試用期間中だけど辞めたい人へ、メリットやデメリット、注意点を解説
多くの会社にある「試用期間」。就職・転職したものの、試用期間で「もう辞めたい」と思う人も多いのではないでしょうか。
試用期間とは、会社が労働者の適性を見極めるための期間です。
期間は会社により異なりますが、1カ月~3カ月、長いところでは1年間という企業もあります。
雇用保険に加入しますから、そこで働いたことは加入履歴として残るんですよ。
今後のことを考えても、安易に辞めてしまうのはおすすめできません。
会社側にとっては「解雇する権利のある労働契約期間」。
本採用後よりも解雇がしやすく、最初の14日間以内であれば解雇予告や予告手当なしに即日解雇も可能な、どちらかと言えば会社側に有利な制度。安易に自ら退職するのは得策ではありません。
しかし著しい体調の悪化など、事情によっては試用期間中の退職もやむを得ないですよね。
試用期間中の退職は早めに決断!次へつながるメリットもある
「試用期間中に辞めたい」と言うと、周りからは「早すぎる」「もう少し我慢してみたら?」と言われることも多いもの。
簡単に辞めてしまうのはおすすめしませんが、早く辞めるからこそのメリットもあります。
それぞれ説明していきます。
新卒で入った職場を辞めた場合、次に「第二新卒」枠が狙える
新卒で試用期間中に辞めた場合、「第二新卒※」として次の転職先・再就職先企業に応募ができます。
学校を卒業して就職後、約3年以内に転職を希望する人のこと。
一度社会に出たことによる社会的な信用や若手社員の不足などから「第二新卒」を求める企業も多く存在します。
第二新卒なら基本的なビジネスマナーなどは身についており、教育の手間も省けると期待されているからです。
新卒で3カ月以上勤務していれば、大抵の企業で新人研修の期間も終了していると考えられます。
無駄に時間を過ごしてしまうよりは、決断は早い方がいい
「辞めたい」と不満を心に溜め込んでしまい、目的意識もなく働き続けてしまうとどうなるでしょうか。
「働いた期間に見合った経験やスキルが身に付いていない」、つまり時間を無駄に過ごしてしまうおそれも大いにあります。
数年後にようやく転職を決意したときには、転職市場で価値がないと思われる人材・年齢になってしまう恐れもあるのです。
転職活動を行うにも人間関係を1から築き上げるにもエネルギーがいりますから、どうしても無理だと思うなら、早いうちの決断がおすすめです。
試用期間中に生じたストレスや心身の不調から解放される
言うまでもなく、試用期間中に退職することによって、いま抱えている精神的ストレスや身体的な苦痛から解放されます。
強いストレスに長い間耐え続けると、働けなくなったり自殺願望が生まれたりと取り返しのつかない状況になってしまうことも。
そうなる前に辞めるという決断も大切です。
試用期間中に退職する最大のデメリットは「転職へのリスク」
「試用期間中に辞めたい、でも言えない」と悩むのは、それによるデメリットが心配だからですよね。
確かに、短期での離職には次のようなデメリットがあります。
それぞれ詳しく説明します。
転職や再就職に不利になるリスクがある
「試用期間で辞める=早期離職」のデメリットで一番大きいのはこれでしょう。
あなたが試用期間中という短い期間で退職したことを、気にする会社(転職先)も多いです。
そのため、早期退職もいたしかたない、と相手を納得させられる退職理由が必要です。
自分に非がないことを説明しようと会社を悪く言うことも、逆に心象を悪くしてしまうので避けましょう。
次の転職先がすぐに見つかればいいですが、無職の期間が長くなってしまうと、ますます転職に不利な状況となってしまいます。
短期での離職は「職歴が汚れる」という見方もある
雇用保険に加入することで、その会社で働いた履歴は残ります。
職歴があまりに短い場合、バブル崩壊前まで終身雇用が当たり前だった日本では印象が悪く、「自分の職歴が汚れてしまう」と気に病む人も多いです。
ですが書かずに入社してから判明した場合、「経歴詐称」ととらえられる恐れもありますよ。
「履歴書には記入しなくても面接の際には口頭で説明する」などして、「嘘」はないようにしてください。
業界が同じ場合は特に、予想外のルートでバレてしまうこともあり得ます。
短期での離職は世間体や同僚の心象が悪くなる
