社労士の転職に必要なものとは?資格以外に必要なスキルや活躍場所も
転職を考える中、「社会保険労務士の資格を取れば有利になるのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。
特に30代を過ぎての転職は、年齢で不利になることも。少しでも有利になる資格があれば取っておきたいですよね。
では、社労士の資格を取れば本当に転職に有利になるでしょうか。また、実務経験がなくても転職はできるのでしょうか。
この記事では、社労士の転職に関する疑問を解決します。社労士資格を生かした転職先なども紹介するので参考にしてください。
社労士の資格は本当に転職に有利?社労士の価値・ニーズ
転職に有利だからと、仕事をしながら社労士の勉強をして資格を取得するという人もいます。
しかし、社労士の資格を持っていても、ニーズがなければ意味がありませんよね。
企業にとって、社労士の価値・ニーズはどうなっているのでしょうか。
企業がある限り社労士の仕事はなくならない
社労士の仕事は、社会保険に関する手続きや給与計算など、従業員がいる会社で必要となることばかりです。
そのため企業では、社労士の仕事は価値がありニーズもあります。
しかし、「社労士」として雇用するのではなく、あくまで「一社員」として雇用し、社労士知識が役に立つ仕事のほか、別の業務を兼任する形での採用が多いのが現状です。
社労士の資格があるからといって役職につけたり、高い給与がもらえることは稀で、ほとんどの企業では職能手当や技術手当が多少プラスされる程度にとどまっています。
社労士の仕事内容については、「社労士の仕事内容には何がある?独占業務や開業社労士についても解説」の記事で解説しています。
年収については「社労士の年収は高い?社労士の給料・年収と年収アップの方法を解説」を読んでみてください。
社労士の資格は本当に転職に有利に働くのか
社労士の資格を持っているからといって、転職がすべて有利に働くということはありません。
社労士資格がないと応募できない求人に応募できる、という点ではもちろん有利。
でも逆に、社労士が持つ知識を必要としない業務では意味がありませんよね。
また、転職者へのニーズとして高いのは「即戦力」となることです。
資格がなくても、人事や総務などの実務経験がある人の方が歓迎される傾向にあります。
ただ、社労士の求人を探してみると、資格の有無は不問とする企業が多いんです。
「転職に有利だから」という理由でこれから資格取得を目指すのはおすすめできません。
社労士の資格があれば未経験でも仕事はできる?
「すでに社労士の資格は取得した。でも、社労士としての経験がないから不安」という人もいるでしょう。
社労士として未経験でも働ける環境はあるのでしょうか。
壁は高いが未経験でも働ける環境はある
社労士の資格はあるけど実務経験がない、という人は、「未経験者でもOK」という求人を探しましょう。数は少ないですが、多少はあります。
ただ、大手企業には「未経験OK」という社労士の求人はほとんどありません。
大企業を希望すると転職は厳しいでしょう。
また、新卒ならともかく、転職者にていねいに教育してくれる企業も少ないのが現状。自分から進んで学んでいこうという姿勢が大切です。
パートやアルバイトで実務経験を積んで正社員へ
「未経験OK」とされている求人には、パートやアルバイトなど、正社員以外での募集が多いです。
はじめから正社員一択で絞るより、パートやアルバイトで入社し、経験を積んだり実力を認めてもらったりして正社員を目指すのが近道なことも。
資格をフルに活かしたい!社労士として活躍できる職場を紹介
努力して社労士の資格を取得したなら、やっぱりその資格をフルに活かしたいですよね。ここでは社労士が活躍できる主な職場を紹介します。
- 社労士事務所
- 企業の人事総務部門
- コンサルティング会社
- 会計事務所
- 開業・独立
それぞれ簡単に説明します。
社労士の活躍の場:社会保険労務士事務所
社労士の就職先としてまっさきに浮かぶのが「社会保険労務士事務所」。労働や社会保険などの相談、指導を専門的に行っています。
ここ数年、年金相談や労働相談などが増えているため、社労士事務所も少しずつ増加傾向に。とはいえ、求人はあまり多くはありません。
社労士の活躍の場:企業の人事部や総務部
すでに述べたとおり、社労士の働き口には、企業の人事部や総務部といった部署もあります。求人がもっとも多いのがこのパターンです。
社労士資格を持つ社員がいれば、改めて社外の社労士と契約を結ぶ必要がないのでコストも削減でき、その都度聞いたりしなくてもよいので業務がスムーズに進められるもの。
社労士関連業務のみを行えばいい、という企業はほとんどないと言えるでしょう。
社労士の活躍の場:コンサルティング会社
コンサルティング会社にも、社労士として活躍できる場があります。
コンサルティング会社の場合、「士業」と呼ばれる資格を持つ人を雇用することが多く、その中に社労士も含まれているのです。
ただしその分、採用への難易度も高いのが難点です。
社労士の活躍の場:会計事務所
会計事務所でも社労士を募集しているところがあります。
会計事務所の場合、各専門知識を持つプロフェッショナルな人材を揃えて仕事をスムーズに回していきます。そのプロの中に、社労士も含まれます。
会計事務所も社会保険労務士事務所同様、求人が少ないです。また、正社員としての雇用ではなく、パートタイムなど時給制での雇用が多いという現状もあります。
社労士の活躍の場:自分で開業し独立して働く
社労士が転職を考えるにあたり、選択肢の1つとしてあるのが独立・開業することです。
仕事の依頼が来なければ、利益が挙げられないからです。
キャリアを積むには、企業や社会保険労務士事務所などで一定の期間働く必要があります。
辞めてからは自分で顧客開拓をしたり、在職中に作っておいた人脈を頼りに営業活動もしていくことになるのです。
社労士資格について改めて知っておきたいという人は、「社労士資格は独学でも可能!受験前に知っておくべき受験資格や勉強法」の記事を参考にしてください。
