプロジェクトに関する電話がかかってきたりする可能性もかなり高いです。

やはり退職するのであれば円滑に、かつ円満に行いたいものですから、引き継ぎは法律上の義務ではなくともきちんと責任をもってやるべきことだと言えるでしょう。

引き継ぎをサボると訴えられるって本当!?

「引き継ぎをしないと訴えられたり損害賠償請求されたりするのではないか」という話があります。

実際弁護士に対して引き継ぎをしない社員に対して訴えたい、損害賠償を請求したいという相談もあるようですが、引き継ぎしなかったことによる損害の価値を定めるのが難しいなどの理由で多くのケースでは損害賠償などを請求することは難しいと言われています。

なので実際に訴えられることはあまりないと思って構いませんが、やはりそのくらいのことを会社側に考えさせるような行動は円満な退職とは対極にいると言っても過言ではありません。

また、民法上では「信義則上の義務」と言って、誠実に(引き継ぎを)行うことは義務、ともされています。

引き継ぎをしなかったことによる損害賠償請求はされづらくても、退職金の一部を不支給とする判例もありますので、トラブルなどを避けるためにもきちんと引き継ぎは行いたいですね。

退職する際の引き継ぎは義務と考えておいてもよさそうですね。

でも引き継ぎが不十分で訴えられたらどうしよう…。

そういう事例もあるんでしょうか?

退職金が不支給になったケースは「引き継ぎ自体を行わなかった場合」なので、引き継ぎをきちんと行っているのであれば問題ありません。

なぜ問題ないのかというと、何をもって不十分とするのか基準が曖昧だからです。

引き継ぎはどのように行う?社内引き継ぎの流れをチェック

退職を決め、いざ引き継ぎ!…とはいえ、引き継ぎとは具体的にどのようなことをすればいいのだろう?と首をかしげてしまう方もいるのではないでしょうか。

スムーズな引き継ぎは後任者や会社への負担が軽くなるだけでなく、自分自身への負担も軽くなりますので、ぜひとも引き継ぎにおいて重要なポイントや、全体の流れは知っておきたいところですね。

まずは引き継ぎのスケジュールを作る

引き継ぎは通常業務と並行して行いますので、きちんとスケジュールを立てて行動することが大切です。

少なくとも退職3日前には引き継ぎが完了出来るように逆算してスケジュールを組んでおくようにしましょう。

また、スケジュールを立てる際に「引き継ぎの中で何が重要か」と優先順位をつけておくようにすることも大切。とりあえず目についた部分からやっていくと、重要なポイントが後回しになり時間に追われ、中途半端な引き継ぎになってしまう可能性も…。

自分が業務を行っていて「ここが大事」という部分はしっかりと理解出来ていると思いますので、そこは外さないようにしましょう。

引継書(マニュアル)に記載する事項を決める

引継書は、業務の内容などを紙(ノートなど)や電子ファイルなどにまとめたものとなります、いうなれば「マニュアル」ですね。

記載する内容として必ず押さえておきたいものは

  • 業務の目的、社内での位置づけ
  • 業務の流れ・フローチャート
  • 業務の関係者
  • トラブル・対処法(それにまつわるノウハウなど)
  • 顧客企業などの情報

あたりでしょうか。

当然ながら実際行う業務の内容はしっかりと記載しておく必要がありますし、そこにプラスして「自分はこのようにやっていたよ」というポイントやノウハウがあると後任者も「そういうやり方もあるんだ」と新たな発見が出来ます。

上記の内容に加えて、必要資料や書類の保管場所であったり、利用している業者の連絡先なども記載しておくとより親切です。

実際に引継書(マニュアル)を作成する

引継書(マニュアル、業務引継書)は紙媒体でも電子媒体(ファイル)でもどちらでも構いません。紙媒体であればノート1冊にまとめるようにすると、手元に置きながら業務を進めることが出来ますし、共有フォルダに入れておけば複数人がマニュアルを閲覧し、情報を同時に共有することが出来ます。

どちらもそれぞれの良さがありますので、会社の意向や自分の好み、後任者がどちらを望んでいるかなどで決めるといいでしょう。

マニュアルを作成する際に気をつけておきたいのが「びっくりするほど丁寧に」記載することです。

やはり慣れていると「わかった人」の視点で書いてしまうため、全く知識のない人がみると「???」となってしまう部分が出てこないとも限りません。

自分が全く関係ない部署の人間や新入社員の時、このマニュアルを見て内容が理解出来るか?とチェックしながら作成を進めるとよいでしょう。

また、情報が足りないのは困りますが、情報が足りすぎていることに関して困ることはありません。

「ここまで書いたらしつこいだろうか?」と思うくらい丁寧に、詳細に書くことをおすすめします。

後任者とのコミュニケーションをしっかりと取る

マニュアルを作るだけでなく、後任者とのコミュニケーションもしっかりと取ることが大切です。

1週間程度は一緒に働いたほうがいいと言われており、その際に実際引き継ぐ業務をやってもらい、わからないところがあれば聞いてもらうことをおすすめします。

後任者は質問しづらいところもあると思うので、こちらから「わからないところがあったらいつでも聞いてね」と優しく対応することが大切です。

質問に来なくても何度もマニュアルを見直す箇所があったり、わかりづらそうにしていたらマニュアルに追記するなどして、より円滑な引き継ぎが出来るようにメンテナンスを行うのも忘れずに。