同僚がどう思うかも気になって「退職したい」だなんて言えないと思います。
試用期間中に辞めるとなると、同僚などから「まだ入ったばかりなのに」「せっかく仕事を教えたのに」と思われるのは避けられません。
採用時の担当者や仕事を教えてもらった先輩、周りの社員の目も気になりますし、なかには「近所の人に知られたくない」という人もいるでしょう。
人の目を気にして自分の気持ちを犠牲にするなんて、もったいないですよ。
「まだ試用期間だけど、この仕事向いていないかも」と思うこともありますよね。業務や環境に慣れれば解決することもありますが、そうでないこともあります。
やむを得ない事情で試用期間中に退職する場合の注意点
パワハラによる精神的苦痛や業務過多による体調不良など、やむを得ない事情もあります。
その場合は傷が浅いうちに辞めて、長く続けられる職場を新たに見つけることをおすすめします。
経験やスキルを身に付けることなく時間を無駄にしてしまったり、体調がますます悪化して働けなくなってしまったりするくらいなら、試用期間中でも辞めるほうが得策です。
ただしその場合は、次の点に気をつけてください。
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
就業規則による退職届の期限を守る
「今すぐにでも辞めたい」と思うかもしれませんが、次の日から無断欠勤するなど、仕事(責任)を投げ出すような行動は慎みましょう。
雇用期間に期限のない正社員の場合、法律上は退職する14日前までにその意思を会社に伝える必要があります。
ただし会社の就業規則により「1カ月前までに報告」のような規定がある場合は、就業規則を優先させてください。
退職意思は上司に直接口頭で!決めたら早めに伝える
次の転職を成功させるためにも、誠実な行動を心がけましょう。面と向かって伝えるのがマナーです。
決断したのであれば、言いづらくても早めに伝えましょう。会社側にも業務計画や次の採用予定など、退職後の対処に準備が必要だからです。
マナーを守った行動をしないと、無責任な人だったから試用期間で辞めてもらって正解、などと受け取られかねません。
次に転職する会社はより慎重に選ぶ
転職・再就職先を探す際には、自分に合った職場を見つけるために、企業研究・自己分析を十分に行ってください。
短期での退職は、繰り返してしまうと転職へのリスクがより高くなります。
辞める決断も次の就職先を選ぶときも、自分のやりたいことや将来の目標、職場での優先事項などをよく考えて行動するのが最善の方法です。
雰囲気や価値観など、入社してすぐに強い違和感を覚えることもあるでしょう。
他社でも即戦力となるスキルを身に付けてからの方が、転職に有利ですよ。
転職すべきかどうかの答えが出ない人や、自分に合う転職先を見つける自信のない人は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
早期の退職理由をどう伝えればいいかなどの相談にも乗ってくれますよ。
転職先には退職理由をポジティブに変換して伝える
転職の際は、面接で前職の退職理由を必ずと言っていいほど聞かれます。
たとえパワハラがあったなどの理由でも会社のせいにせず、自分の反省や希望を踏まえたポジティブな退職理由を伝えましょう。
ありのままのネガティブな理由ではなぜいけないんですか?
理解できないネガティブな理由だと「忍耐力が弱い」「物事を他人のせいにしがち」など、自分に不利な印象を持たれてしまうんです。
試用期間中に退職すると決めたら、上司への切り出し方やその後の流れを予習しておきましょう。次の記事も読んでみてください。
試用期間中に辞めたいならメリット・デメリット両方を考えて決断
試用期間中に辞めると、今抱えている悩みから解放されるだけでなく、新卒であれば「第二新卒」枠が狙えるというメリットもあります。
しかし一方で、短期間で離職することには、転職・再就職に不利になるリスクという大きなデメリットも。
とはいえ我慢し続けて心身に不調をきたし、働けなくなっては元も子もありません。
精神的に強いストレスを感じたり身体の不調が続くようなら、早めに退職を決断しましょう。
短期で辞めてしまった場合、転職先の面接官を納得させる転職理由を伝えることも大切です。
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