社労士にプラスでさらに有利?!転職時に有利な資格・スキル
社労士の資格を活かして活躍するにあたって、社労士資格以外にも持っていると役立つ資格やスキルがあります。
まずは社労士の業務に関連する資格から見ていきましょう。
社労士の業務に活かせる資格3種
次の3つの資格は、社労士の仕事をこなす上でも役立ちます。
- 人事総務検定
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- マイナンバー実務検定
それぞれ簡単に説明します。
社労士の転職に役立つ資格:人事総務検定
「人事総務検定」とはその名のとおり、人事・総務関連の業務や法律の知識を得られる資格です。
試験範囲には社労士試験と重複する部分も多く、社労士試験の対策として受ける人もいます。
1級から3級まであり、1級は「課長レベル」、2級は「主任レベル」、3級は「担当者レベル」とされています。
社労士の転職に役立つ資格:メンタルヘルス・マネジメント検定
職場や仕事へのストレスなどで精神的に不調をきたす人が増えたことにより、職場でのメンタルヘルス(心の健康)ケアが重要となっています。
メンタルヘルス・マネジメント検定には3つのコースがあります
コース | 概要 |
---|---|
1種(マスターコース) | ・社内のメンタルヘルス対策進 ・人事労務管理スタッフ、経営幹部向け |
2種(ラインケアコース) | ・部内(上司⇢部下)のメンタルヘルス対策 ・管理監督者、管理職向け |
3種(セルフケアコース) | ・従業員自らのメンタルヘルス対策 ・一般社員向け |
2級までは選択問題のみ、1級には選択問題に加えて応用力や判断力を問う論述問題が出題されます。
社労士の転職に役立つ資格:マイナンバー実務検定
マイナンバー制度が始まったのが2016年ですが、まだあまり理解されていなかったり、活用できていなかったりするのが現状です。
そのため、マイナンバーに対する知識を持っていると重宝される傾向に。
マイナンバー検定も1級から3級までありますが、業務に関わる知識がある証となるのは2級以上です。
次に、あると有利なスキルについても見ておきましょう。
社労士の業務に活かせるスキル
- >コミュニケーションスキル
- 仕事を正確かつスピーディに進めるスキル
- スケジュール管理能力
それぞれ説明します。
社労士の転職に役立つスキル:コミュニケーションスキル
社労士は行政官庁に提出する書類などを作成します。その際、プライベートなことで社員に確認を求めたり情報を集めたりするためにデリカシーが必要なことも。
そのため、どんな局面でもどんな相手とも上手くコミュニケーションを取らなければいけません。
社労士の転職に役立つスキル:仕事を正確でスピーディに進めるスキル
給料や保険などの計算や提出書類の作成では、間違いは許されません。法律に関わる書類の作成も行うため、正確な仕事が求められます。
また、必要な情報や書類を集め、締切に間に合うよう作業を終わらせるには、スピーディさも必要です。
社労士の転職に役立つスキル:スケジュール管理スキル
「どの仕事がいつまでに必要」「◯月にはこの手続が必要」など、スケジュールをしっかりと把握して業務を管理するスキルは、社労士ならずとも必須のスキル。
社労士の場合は、官公庁への書類申請などに期限があったり、時期ごとに必要となったりする作業もあります。
来たものをこなしていく、という待ちの姿勢では仕事が滞ったり締切に間に合わなかったり。他の社員や役所などにも迷惑をかけることになってしまいます。
社労士の転職には転職サイト・転職エージェントを使うと便利
自分で転職先を探しても、求人の数が少ないなど、気に入る求人が見つからないことも。
そういう時は、転職サイトや転職エージェントを上手に使うことで早く転職先が見つかる可能性がぐんとアップします。
転職サイト・転職エージェントは、自分が転職先に望む条件や現在の職種などを登録して転職先を見つけるため、マッチングしやすくなっているのです。
人事・労務関係の仕事を経験したことがある人は、「MS-Japan」や「リクルートエージェント」といった転職エージェントがオススメです。
こういった転職エージェントでは、会員登録する際に次のようなことを登録フォームに記入します。
- 転職希望時期
- 希望勤務地
- 現在の職種
- 現在の年収
今の状況を登録することで、より良い環境の転職先を探すことができるのです。
また、企業側も経験者を求めているため、社労士に関する仕事があればマッチングされやすくなっています。
人事・労務関係の仕事を経験したことがない人は、「doda」などの転職エージェントや大手の転職サイトがオススメです。
dodaの場合、自分のこだわりで検索することもできますし、登録することで企業からのスカウトも受けることもできます。
社労士以外にアピールするものがあればスカウトされることもあるので、転職先が見つからないという時は上手に利用してみましょう。
その他にも、転職サイト・エージェントは多数存在しています。おすすめなのは2~3のサービスを併用すること。転職エージェントの場合、担当者との相性も重要なカギとなるので、1つにこだわらないのがおすすめです。
社労士としての転職は年齢よりも実績が重要
特に30代以上となると、転職先が見つからないのではないかと不安になりがち。
しかし社労士の場合は、30代以上で資格試験に合格する人も多く、実務経験があれば転職が不利になることはありません。
1人で転職活動することが不安な人、自分のアピールポイントがわからない人は、転職エージェントのサポートを利用するなどして効率よく転職活動をしましょう。
社労士として実績を積み、対外的なスキルを身につければ、独立開業の道もあります。
悩んでいても時間が過ぎていくだけ。まず一歩踏み出してみるのはいかがでしょうか。
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