わかりやすい引継書があると後任の方も安心ですよね。

予定より早く引き継ぎ業務が終了した場合、退職日までするべきことはありますか?

挨拶メールなども終わっているのであれば、誰の担当でもないような雑務などを引き受けるといいでしょう。

最後まで少しでも貢献しようという姿勢は大切ですよ。

引き継ぎは社内だけじゃない!「社外」への引き継ぎも大事

引き継ぎというと社内、後任者に向けてのものというイメージになりがちですが、顧客や取引先など、社外の人間が関わっているケースでは社外への「引き継ぎ」も非常に重要です。

特にお世話になっている取引先などへの挨拶をしないまま退職すると「あの会社の社員は礼儀もないのか」と思われ、取引や業務などに影響が出ないとも限りません。

実際、引き継ぎが満足に行われなかったことで顧客の流出があったというケースもあります。

社内だけでなく、きっちりと社外へも「引き継ぎ」を行うことであなた自身だけでなく、会社への信頼度もアップします。

お世話になった担当者などに挨拶状も忘れずに

社内に対しての退職メールなどは社内の規則や上司の相談の上時期を決めるといいですが、社外の方へ退職の挨拶メール・挨拶状を送る場合は大体「退職日の2~3週間前」がよいとされています。

こちらは一般的な例であり、上司や後任者と相談の上具体的に「どれくらいの時期に送るか」を決めるといいでしょう。

社外の方への退職の挨拶は「はがき(挨拶状)」がよいとされていますが、最近ではメールでも問題ありません。

できるだけ同内容のものを一斉送信するのは避け、その人との思い出などを入れた一文が入っているとより心がこもったものになります。

件名:退職のご挨拶

○○株式会社 

○○部 ○○様

いつも大変お世話になっております。○○会社の○○です。

私事で恐縮ではございますが、一身上の都合により○月○日にて退職することとなりました。

(ここに○○様との思い出など個人的な感謝・お世話になった気持ちなどの文)

本来であれば直接お伺いしご挨拶申し上げるところではございますが、メールでのご連絡となりましたことを深くお詫び申し上げます。

後任は同じ部署の△△が務めさせていただきます。
後日改めてご挨拶に伺いますので、私と同様、変わらぬご指導をよろしくお願い申し上げます。

末筆ではございますが、
皆さまのご健康、ご活躍を心からお祈り申し上げます。

既に挨拶周りで後任者と会っている場合は「後日改めて~」の部分は不要です。「先日ご挨拶に伺いました△△」など臨機応変に変更してください。

打ち合わせなどの際には後任者も一緒につれていく

退職の挨拶はメールでも問題ありませんが、可能であれば直接伺う「挨拶周り」をしたほうがいいでしょう。

特にメインのクライアントや、付き合いが長い取引先だけでも直接挨拶をすることは、今後の円滑な関係のためにもプラスになります。

とはいえ担当者が多かったり、担当者やクライアントが遠いケースは挨拶周りはナシでもOKです。

退職の挨拶メールをした後に打ち合わせなどで取引先などと顔をあわせる機会がある場合、後任者も一緒につれていき、紹介するといいでしょう。自分が後任者のことをべらべら喋るよりは、一歩引いた感じで後任者を立てるようにするとベストです。

「○○の時にこう言ってくれてよかった」とか、その人との思い出が入ると確かに嬉しくなりますね。

でも思いつかなかったりそのような時間が取れない場合、どんな内容がいいでしょう?

シンプルに「お力添えをいただき感謝しております」でも問題ありませんよ。

シンプルな文章でも、感謝の気持ちが伝わるかがポイントです。

最後まで誠実さを忘れずに行う引き継ぎこそ、円満退職の秘訣!

退職の引き継ぎは、転職前の最後の大仕事と言えるでしょう。

だからこそ誠実に、後任者が困らないようにきちんと引き継ぎは行いたいものです。

転職した後も引き継ぎのために前の会社にも顔をだす…なんてことがないためにも、スキのない引き継ぎで円満退職を目指しましょう!